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手力
伝承と昔話
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2007年05月17日
さて、平成という年号ももう19年を数える。「平」という文字は以前にも述べたように「一八十」の組み合わせ文字で岩戸(イハト」を示している。岩戸はもう成る頃。
この天岩戸開きの主役と準主役にスポットを当ててみたい。そのヒロイン、ヒーローの名前は「アメノウズメ」と「タヂカラオ」、いわばロミオとジュリエットというところか。巧妙に隠されてあまりそのように捉えられていないかれらの秘密に迫ってゆきたい。
天岩戸開きの場面で、布刀玉命(フトダマノミコト)が鏡を差し出しアマテラスに見せ、天手力男神(アメノタヂカラヲノカミ)がその御手を取り引き出したという。
ジュリエットがバルコニーで『ロミオよロミオ、あなたはどうしてロミオなの?』と問う名セリフのように『タヂカラよタヂカラあなたはどうしてタヂカラなの?』とたずねてみたい。かれの名前「手力男」のタヂカラだけならば田力で「男」一字ですむ。
それを手力とするのは手が「チから」きているから。岩戸を開くとき、かれは「千」を使い回転した。それは「チ」になり上下逆に重なったとき「手」となった。
手は偏になれば「才」となる。「男」という文字は十が回転して力を発することの図。別に性別を知らせているわけではない。「手力男」という名は「手」という文字でこの宇宙の仕組みを示し岩戸を開くことを示している。「手」とはピラミッドが上下逆に重なっている図そのものなのである。上図の文字は「手」を逆さまにしてあるのだがよく見ると上下の三角とその間に重なった四角い底辺が見える。これがいわゆる黄金太陽の形状なのである。岩戸が開くということはこの四角い底辺の部分の境界が通じるということなのである。
長野に戸隠神社という神社がありそこに天手力男命が祀られている。
神社名鑑から以下に抜き書きすると
***************
戸隠神社(とがくしじんじゃ)旧国弊小社
祭神(奥社)天手力男命 九頭竜大神
(中社)天思兼命
(宝光社)天表春命
神紋 鎌まんじ
由緒沿革
戸隠神社奥社は創立年代最も古く孝元天皇五年の古記録あり。
昔天手力男命曰く、
「吾天にありし時抛落せる天岩戸今科野国に留り山と成れリ。
彼の山は則吾霊魂の残れる地なり。彼所に行きて住まん」
と筑前紀伊を経て当山に遷座し給う。
********************
科野国というのは今は信濃と改められ信州長野を指す。
天手力男は天岩戸を長野に投げ落としたというのだ。
それがこの戸隠高原ということになる。この地に天岩戸が隠されているらしい。
奥社にともに祀られている九頭竜大神がこの地の元々の地主神であるという。
それにしても天手力男命が 九頭竜大神とともに奥宮に祀られているというのは 意味深長である。九頭竜大神とはその名前からしてニギハヤヒとしか考えられない。
fumio
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