山本藤光の文庫で読む500+α

著書「仕事と日常を磨く人間力マネジメント」の読書ナビ

乱知180513:麻生太郎の失言つづく

2018-05-13 | 乱知タイム
乱知180513:麻生太郎の失言つづく
釧路湿原のど真ん中で過ごした私にとって、もう一つの「シツゲン」にははらわたが煮えくりかえっています。
麻生太郎がまたまた発言を撤回。「セクハラ罪はない」につづいて、「はめられたのかもしれない」。これには発言者の人格を疑ってしまいます。麻生太郎は即刻辞めなさい。もう、あーそうだろう、では済まされません。
山本藤光2018.05.13

ビリーの挑戦2-065cut:居酒屋での祝杯

2018-05-13 | ビリーの挑戦第2部・伝説のSSTプロジェクトに挑む
ビリーの挑戦2-065cut:居酒屋での祝杯
――Scene09:営業本部の嵐
漆原 営業部長就任おめでとう。
新谷 いや、きみこそ、よく耐えてくれた。そしてSSTプロジェクトリーダー就任、おめでとう。
漆原 あの血判書がなければ、こうはなっていなかったと思う。支店長たちのパワーのお陰だよ。
新谷 森永のタヌキは総務本部長か。辞めさせられなかったのかな。
影野小枝 突然、失礼します。筆者が気にしているのでひと言。SSTは実話ですが、このあたりの話はフィクションですので、犯人探しはしないでくださいね。
漆原 何か聞こえなかったかい?
新谷 隣の部屋の声だろう。
漆原 日報の復活。営業リーダーのプレイイングの廃止。支店業務課の増員。すべて元に戻してくれたな。さすが新谷だよ。釧路空港へ向かう車中で、きみに読んでもらった作文のこと覚えているかい?
新谷 札幌支店の山崎くんのこどもが書いた作文だろう。あれを読んで泣いてしまったよ。そうか、会社と家族はつながっているんだ、と思ったらジーンときた。
漆原 何がRファミリーなんだ。磯貝くんが社内報に書いていた世界は、どこに消えてしまったんだ。タヌキとヒラメが、土足で乱入してきて、滅茶苦茶にしてしまった。
新谷 3匹のヒラメは、総務と人事と開発に飛んだ。社長が当分は営業本部長を、兼務するといってくれている。きみは企画部長も代行するんだろう。統括部長の代行は柳田くんが努めるとのことだ。
漆原 まずは営業部の再建だな。大いに期待している。
新谷 SSTももうすぐ終りになる。そうしたらきみと、席を並べられるかもしれない。
漆原 まあ、お互いがんばろう。
影野小枝 何だか胸が熱くなりました。漆原さん、辞めなくてよかったですね。またチャンスをいただいたのですから。

どん底塾56:プロセスをほめる

2018-05-13 | 小説「どん底塾の三人」
どん底塾56:プロセスをほめる

 亀さんと加納は、喫茶店で遅い昼をとっている。
「おまえのところが順調にいけば、おれのところも忙しくなる。お互いに、人の手配が必要だな。おれのところは、厨房担当がひとり。おまえのところは、営業マンと配達要員が必要になる」
「わたしもずっと気になっていました。それで、こっちに引っ越してこようかと考えています。朝昼の店番は母に手伝ってもらって、知美ちゃんを営業として、正式に採用したいと思うのですが」
「あの子は、よくやってくれているよな。うん、営業向きだ。それはいい」
 亀さんの「それはいい」がはじまった。ずっと叱責されっ放しだったが、最近は共感の言葉が多い。
「亀さんは、ここのところ盛んにほめてくれるのですが、何だかくすぐったくて……」

「おまえは知美ちゃんを、立派な営業として育てなければならない。手抜きをすると、そのツケはおまえ自身に返ってくる。部下のことを、バカだチョンだといっている上司がいる。あれって、自分のことをバカだチョンだといっているのと同じだ。手抜きをしたツケが回ってきただけだ。
 自分だけ冷暖房の完備したオフイスにいて、指示命令をしている上司も多い。こいつはアホだ。部下を洗脳もしないで、自分の思うようになるはずがない。部下はポジション・パワーにひれ伏しているだけなのだ。そのことに気づかずに、偉そうにしているアホは多い。
 部下の未来像を思い描く。思い描いたら、部下にふさわしい育成計画を作成する。あとは、現場での同行指導だ。忙しいという理由で、途中で同行を止めてはならない。1日を共有するんだ。同行していると、ちょっとした成長をほめられる。
 大切なのは、結果ではない。プロセスなんだ。プロセスをほめられるのは、現場同行しかない」

のほほん180513:鶴見俊輔の漫画論

2018-05-13 | のほほんのほんの本
のほほん180513:鶴見俊輔の漫画論

鶴見俊輔については、『思い出袋』(岩波新書)を紹介させていただいています。昨日、ユニークな著作が発売されました。楽しみにしています。
『鶴見俊輔全漫画論1.2巻』(ちくま学芸文庫)
漫画は時代を映す鏡である。そんな観点からひもといた分厚い著作ですので、焦らずに併読の一冊としました。
山本藤光2018.05.13

妙に知180513:ゴルフをやめたわけ

2018-05-13 | 妙に知(明日)の日記
妙に知180513:ゴルフをやめたわけ
若いころの話です。ゴルフ練習場へ行って、ドライバーの練習をしていました。すると横で、小さな子どもが大きな声で、こういったのです。
「お父さん、あのおじさん、すごいカーブ出る!」
私の打球は極端にスライスしまくっていたのです。それ以来練習場には行かなくなりました。そしてゴルフもしなくなったのです。
山本藤光2018.05.13

同行対象者の見極め:めんどうかい59

2018-05-13 | 営業リーダーのための「めんどうかい」
同行対象者の見極め:めんどうかい59
――第4章:威力ある同行

◎ショートストーリー
よく受ける2つの質問があります。

①「全然やる気のない部下がいるのですが、どうすべきですか」
②「同行を拒絶する部下がいるのですが、どう説得したらいいですか」

◎考えてみましょう

それぞれについて、あなたならどんな対応をしますか。

 部下だからといって、全員と均一に同行する必要はありません。成果は次の公式により、成り立っています。

成果=意欲×(知識+適性)

 意欲のない営業担当者には、成果を望めません。辞めてもらえないのなら、ムダな時間を費やさないことです。誰と同行するかを考えるとき、非同行対象者を決めることは重要なことです。意欲のない人とは面談し、本人が「同行してもらいたい」といえば脈ありです。「同行してもらう必要はない」と答えれば、目標を与えて単独活動させます。

 このケースでは、気をつけなければならないことがあります。放り出されたという疎外感を、該当者に与えないことです。きみは自分の意思で、単独活動を選んだのだけれど、私はきみを見守っています。この姿勢が大切です。ときどき活動の進捗状況を質問することが、極めて大切になります。

 ベテランの営業担当者に対しては、レベルアップのための「フル(丸1日)同行」は不要だと考えます。もちろんこのケースも、本人に納得してもらわなければなりません。のちに説明しますが、「戦略的な接点同行」という方法があります。

 先の公式で考えるなら、意欲と知識があるのに適性に乏しい営業担当者が、最も重要な同行対象者となります。営業リーダーは現場で、徹底的に適性を磨いてあげなければなりません。意欲と適性があるのに、知識不足の部下の場合は、ロールプレイを優先的に実施してください。

質を測る010:チームはオーケストラ楽団

2018-05-13 | 営業の「質を測るものさし」あります
質を測る010:チームはオーケストラ楽団
――第1章:強いチーム
 チームをオーケストラ楽団にたとえるなら、営業担当者は演奏者であり、営業リーダーは指揮者ということになります。演奏者と指揮者がかみあわなければ、けっして美しい音色は出せません。普段の鍛錬をおこたっている演奏者が1人でもいれば、どんなに優秀な指揮者であっても聴衆を魅了することはできません。また指揮者が稚拙なら、どんなに優秀な演奏者が集まっても、聴衆の心をとらえることはできないでしょう。

 営業チームのことはオーケストラ以外に、プロジェクトチームにたとえられることもあります。プロジェクトチームは特定のゴールに向けて、有能な人材を結集して構成されます。
日本ロシュ時代に「SSTプロジェクト」に参画した経験があります。この経験については、すでに2冊の著作を上梓しています。興味のある方はぜひお読みください。
・山本藤光『「暗黙知」の共有化が売る力を伸ばす・日本ロシュのSSTプロジェクトクト』(プレジデント社2001年)
・山本藤光『営業ドキュメント・「同行指導」の現場・SSTプロジェクトの奇跡』(プレジデント社2008年)

 成功するプロジェクトには、3種類の人材が存在します。「引っ張る人」「まとめる人」「いやす人」の3タイプがそれです。ひと昔前までの営業リーダーは、率先垂範などと称せられ「引っ張る人」であるべきとされていました。しかし最近の営業リーダーは、プロジェクトチームの主催者のように、「まとめる人」であるべきとされています。
 私は営業リーダーを、「知のコンダクター」と称しています。指揮者は演奏者の力量や癖を掌握しています。性格も技術も熟知したうえで、最善の演奏ができるように無言でタクトを振りつづけます。詳細はのちにふれますが、「知のコンダクター」には、営業担当者の英知を結集させるという意味があります。
 強い営業チームの「引っ張る人」は、チームのナンバー2に委ねるべきです。業績もよく意欲的に仕事をこなす人を、チームの鏡とすべきなのです。「いやす人」は、営業担当者の相談相手になれる人柄のよいベテランに託すべきでしょう。営業リーダーはそうしたコアメンバーを含めて、チーム全体の調和をはからなければなりません。

町おこし124:札幌へ

2018-05-13 | 小説「町おこしの賦」
町おこし124:札幌へ
――『町おこしの賦』第5部:クレオパトラの鼻
 瀬口恭二は失ったものの大きさに、茫然自失している。藤野詩織が吐き出した「結婚するかも」という一言が、微熱のように体内に居座り続けている。微熱は体中にみなぎっていた力を抜き取り、何かをしょうという気力をも奪ってしまった。
札幌の予備校へ行くために、明日標茶(しべちゃ)町を離れなければならない。詩織はそんなおれの背中を、残酷な刀で切りつけたのだ。
 
札幌予備学院に紹介してもらったアパートには、机や椅子やベッドは備えつけられているとの連絡があった。標茶から送ったのは、布団と衣類と簡単な調理器具と電気ストーブだけだった。
 恭二は机のなかの、整理をはじめた。詩織の写真は全部破り捨て、本の紹介をつづった詩織ノートも引き裂いた。何一つ痕跡は、残したくなかった。壁に貼ってある、中学時代の野球の賞状も破いた。書棚の本は、そのままにしておくことにした。

ふと見ると書棚に、一冊のノートがはさまっていた。標高新聞部へ入部したときに、何でもいいから自主研究をしなさいといわれて、思いつくまま書き留めていたノートだった。表紙には「笑話の時代」とあり、「笑話」には、「しょうわ」とルビが振ってあった。めくってみた。十枚ほど使用されていたが、あとは空白だった。

 記憶が戻った。詩織と笑い話を集めようという話になって、思いつくまま書き連ねたものだ。笑い話の収集作業は、とっくに止めていた。自ら創作する習慣も、なくなっていた。ノートの存在すら、忘れていたほどである。
 ノートに書いた笑話を、通学路で詩織に披露していた。受けたものもあった。しかしほとんどは不発に終わった、小さな物語ばかりだった。

◎怖い夢
――笑話(しょうわ)の時代
精神科での医師と患者のやりとり。
患者「毎日変な夢ばかりみます。最初の日は十五階から落ちて、次の日は十四階から落ちて……」
医師「それで相談とは?」
患者「私怖いんです。明日は二階から落ちる日なんです」
医師「今まで相談にこなかったのに、なぜ二階の日は怖いんだい?」
患者「今までは落ちる途中で目が覚めたんですけど、二階からだと目が覚める暇がないんです。先生、怖い!」
(これは誰かに、教えてもらったものです。誰かは覚えていません)

◎おもしろさの点数
――笑話(しょうわ)の時代
A「おもしろさの度合いを示す、十段階を考えた博士がいる」
B「それはユニークな発想だな。それならどのくらいおもしろいかが、相手に理解される」
A「ちょっぴり、おもしろいのは一点として、こんな具合だ。くすっと笑う。にやっと笑う。大口をあけて笑う。体をくねらせて笑う。げらげら笑う。肩を揺すって笑う。腹を抱えて笑う。笑い転げる。涙を流して笑う。これが博士の示した九点目までだ」
B「それで十点は何だい?」
A「笑いの実験をしていて、博士は十点を考えている間に、笑い死んだらしい」
(これは、恭二の創作です)

 新聞記事を書く腕を磨くために、おれはこんなばかばかしいことをしていたんだ。読んだ話は、ちっともおもしろくなかった。しかし恭二は、浪人中にこのノートを続けようと思った。猛勉強の合間の、気分転換くらいにはなるだろう。
 胸のなかに溜まった詩織の澱(おり)は、時間が解決してくれるはずだ。明るく、笑って、おれは新たな一歩を踏み出さなければならない。ノートを、旅行カバンに入れた。そして、恭二は眠った。