ビリーの挑戦2-083cut:新谷営業部長との打ち合わせ
――Scene13:SSTからアカデミーへ
影野小枝 会議室に、漆原SSTアカデミー責任者、桑田SSTアカデミー事務局長、新谷営業部長がこもっています。
新谷 ぼくの希望がかなって、感謝している。
漆原 営業リーダーにSSTと同じことを体験させるのは、ちょっと苛酷だとちゅうちょしていたら、社長に「やれ」と一喝された。
新谷 SSTアカデミーの概要を説明してくれないか?
桑田 まず18支店(組織変革があり、支店は10から18に増えています)から、1名ずつ営業リーダーをピックアップしていただきます。対象は「2-6-2」の真ん中「6」を半分と、トップとぶらさがりの「2」から半分を選んでいただきます。
新谷 ぶらさがりの「2」は、やってもムダだと思うけど。
漆原 ダメだったら、専任MRとして部下なしで、やってもらうことになる。
新谷 成果の検証はどうするんだい?
桑田 アカデミーのメンバーが2か月間入って同行したMRの、半年後の業績を見ます。伸びていたら合格、伸び悩んでいたら不合格とします。
漆原 SSTアカデミーに選ばれたメンバーには、2か月間で2人のMRと終日同行してもらう。目的はMRの育成で、彼らの同行の威力を体感してもらうことだからね。
新谷 その間営業所は誰が面倒をみるんだい?
桑田 支店のスタッフとか支店長に、お願いしようと考えています。
新谷 支店長をメインにした方がいいな。錆びた現場感覚が戻るかもしれない。
漆原 メンバーは3人が1組で、SSTが入っていない営業所に常駐してもらう。
新谷 するとその間は、営業所に4人もの営業リーダーが存在するわけだ。
漆原 4人がお互いに刺激し合いながら、MR育成を真剣に考えてもらえるような場も設定する。
桑田 まず必要なのは、メンバーに対する製品知識教育です。事前に2週間、徹底的に話法を鍛えます。それと上から目線での同行は、必ずMRとの確執が起こります。そのあたりの訓練もします。