山本藤光の文庫で読む500+α

著書「仕事と日常を磨く人間力マネジメント」の読書ナビ

220331:柚木麻子『名作なんか、こわくない』がいい

2022-03-31 | 妙に知(明日)の日記
220331:柚木麻子『名作なんか、こわくない』がいい
■4月になればベールを脱ぎます。値上げラッシュの雨あられ。政府の対策としては、消費税の減税しか考えられません。財務省べったりの岸田首相では踏み切れませんが。ちまちま現金を給付するよりも、ずっと公平な施策なのですけれど。■柚木麻子(ゆずき・あさこ)は『ランチのアッコちゃん』(双葉文庫)を推薦作として紹介しています。昨日『名作なんか、こわくない』(PHP文芸文庫)を読み終えました。私の紹介している海外の名作に、実に味わい深い解説を加えています。感服しました。未読の作品をいくつか読んでみたい気持ちにさせられました。名著です。
山本藤光


220330:川端康成『少年』文庫に

2022-03-30 | 妙に知(明日)の日記
220330:川端康成『少年』文庫に
■日本政府もたまにはいいことをします。以下テレ朝ニュースより。――古川法務大臣は、ウクライナからの避難民の状況把握や政府要人との会談のため、来月1日にも岸田総理大臣の特使として、ポーランドを訪問します。複数の政府関係者によりますと、訪問には航空自衛隊の政府専用機を使用する予定で、古川大臣が帰国の際に、日本への渡航を希望する避難民に対し、同乗してもらうことを検討しているということです。■日本ハムが開幕4連敗で、早くもビッグボスという風船はしぼんだようです。先日ちらっとみましたが、コミックマンガの世界です。勝ちにこだわらない野球には、そのうちにフアンからブーイングが起きるでしょう。一人道化野球はみたくもありません。■川端康成の作品は、たくさん読んできました。しかし今度文庫化された『少年』(新潮文庫)は、その存在すら知りませんでした。川端康成が描く少年愛のものがたりでは、これが出色だといわれています。楽しみな作品の刊行を、心から歓迎いたします。
山本藤光

220329:奥泉光が直木賞をとれない理由

2022-03-29 | 妙に知(明日)の日記
220329:奥泉光が直木賞をとれない理由
■本日よりブログのタイトルを変更しました。読書ナビに特化した、新たなスタートとなります。■濱口竜介監督の映画『ドライブ・マイ・カー』が国際長編映画賞(旧・外国語映画賞)を受賞しました。このニュースをみて驚きました。原作は村上春樹の小説だったからです。本作は『女のいない男たち』(文藝春秋2014年)に収載されていました。ノーベル文学賞には足踏みしている村上春樹ですが、栄誉ある受賞を喜んでいることでしょう。■奥泉光は1994年『石の来歴』により、芥川賞受賞しています。「山本藤光の文庫で読む500+α」では『シューマンの指』(講談社文庫)を推薦しています。最近の奥泉光は、『雪の階』(上下巻、中公文庫)に代表されるように、ミステリー小説にも冴えを見せています。一作家が芥川賞と直木賞をダブル受賞することは、ルール上ありえません。芥川賞を受賞していなかったら、とっくに直木賞作家になっていたことでしょう。
山本藤光


220328:志賀直哉『日曜日/蜻蛉』がいい

2022-03-28 | 妙に知(明日)の日記
220328:志賀直哉『日曜日/蜻蛉』がいい
■ロシア軍は、ウクライナ首都キエフから撤退しているようです。これには2つの見方があります。狙いを東部地区だけに限定した。もうひとつはキエフに核か化学兵器を使うつもり。そのために自国兵を移動させた。もしも後者がねらいなら、とんでもない地獄が現実となります。プーチンがこれ以上暴走しないように祈るばかりです。■志賀直哉は『暗夜行路』(新潮文庫)を「山本藤光の文庫で読む500+α」に掲載しています。『清兵衛と瓢箪/網走まで』(新潮文庫)や『小僧の神様/城の埼にて』(新潮文庫)などの短篇集は、大学時代に文章のテキストにしていたほど愛着があります。ただいずれも入手が困難なために、紹介を控えていました。ところが今度、短篇集『日曜日/蜻蛉』(中公文庫)が刊行されました。「清兵衛と瓢箪」と「小僧の神様」が所収されていました。本書の書評を書こうと、懐かしくページをくくっています。志賀直哉は短編もいい。
山本藤光

220327:白石仁章『杉原千畝: 情報に賭けた外交官』がいい

2022-03-27 | 妙に知(明日)の日記
220327:白石仁章『杉原千畝: 情報に賭けた外交官』がいい
■産経新聞のトップ記事は、安部元首相の単独インタビューでした。ウクライナへのロシア侵攻を受けて、日本の防衛は以下のようにしなければならないと語っていました。自衛隊を憲法で明記すること。敵基地攻撃能力を保有すること。核共有の議論をすること。自国の防衛に努力する国にならなければ、誰も助けてくれない。こう断言しているのは、安倍晋三さんと高市早苗さんくらいです。これが国会議員の総意にならなければなりません。■杉原千畝(すぎはら・ちうね)について、学校の歴史では教わりませんでした。「虎の門ニュース」で話題になり、知った偉大なる先人です。ユダヤ難民にビザを与え、六千人もの命を救った人です。最近では、百田尚樹『日本国紀』(上下巻、幻冬舎文庫)で取り上げられています。白石仁章(まさあき)『杉原千畝: 情報に賭けた外交官』(新潮文庫)を読みました。すばらしい著作でした。「山本藤光の文庫で読む500+α」で取り上げたいのですが、入手困難本ですのであきらめました。興味のある方は、古書店で探してください。感動をお約束します。
山本藤光

220326:島本理生『匿名者のためのスピカ』がいい

2022-03-26 | 妙に知(明日)の日記
220326:島本理生『匿名者のためのスピカ』がいい
■G7で次のような採択がなされました。――「プーチン大統領らの責任を追及する」と名指しで強く糾弾するとともに、「戦争犯罪の証拠収集」を支援すると明記。中国を念頭に、ロシアに侵略を継続するための支援を行わないよう警告した。(JIJI・COM)――国連が機能しない今、G7がそれに取って代わるべきでしょう。■島本理生(しまもと・りお)は『ナラタージュ』(角川文庫)を推薦作として紹介しています。先日『匿名者のためのスピカ』(祥伝社文庫)を読みました。サスペンスも書けるんだ、と軽く手を出しました。これがおもしろかった。恋愛サスペンスのジャンルでは、ベスト10入りのできばえでした。
山本藤光

220325:村上春樹のこと

2022-03-25 | 妙に知(明日)の日記
220325:村上春樹のこと
■橋下徹とともに反日の急先鋒「ダブル徹」ことテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」の玉川徹氏の発言が、また炎上しています。ダブル徹は地上波から追放しなければなりません。以下「デイリー新潮」の記事です。――「ウクライナが退く以外に、市民の死者が増えていくのを止められない。死者が増えないようにすることも指導者の大きな責任」などと発言し、太平洋戦争で降伏を拒んだ日本軍まで引き合いに出したのだ。■村上春樹は『1Q84』(BOOK1~3,全6冊、新潮文庫)と『ねじまき鳥クロニクル』(全3巻、新潮文庫)を推薦作として紹介しています。簡単なプロフィールは次のとおりです。――1949年生まれ。1987年発表の『ノルウェイの森』は上下430万部を売るベストセラーとなり、これをきっかけに村上春樹ブームが起き、以後は国民的支持を集めている。その他の主な作品に『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『海辺のカフカ』など。日本国外でも人気が高く、柴田元幸は村上を現代アメリカでも大きな影響力をもつ作家の一人とする。■村上春樹に関する参考資料は、私の蔵書の範囲で次のとおりです。
――飯塚恒雄:村上春樹の聴き方(角川文庫)
――池内紀:文学フシギ帖(岩波新書)
――石川忠司:現代小説レッスン(講談社現代新書)
――磯田光一:左翼がサヨクになるとき(集英社)
――市川真人:芥川賞は村上春樹に与えられなかったか(幻冬舎新書)
――上野千鶴子ほか:男流文学論(ちくま文庫)
――大川隆寛:いまどきのブンガク(別冊宝島)
――大塚英志:江藤淳と少女フェミニズム的戦後(ちくま学芸文庫)
――大塚英志:サブカルチャー文学論(朝日文庫)
――大塚英志:物語論で読む村上春樹と宮崎駿(角川oneテーマ新書)
――尾崎真理子:現代日本の小説(ちくまプリマー新書)
――加藤典洋:文学地図・大江と村上と二十年(朝日新聞出版社)
――加藤典洋:村上春樹イエローページ(全3巻、幻冬舎文庫)
――加藤典洋:村上春樹は、むずかしい(岩波新書
――川西政明:小説の終焉(岩波新書)
――考える人:村上春樹ロングインタビュー(2010年夏号
――木村俊介:物語論・物語が紡がれていく過程・17人の創作者が語る(講談社現代新書)
――小山鉄郎:村上春樹を読みつくす(講談社現代新書)
――斎藤美奈子:文壇アイドル論(文春文庫)
――佐々木敦:ニッポンの文学(講談社現代新書)→文学・作家論
――佐藤幹夫:村上春樹の隣りには三島由紀夫がいる(PHP新書)
――塩澤実信:文豪おもしろ豆事典(北辰堂出版)
――重松清:スポーツを読む(集英社新書)
――知っ得:現代の作家ガイド100(学燈社)
――知っ得:現代作家便覧(学燈社)
――柴田勝二:村上春樹と夏目漱石(祥伝社新書)
――柴田元幸ほか:世界は村上春樹をどう読むか(文春文庫)
――清水良典:MURAKAMI(幻冬舎新書)
――清水良典:村上春樹はくせになる(朝日文庫)
――清水良典:文学がどうした(毎日新聞社)
――女性文学会:たとえば純文学はこんなふうにして書く(同文書院
――別冊宝島編集部編:村上春樹大好き(宝島SUGOI文庫)
――ダ・ヴィンチ:解体全書Ⅰ(リクルート
――「別冊宝島」496号(2000.3.29発行):いまどきのブンガク
――張競:海を越える日本文学(ちくまブリマー新書)
――ちょっと手の内拝見(知的生きかた文庫)
――はじめての文学:村上春樹(文藝春秋)
――鳩よ:小説家への道・この作家のここを盗め(マガジンハウス)
――文学界2010年7月号
――福田和也:悪の読書術(講談社現代新書)
――福田和也:作家の値うち(飛鳥新社)
――本の雑誌編集部・編:この作家この10冊(本の雑誌)
――村上春樹研究会:1Q84を読み解く(データハウス初版)
――森毅:ゆきあたりばったり文学談義(ハルキ文庫)P132
――安原顕:現在進行形の読書(DHC)
――洋泉社MOOK:村上春樹全小説ガイドブック(洋泉社)
――吉田春生:村上春樹とアメリカ・暴力性の由来(彩流社)
――鷲田小弥太:日本を創った思想家たち(PHP新書)
山本藤光

220324:『石原慎太郎と日本の青春』ムック出た

2022-03-24 | 妙に知(明日)の日記
220324:『石原慎太郎と日本の青春』ムック出た
■ウクライナのゼレンスキー大統領の、国会演説を拝聴しました。支援する日本への感謝と、今後も毅然として闘い続けると宣言してくれました。日本もウクライナへの支援と、ロシアへの圧力をいっそう高める転機となる、記念すべき演説でした。■一昨日に続いて、昨日も節電の要請が出されました。エアコン暖房の設定温度を2度下げ、室内灯も消しました。これでどのくらいの節電になっているのでしょうか。それぞれの努力を「見える化」してもらわないと、達成感が生まれません。幸いにも停電にはなりませんでしたが、そのくらいの智恵を働かせてもらいたいと思います。■『石原慎太郎と日本の青春』(文春ムック)が刊行されました。私の知る限り石原慎太郎のムック本は、初めてだと思います。ムック本は寝転んで読む楽しみがあり、出版されるたびに買い求めています。はにかんだような、独特の笑顔の写真が表紙になっています。■石原慎太郎『太陽の季節』(新潮文庫)の再読を終え、書評を書き上げました。個人的には好きな作品ではないものの、慎太郎不在の書評欄では失礼すぎます。推敲して、近日アップします。
山本藤光


220323:『日本語の大疑問』がいい

2022-03-23 | 妙に知(明日)の日記
220323:『日本語の大疑問』がいい
■ウクライナのゼレンスキー大統領は、本日、日本の国会で演説します。立民の泉は国益を損なうなどと、反対していました。ゼレンスキー氏に国民の悲惨さを、語らせたくなかったのでしょう。ゼレンスキー氏はどんな比喩を用いて、スピーチをするのでしょうか。注目です。■ウクライナは日本と同じ国是を持っていました。そんなものはおかまいなしに、ロシアが侵攻してきました。非核三原則と専守防衛。そしてウクライナは核の放棄もしています。ウクライナが掲げていた国是は、独裁者にとって、何の意味ももたなかったのです。■日本語に関する著作は、数え切れないほど読んできました。しかしついに、極上の一冊に巡り会いました。国立国語研究所編『日本語の大疑問』(幻冬舎新書)がそれです。イラストや図表を駆使して、私たちの疑問に答えてくれています。あまりにも面白いので、すらすらと読むことができました。寝転がって読む日本語論は絶品でした。
山本藤光


220322:山田太一『ふぞろいの林檎たちⅡ』発見

2022-03-22 | 妙に知(明日)の日記
220322:山田太一『ふぞろいの林檎たちⅡ』発見
■明るいニュースのお裾分けです。北海道の名寄市からの話題です。以下、北海道新聞より。――水田や畑の排水用土管の製造会社「名寄土管製作所」が造るグラウンド用の土にプロ野球界が熱い視線を注いでいる。「硬く締まってプレーしやすい」と好評で、昨年までに北海道日本ハムを含む3球団が本拠地に採用し、いずれも直後に日本一に輝いた。今季は新たに横浜DeNAが横浜スタジアムに導入し、北海道発の「勝利を呼ぶ土」はさらに注目されそうだ。■高橋洋一さんの提言を、ぜひ拡散してください。政府はこのくらいのことを、しなければなりません。――値上げラッシュに『消費税の軽減税率』を! 高橋洋一さん提言 「小麦粉など重要な原料を0%に」(中日スポーツ)■山田太一は、『岸辺のアルバム』(光文社文庫)か『ふぞろいの林檎たち』(新潮文庫)のどちらかの作品を、取り上げようと思っていました。しかし昨日、ブックオフで、『ふぞろいの林檎たちⅡ』(新潮文庫)を発見してしまいました。この名作に続編があったとは驚きでした。驚きというよりも、喜びに近い気持ちになりました。さっそく読んでみるつもりです。
山本藤光