monologue
夜明けに向けて
 



わたしが腓骨を骨折して入院した時、東川口病院にウクレレ部ができた。それで、リハビリ科OT主任大塚真代作業療法士がウクレレの調弦の仕方を教えてくれとウクレレを持ってやってきた。それでリハビリ室で、スマホに「ウクレレ、調弦、」と打ち込んで検索して出てくるウクレレのそれぞれの弦に音を合わせる方法を教えた。初めてなので初めはむづかしいけれどしばらく手伝ってウクレレの4本の弦がなんとかチューニングできると今度は初練習のチュートリアル曲に決まっている「ハッピーバースデイ」のコードの押さえ方を尋ねるので指板表を見せながら押さえてみせた。他のリハビリ職員たちもどうなるか、興味深そうに見ていた。わたしは一応コードに合わせて「ハッピーバースデイ」を歌ってみせた。
それから大塚真代主任がわたしの自作最新曲を訊くので「虹の歌」と応えるとその場でスマホで検索して聴いていた。そしてわたしの退院フェアウエルライブの日、「虹の歌」を聴きたかったと残念がっていた。他の看護師たちはわたしの声で「ホワイトクリスマス」を聴きたいとリクエストした。みんなそれぞれ勝手なことを言うので面白かった。病院のような場でも、集う者の心次第でそこにいることがうれしく楽しい場になり得るのだ。
fumio


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