monologue
夜明けに向けて
 

呪符  


遠く深かった窟(いわや)はもう目の前にある。この戸を開くためにがんばろう。
天岩戸開きの場面で、布刀玉命(フトダマノミコト)が鏡を差し出しアマテラスに見せ、天手力男神(アメノタヂカラヲノカミ)がその御手を取り引き出した。
アマテラスはこの時、鏡の中になにを見たのか…。その答えが窟(いわや)の文字なのである。「窟」とは穴に屈である。つまり穴に屈が隠れている。そういってもすぐには理解しにくいが屈は「かがみ」なのだ。ややこしいがアマテラス自身が「かがみ」であって鏡を差し出され自身の姿を見たということ。わざとこのように混乱を起こす封印をしてあるのだが「かがみ」を蛇身と書けばやっとその意味がわかる。アマテラスは穴に隠れた蛇だったのだ。古代の太陽神は蛇であった。蛇をカカと読み蛇神をカカシと呼び輝「カガ」やくなど太陽の形容に使用する。布刀玉命(フトダマノミコト)が差し出した鏡に映ったのは「蛇ノ目」であった。それは日本の三大呪符紋、「直違(すじかい)紋、十字紋、蛇の目紋」のひとつとして使用され、直違紋は「×」の紋章化なので禁止、十字紋はプラスのイメージのままに招来、蛇の目紋は両方の霊力を持つという。この三大呪符紋はすべて岩戸開きの場面のイメージを記号化したもののようだ。
fumio

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