monologue
夜明けに向けて
 



 わたしのサイトの人気ページのいつもトップを争うひとつはなぜか「七つの子の謎」のページである。
 世の中には意味不明の童歌が多くて議論の対象になる。この「七つの子」もそのひとつである。
カラスは七つも卵を生まない し七歳のカラスはもう子どもじゃないということで七羽説も七歳説もどちらも腑に落ちない。そんなわけで野口雨情の童謡「七つの子」の歌詞について不審に思っている方が多いようだ。

■ 七つの子

  1921(大正10年)「金の船」  作曲 本居長世

「金の船」創刊号 1919(大正8年)11月

からす なぜ鳴くの からすは山に
かわいい七つの 子があるからよ
かわい かわいと からすは 鳴くの
かわい かわいと 鳴くんだよ

山の古巣へ 行ってみてごらん
まるい眼をした いい子だよ

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 では「七つの子」の真意を探ろう。まず、初めに出てくるカラスが誰のことか特定しよう。これは一般的な解釈のように鳥類のカラスではないから鳥のこととして解釈しようとすると無理が出てしまうのだ。

 結論から言えばこのカラスはニギハヤヒの父スサノオなのである。かれには素盞嗚尊、素戔嗚尊、須佐の男など様々な記し方がある。

兵庫県神戸市灘区岩屋中町4丁目1-8 敏馬(みるめ)神社[の祭神名「素盞烏命」や長崎県下県郡豊玉町大字唐洲647番地元嶋(もとしま)神社の祭神名「素盞烏尊」を見ればわかるようにかれがカラスの性質ももっているので素盞烏命とも書くのだ。

 「からす なぜ鳴くの」という歌詞は、素盞烏尊と素盞嗚尊から共通する素盞尊を抜いた時、烏と鳴が残って、その間に「なぜ」を入れてあるだけだと気付くだろう。

 虹色の戦士達 で書いたようにスサノオには七人の子供がいた。
ところか゜出雲の象徴数は八なので八王子ということにされたのだった。

 八坂神社には、祭神のスサノオの八柱御子神とは、稲田姫命から生まれた八島篠見命,五十猛命,大屋津比売命,抓津比売命。市比売命から生まれた大歳神、宇迦之御魂神。佐美良比売命から生まれた大屋毘古命と須勢理比売命で八人と書いてある。

 大歳(ニギハヤヒ)一人を二人に分けて大歳神と宇迦之御魂神との兄弟として書いてあるので七人が八人になってしまっている。
この歌はスサノオの子供は七人の「虹の戦士」たちであったことを知らせているのである。

 第三連の「山の古巣へ 行ってみてごらん」
 という部分も鳥類のカラスはつぎつぎに針金のハンガーでも拾ってきて新しい巣を作るはずなのだがここではなぜか古巣になっている。

 それはニギハヤヒの幼名が布留(フル)であったからなのである。
すなわち、ニギハヤヒの巣を覗いてごらん、と勧めているのだ。

「まるい眼をした いい子だよ」というなんでもないような結句で終わっているが「眼」をマナコと読めばスサノオの真意がわかる。

 マナコとは「愛子」のことで「愛しいわが子」という意味を含めているのである。スサノオは「愛しいわが子」ニギハヤヒが封印のために世の中に出てまだ活躍できないことをこの歌詞で訴えているのである。

 しかし、雨情は作詞中にそんな裏の意図は考えていないに違いない。将来、自分の詞が論争を喚び起こすなどとは思ってもみなかっただろう。
fumio

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