山本藤光の文庫で読む500+α

著書「仕事と日常を磨く人間力マネジメント」の読書ナビ

乱知180525;米朝会談中止。再開は?

2018-05-25 | 乱知タイム
乱知180525;米朝会談中止。再開は?
米朝会談が中止。再開はあるでしょうか。私の科学的な分析では、ずばり7月15日に再開となります。
「朝」の漢字を分解すると「十月十日」となります。「米」の漢字を分解すると「八十八」となります。つまり十月十日から八十八日前が再開日となるのです。それが七月十五日の根拠です。お粗末様でした。計算間違いがないことを祈ります。
山本藤光2018.05.25

ビリーの挑戦2-077cut:SSTの新たなる役割

2018-05-25 | ビリーの挑戦第2部・伝説のSSTプロジェクトに挑む
ビリーの挑戦2-077cut:SSTの新たなる役割
――Scene12:SSTプロジェクトの役割
影野小枝 SSTプロジェクトは、残すところあと3カ月になりました。毎月開催されるSST会議には、社長や経営陣も参加します。初めてSST会議に出席したとき、現場発の生の声を聞いて、社長はこんなことをいっています。当時を再現してみます。
社長 私はずっときれいな話ばかりしか、耳にしていなかった。SSTメンバーが現場からあげてくれた、山のような課題を克服しなければ、業績は上がらないと実感した。今後とも課題と合わせて、改善点の提案を続けてもらいたい。次回の会議からは、取締役会議のメンバーにも参加を呼びかける。
漆原 SSTの任務に、新たなミッションが追加された瞬間でした。会社の経営陣に提案できるようになったのですから。これでSSTのステージは、間違いなく1つ上がりました。
磯貝 私も社長の言葉に感動しました。単なるMRのレベルアップ部隊が、現場発の提案を会社の中枢に向けて提案することを求められたのです。

質を測る022:営業活動のブラックボックス

2018-05-25 | 営業の「質を測るものさし」あります
質を測る022:営業活動のブラックボックス

 会社はどの営業担当者にも、均一なインプットを与えています。インプットとは、情報や環境や知識のことです。従前はここに経費という単語も加わっていました。残念ながら現状の製薬会社では、ここにもっとも大切な2文字をいれることはできません。「指導」という単語です。
均一なインプットを与えているにもかかわらず、営業担当者のアウトプットは天と地ほどもの開きがあります。アウトプットとは業績のことで、営業担当者は営業職ではないとしている会社では、提供した情報量または顧客満足度などとなっているかもしれません。まだ聞いたことはありませんが。
なぜアウトプットに、大きな格差が生まれるのでしょうか。2つの間には、「プロセス」という単語が入らなければなりません。ここは「営業担当者活動のブラックボックス」と呼ばれており、傍から垣間見ることはできません。IMSでも分析できませんし、コンピュータでも解析できません。
営業担当者活動の中身をのぞいてみましょう。
顧客満足度、話法の熟成度、学術資材の活用、顧客ニーズの把握、効果的なドアオープナー、質問力、明るさ、空気を読む力、クロージングのタイミング、アクセスの時間や場所、気配り……書き出したらキリがありません。

「人間系ナレッジマネジメント」の対語は、「システム系ナレッジマネジメント」です。製薬企業のほとんどは、こちらのナレッジマネジメントを適用しています。コンピュータを駆使し、高価な外部データを買い求め、「量的」な管理に専念しているのです。あるいはよかれと思って、コンピタンシーモデルやベストプラクティスを、これでもかといわんばかりにイントラネットにいれこんでいます。のちほどふれますが、これらが活用されているという例を私は知りません。
それらにかわるものが、私の推奨する「育成同行」「身の丈コンピタンシー」「1枚ペラのBP(ベストプラクティス)」などです。(詳細は「第8章;強いチーム育成ツール・話法」を参照してください)

営業担当者活動のブラックボックスを、垣間見ることができる唯一の存在、それが営業リーダーです。しかも営業リーダーが現場で営業担当者と同行しないかぎり、見出すことができないのが「営業担当者活動のブラックボックス」なのです。
ところが70パーセントの営業リーダーは、「雑用に追われて十分な同行ができていない」と答えています。(当社アンケートより)アウトプットを左右しているこの部分に、製薬会社はなぜ着目しないのでしょうか。なぜ投資をしないのでしょうか。1人の派遣営業担当者を採用するのと同じくらいの費用で、私の会社の「質をはかる物差し」を買い求めることができます。ちょっと厚かましい宣伝になってしまいました。反省。

のほほん180525:フィリップ・ロス亡くなる

2018-05-25 | のほほんのほんの本
のほほん180525:フィリップ・ロス亡くなる
フィリップ・ロスが亡くなりました。85歳でした。書棚の本を引き出し、机の上に並べました。大学時代に夢中になって読んだ作家ですが、書評を発信していないことに気づきました。『さようならコロンバス』(集英社文庫、佐伯彰一訳)を再読することにしました。
机に並んでいる著作は、次のとおりです。

『20世紀の文学・世界文学全集19・ボールドウィン/フィリップ・ロス』(集英社)
『世界の文学34ロス』(集英社)
『父の遺産』(集英社文庫、柴田元幸訳)
『失踪』(扶桑文庫、御木陽太郎訳)
『乳房になった男』(集英社)
『素晴らしいアメリカ野球』(新潮文庫、中野好夫・定盤新平訳)
フィリップ・ロスのご冥福を祈ります。
山本藤光2018.05.25

妙に知180525:G線上のありゃ?

2018-05-25 | 妙に知(明日)の日記
妙に知180525:G線上のありゃ?
「G線上のありゃ?」というだじゃれタイトルが浮かびました。内舘牧子『終わった人』(講談社文庫)を読んでいて、猛烈に自分でも書いてみたくなったのです。「G」は爺のことです。「ありゃ?」は、加齢とともにこんなはずではなかった(ありゃ?)、と思ったことの数々の紹介です。近いうちに「妙に知(明日)の日記」で書いてみたいと思っています。
山本藤光2018.05.25

勝手にやればいい:めんどうかい071

2018-05-25 | 営業リーダーのための「めんどうかい」
勝手にやればいい:めんどうかい071
――第4章:威力ある同行
 難しいことや特殊なスキルやノウハウを、移植するのではありません。営業活動の基本を、叩きこんだのです。営業リーダーは、学校の先生であってはいけません。塾の先生に徹するべきなのです。

◎ショートストーリー

 SSTメンバーが派遣先に赴く。最初の場面を再現してみたいと思います。あなたは何を感じるでしょうか。

SST「本日から3ヶ月、私たち3人がお世話になります」
現地リーダー「話は聞いているが、おまえたちに何ができる? まあ命令だからしょうがないが、おれは知らん。勝手にやればいい」
SST「営業リーダーの協力がなければ、絶対にうまくゆきません。趣旨を理解いただき、ぜひ一緒に、このチームを伸ばしましょう」
現地リーダー「おれは目いっぱいやっている。おれは自分流にやるから、おまえたちはおまえたちで、自由にやればいい。邪魔はしない」

SSTメンバーは、3人が1組になってチームに派遣されます。平均的に1つのチームには、8人ほどの営業担当者がいました。SSTメンバーが同行指導するのは、1人につき2人の営業担当者です。その意味は、あとで説明させていただきます。

現地の営業リーダーは、SSTメンバーの成功を望んでいません。SSTメンバーが成功したら、自分たちの指導力が問われるからです。そんな関係ではじめのうちは、メンバーに対して協力的ではありません。しかしメンバーの熱心な仕事を目のあたりにして、少しずつ胸襟を開くようになりました。

ショートストーリーは、実話です。この営業リーダーは、最終日にSSTメンバーに感謝の言葉を述べ、送別会まで開催してくれました。

町おこし136:二人の正月

2018-05-25 | 小説「町おこしの賦」
町おこし136:二人の正月
――『町おこしの賦』第5部:クレオパトラの鼻13 
 アパートの一室で、瀬口恭二は孤独な年越しをしている。コンビニでカップそばを買って、ラジオで紅白歌合戦を聞く。テレビはない。外は猛烈な吹雪だったが、恭二の胸中はおだやかだった。
やるべきことは、やった。予備校の模擬試験では、北大薬学部を完全に射程圏内にとらえていた。浅川留美とは時々一緒に食事をしていたが、長話をすることはなかった。

 ドアが叩かれた。大家さんだろうと思って、ドアを開けた。留美が立っていた。緑のオーバーのフードに、雪が積もっている。長いまつげの上にも、雪が乗っている。両手に荷物を提げているので、振り払えなかったのだろう。
 恭二は驚いて、留美を部屋に招き入れる。
「きちゃった」
 留美はおどけて、舌を出した。
「びっくりしたよ」
 両手の荷物を受け取り、留美のオーバーを脱がせる。オーバーはずっしりと重かった。雪が落ちて、たちまち土間は雪の山になった。
「一人でボーッと正月するより、一緒の方がいいでしょう。迷惑だった?」
「いや、うれしいよ」

 留美は持参した、おでん、赤ワイン、プラスティックのコップや紙皿を床にに並べる。
「センター試験まで、あと一ヶ月半。合格の前祝いの、つもりなんだけど」
「留美ちゃんは、絶対合格だよ。おれは、ちょっとやばい」
「だって恭二さんは、先月は私より上位だったのよ。心配ないわよ。賑やかにお正月しましょう」 
 二人はワインで乾杯する。乾杯しながら、今、名前で呼ばれたことがうれしかった。

「寒いね、この部屋」
 電気ストーブしかない部屋では、オーバコートは必需品である。ベッドから布団を取り出し、恭二は留美の背中にかけてあげる。
「ありがとう。でも何だか、ホームレスになったみたい」
「さっきの雪だるまみたいな、格好よりはまともだよ」
 留美は笑った。特徴のある、前歯がのぞいた。
「それにしても、何もないのに、汚い部屋だね」
 机と椅子とベッド。それだけしかない部屋を見回し、留美はえくぼを作って笑った。
「留美ちゃん、二人とも合格したら、どこか旅行しょうか?」
「いいわね、合格旅行か。恭二さん、彼女いないの?」
「断言できる。いない」
 
新年を迎えた。先に目覚めたのは、恭二の方だった。やけに喉が渇いていた。昨夜、二人でワインを一本開けた。そのまま二人で、一つのベッドに潜りこんだ。
留美は、「寒い、寒い」を連発していた。引き寄せて抱いた。その先が思い出せない。留美の豊かな乳房の感触は、手のひらに残っている。留美は、大きく伸びをしている。蛇口をひねり、冷たい水を運ぶ。

「新年おめでとう」
 そういって留美は、一気に水をあおった。薄いカーテン越しに、新しい年の陽光が二人をのぞきこんでいた。
「恭二さん、とても楽しかった。あと一ヶ月半の辛抱だね。それまでは、もう会わない。絶対に落っこちちゃ、ダメだよ」
「おれ、頑張る。だから留美さんも……」
 留美が突進してきた。両手で受け止め、抱き寄せる。胸にスポンジを、押しあてられている感触があった。キスをした。