山本藤光の文庫で読む500+α

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2205+31:半村良のこと

2022-05-31 | 妙に知(明日)の日記
2205+31:半村良のこと
■文春オンラインにショッキングな記事がありました。見出しだけ引用します。日本政府の危機管理はどうなっているのだろう。唖然とさせられました。――「自衛隊に中国系メーカーのPCが配られて唖然」「LINEの情報もダダ漏れ」“ファーウェイ排除”を進めない日本の超危険。■半村良は『晴れた空』(上下巻、祥伝社文庫)を「山本藤光の文庫で読む500+α」で紹介しています。ウィキペディアにおもしろい記載がありました。紹介させていただきます。――ペンネームは、イーデス・ハンソン(良いです、半村)に由来するのではないかとよく言われるが、実際は薬品のネーミング法などをヒントに語呂の良いものを選んだのだという。イーデス・ハンソン説については、小松左京の言い出した冗談を、本人が特に否定しなかったために広がったという説が有力である。パスティーシュ小説で著名な清水義範は、学生時代に作った同人誌を通じて半村と文通が始まり、大学卒業時と同時に上京する際、半村を頼ったと述べている。当時の半村は広告代理店を退社して専業作家に転身し、大きくブレイクしようとした時期にあたった。その後も清水に目をかけ、亡くなるまで交友が続いた。清水は、いくつかの自伝的作品で半村をモデルにした人物を登場させており、師匠と呼んでいる。
山本藤光

220530:柳美里『JR上野駅公園口』がいい

2022-05-30 | 妙に知(明日)の日記
220530:柳美里『JR上野駅公園口』がいい
 ■以下、テレ朝ニュースからの引用です。――日本赤軍の重信房子元最高幹部(76)が28日朝、懲役20年の刑期を満了して出所しました。(中略)重信元最高幹部は日本赤軍の解散を宣言していますが、現在も7人のメンバーが逃亡していることなどから、警察当局では出所後の動向を注視しています。――問題は最後の部分にあります。刑に服していないかっての仲間が、まだ7人も逃亡中なのです。■柳美里(ゆう・みり)は、『フルハウス』(文春文庫)を推薦作として紹介しています。しかし最近読んだ 『JR上野駅公園口』(河出文庫)が印象的で、紹介したいなと思っています。本書はアメリカで最も権威のある文学賞のひとつ、全米図書賞を受賞しています。■簡単にストーリーを紹介します。以下、WEB河出からの引用です。――本作は福島県相馬郡(現在の南相馬市出身)で、1964年東京オリンピック前年に出稼ぎ労働者として上野に上京、高度経済成長ののち、そこでホームレスとなった男性が主人公。柳美里さんが一貫して取り組んできたテーマ「居場所のない人に寄り添う物語」です。
山本藤光

220529:鮫島浩『朝日新聞政治部』出た

2022-05-29 | 妙に知(明日)の日記
220529:鮫島浩『朝日新聞政治部』出た
■鮫島浩『朝日新聞政治部』(講談社)がついに発売されました。私はkindleを買い求めました。以下、現代ビジネスの案内記事です。―― 一昨日(27日)発売されて即大反響を呼んでいる。登場する朝日新聞幹部すべて実名、元政治部エース記者の鮫島氏による衝撃の内部告発ノンフィクションは、2014年に大バッシングにさらされたとき、朝日新聞の中枢で何が起きていたかを洗いざらい暴露している。■本書の抜粋版は、ネットで読むことができます。全7回連載予定のうち、現在は5回までアップされています。本書を買おうと思ったのは、この抜粋版のすさまじさに魅せられたからです。40年間購読し続けた朝日新聞ですが、いまは産経新聞に切り替えています。朝日に洗脳されている方に、朝日を見限った方に、ぜひ読んでいただきたいと思います。■ちょっと長いのですが、アマゾンの案内を貼り付けておきます。――「吉田調書事件」の当事者となった元エース記者が目にした、崩壊する大新聞の中枢。登場人物すべて実名の内部告発ノンフィクション。地方支局から本社政治部に異動した日、政治部長が言った言葉は「権力と付き合え」だった。経世会、宏池会と清和会の自民党内覇権争い、政権交代などを通して永田町と政治家の裏側を目の当たりにする。東日本大震災と原発事故で、「新聞報道の限界」をつくづく思い知らされた。2014年、朝日新聞を次々と大トラブルが襲う。「慰安婦報道取り消し」が炎上し、福島原発事故の吉田調書を入手・公開したスクープが大バッシングを浴びる。そして「池上コラム掲載拒否」騒動が勃発。ネット世論に加え、時の安倍政権も「朝日新聞バッシング」に加担し、とどめを刺された。著者は「吉田調書報道」の担当デスクとして、スクープの栄誉から「捏造の当事者」にまっさかさまに転落する。吉田調書報道は、けっして捏造などではなかった。しかし会社は「記事取り消し」を決め、捏造だとするバッシングをむしろ追認してしまう。そして、待っていたのは「現場の記者の処分」。このときに「朝日新聞は死んだ」と、著者は書く。戦後、日本の政治報道やオピニオンを先導し続けてきた朝日新聞政治その最後の栄光と滅びゆく日々が、登場人物すべて実名で生々しく描かれる。
山本藤光

220528:原田ひ香『事故物件、いかがですか?』に期待

2022-05-28 | 妙に知(明日)の日記
220528:原田ひ香『事故物件、いかがですか?』に期待
■スポーツ報知の記事です。――沖縄県の玉城デニー知事が25日、米軍基地問題に関する有識者会議が始まる前に、自らを「(ウクライナ大統領の)ゼレンスキーです」とあいさつし、着席したことを報じた。――後で玉城は「冗談です」と弁解しましたが、この軽さは許されません。親中のばりばりは、今度の選挙で引きずり下ろすべきです。■原田ひ香の話題の『三千円の使い方』(中公文庫)は、たいくつで途中で投げ出してしまいました。昨日書店で『事故物件、いかがですか?』(集英社文庫)を買い求めました。こちらはタイトルから考えると、おもしろそうです。待機本コーナーに収納しました。原田ひ香は将来性を考えると、外せない作家です。早く傑作と出逢いたくて、執拗に追っかけています。
山本藤光

220527:『文豪たちが書いた笑う名作短編集』がいい

2022-05-27 | 妙に知(明日)の日記
220527:『文豪たちが書いた笑う名作短編集』がいい
■国民民主党・玉木雄一郎「最大の危機は『岸田政権が何もしないこと』」〈週刊朝日〉――この見出しの記事がおもしろかったので、おすそわけさせていただきます。――岸田文雄政権は選挙後に何もしなくなり、日本に必要な改革が進まなくなる恐れがある。安倍晋三政権は良くも悪くもいろいろなことをやって支持率も上下しましたが、リスクをとらず何もしないほうが、支持率を一定に保ててしまいますから。そんな中で、私たちは課題をいち早く見つけて解決策を示し、政府・自民党のお尻をたたいて実現させていくつもりです。■『文豪たちが書いた笑う名作短編集』(彩図社文庫)は、本当に笑えました。夏目漱石「永日小話」、坂口安吾「風博士」、芥川龍之介「桃太郎」、太宰治「畜犬談」などが所収されています。安吾と龍之介の作品は読んだことがありました。この2作品は絶品です。著者欄に「彩図社文芸部編」となっていました。この企画は成功です、とお伝えします。笑いの少ないご時世です。原から笑っていただくには、最高のアンソロジーでした。
山本藤光

220526:西村京太郎『寝台特急殺人事件』再読するぞ

2022-05-26 | 妙に知(明日)の日記
220526:西村京太郎『寝台特急殺人事件』再読するぞ
■悪党国が手を組んで、日本を威嚇しています。なにやらきな臭い雰囲気が、ただよっています。以下、産経新聞のコピーです。――中国軍とロシア軍の戦略爆撃機による24日の日本列島周辺での編隊飛行について、露国防省は同日、「合同の空中パトロール(警戒飛行)」であり、「特定の第三国に向けたものではない」と発表した。タス通信が伝えた。■西村京太郎さんが亡くなってから、2ヶ月がたちました。若いころは京太郎と寿行の、両西村作品ばかりを読んでいました。ずっと遠ざかっていましたが訃報を聞いて、待機本コーナーに『寝台特急殺人事件』(光文社文庫)を移しておきました。再読してみようと思ったからです。本書は鉄道ミステリの第1作となります。ストーリーは完璧に忘れています。■そんなおり、書店で『西村京太郎の推理世界』(文春ムック)を見つけました。赤川次郎と東野圭吾の追悼文を読んで、改めて偉大な作家の不在を実感させられました。
山本藤光

220525:内海隆一郎『だれもが子供だったころ』がいい

2022-05-25 | 妙に知(明日)の日記
220525:内海隆一郎『だれもが子供だったころ』がいい
■訪日中のバイデン大統領は、記者の「台湾有事に軍事介入するのか」の質問に「イエス」と断言しました。軍事介入なのか関与なのかのニュアンスはあいまいです。もし介入だったら、アメリカはこれまでの曖昧戦略から一気にハードルをあげたことになります。以下、FNNプライムオンラインの記事からです。――自民党の佐藤正久外交部会長は24日に行われた自民党の会合で、バイデン大統領の発言を「大変良い失言、最高の失言だ」と指摘。「ホワイトハウスは火消しに回ったように、アメリカのこれまでの台湾に対する曖昧戦略から、一線を越えた発言だ。大統領の本音が出た極めて良い失言だ」と評価した。■内海隆一郎『だれもが子供だったころ』(河出文庫)でほっこりとした気持ちになりました。ぜひ読んでもらいたいと思います。アマゾンのガイドを引用しておきます。――子供の目線で世界を描く49の掌編集。「国語教材や入試問題にも長年採用されてきた作家」の名作を新装復刊。祖母から贈られたセーターの長すぎる袖に不満げな男の子。初めて両親と離れ、二人だけで新幹線に乗る兄妹。二度と帰らない父をベランダで待ち続ける女の子……他、子供が出会う日々の出来事をやさしく、あたかかく、ときに切なく描き出す。子供の目線だからこそ見えてくる、日常のささいな出来事の奥深さ――今まさに子供の人、ちょっと前まで子供だった人、かつて子供だったすべての人に贈る珠玉の49編。■内海隆一郎のプロフィールは次のとおりです。――1937-2015。1969年(昭和44年)、処女小説「雪洞にて」が第28回文學界新人賞を受賞した。しかし翌年、受賞第一作である小説「蟹の町」が芥川賞候補となるも落選すると、そのショックから以降15年間に渡って断筆[6]、編集者として務め続けた。1984年、友人の紹介によって、日本ダイナースクラブの月刊会員誌 「シグネチャー」への寄稿を開始。同誌では市井の人びとを描いた一話完結の短編小説を連載し、それらは翌年『人びとの忘れもの』として筑摩書房から出版された。エッセイとも小説ともとれる手法で日常生活のなにげない出来事をおだやかな文章で描いた心あたたまる短編は反響を呼び、後に「人びとシリーズ」と呼ばれる独自の作風として定着した[6]。これらは評論家や編集者からも絶賛され、この後内海は文筆業に専念することとなった。1993年(平成5年)、「鮭を見に」が直木賞、1995年には「百面相」が直木賞の、それぞれ候補作品となった。2008年、「人びとシリーズ」のベストセレクション、「30%の幸せ」が出版された。2015年に白血病のため死去。78歳没。(ウィキペディア)
山本藤光

220524:現代語訳『たけくらべ』と『にごりえ』がいい

2022-05-24 | 妙に知(明日)の日記
220524:現代語訳『たけくらべ』と『にごりえ』がいい
■山口敬之氏のメルマガ(一昨日)に、うれしい報告がありました。山口氏は橋下徹と上海電力との、闇の関係を追求しているジャーナリストです。以下引用――「橋下徹研究(11)」「ついに大阪市議会で上海電力問題の議論始まる」「ついに大阪市議会で上海電力問題の質疑始まる」本日午後1時から行われた大阪市議会の建設港湾委員会で、咲洲メガソーラーの上海電力参入問題について、自民党の山本長助市議が質問してくれました。――橋本徹が市長時代の問題です。できれば百条委員会設置にまで、いってくれればと願っています。■現代語訳『たけくらべ』と『にごりえ』(ともに河出文庫)を読みました。前者の表題作は松浦理英子、後者の表題作は伊藤比呂美が書いています。それぞれの本には、表題作以外に各3篇が収載されています。阿部和重、多和田葉子、角田光代などが樋口一葉作品に挑んでいます。樋口一葉は『たけくらべ』を推薦作として紹介しています。原文は少し難解でしたので、紹介作を本書に切り替える方がいいかなと思いました。とにかくすらすら読めます。樋口一葉はぜひ読んでいただきたい作家です。
山本藤光

220523:太宰治ミステリ『生きてしまった』がいい

2022-05-23 | 妙に知(明日)の日記
220523:太宰治ミステリ『生きてしまった』がいい
■スポニチの記事です。ロシアのウクライナ侵攻を、唯一予言した人の記事がありました。以下引用です。――ロシア政治を専門とする筑波学院大・中村逸郎教授が22日、テレビ朝日系「サンデーLIVE!!」(日曜前5・50)にVTR出演。ロシアのプーチン大統領の健康問題について言及した。(中略)「体調が悪いということを考えれば、6月12日っていうのは、今のロシアのまさに建国の日なんですね。ですからここに新しいロシアをスタートさせる」と1カ月以内にプーチン氏が大統領職から退く可能性にも言及した。――この読みはあたるような気がします。■太宰治ミステリ『生きてしまった』(河出文庫)は、「生きることの苦悩と、むきだしの恋の激情をミステリアスに描く短編集」(帯のコピーより)です。既読の作品もありましたが、一気に読んでしまいました。太宰らしい作品を、久しぶりに堪能しました。
山本藤光

220522:佐川光晴のこと

2022-05-22 | 妙に知(明日)の日記
220522:佐川光晴のこと
■以下、SPAの記事です。――コロナ禍を機に、オンラインカジノへのアクセス数が急増。24時間365日プレイできる点、射倖性のある演出などが人気を呼んでいるが、ハマりすぎて借金や家庭崩壊などに至る人が続出している。――この古い記事に、新たな見出しが追加されました。「4630万円誤送金騒動でも…オンラインカジノで人生が崩壊した人々」――ギャンブル依存症の怖さを、実感させられました。■佐川光晴(さがわ・みつはる)は、「虹を追いかける男」(『生活の設計』双葉文庫所収)を推薦作にしています。むかしの佐川光晴は好きでしたが、最近は青春小説が多く、遠ざけていました。しかしどんな路線変更をしたのか、垣間見たくなりました。書棚から『おれのおばさん』(集英社文庫)を選んできました。近いうちに読んでみます。■佐川光晴のプロフィールは次のとおりです。ウィキペディアより――1965年生まれ。2000年「生活の設計」で第32回新潮新人賞を受賞して小説家デビュー。2001年単行本「生活の設計」で第14回三島賞候補。「ジャムの空壜」で第125回芥川賞候補。2002年「縮んだ愛」で第127回芥川賞候補、単行本「縮んだ愛」で第24回野間文芸新人賞受賞。2004年「弔いのあと」で第131回芥川賞候補。2006年「銀色の翼」で第134回芥川賞候補。2007年「家族の肖像」で第136回芥川賞候補。2011年:おれのおばさん(で坪田譲治文学賞受賞。
山本藤光