山本藤光の文庫で読む500+α

著書「仕事と日常を磨く人間力マネジメント」の読書ナビ

月とスッポン

2020-11-30 | 新・知だらけの学習塾
月とスッポン
広島の丸が巨人にFAで入団しました。本日は「丸」についておさらいしてみたいと思います。

モーム『月と六ペンス』は、日本でいう「月とスッポン」と同じ意味合いだといわれています。ではまったく姿形の異なる2つを、なぜ比較しているのでしょうか。
北嶋廣敏『雑学帝王500』(中経の文庫)にその答えがありました。江戸時代の随筆『嬉遊笑覧』のなかに、次のような記載があるようです。

――似たる物のいたく異なるたとへごとに、月とスッポンと云えるが如し。

月は丸く、スッポンもその形から丸と呼んでいたとのことです。つまり同じ「丸」でも、両者はまったく異なるとのたとえなのです。
『月と六ペンス』では両者は同じ丸ですが、「月」は夢を、「六ペンス」は現実を意味するとされています。しかし「月とスッポン」には、そうした概念がありません。
山本藤光2018.03.14初稿、2018.12.02改稿

萩原葉子について

2020-11-30 | 妙に知(明日)の日記
萩原葉子について
私の著者別ノートの萩原葉子(はぎわら・ようこ)のページを紹介します。■は文庫本。――はその解説本を表します。〼は文庫本以外の本の種類です。【】は著者関連のメモです。『蕁麻の家』は既読ですが、他の作品は未読です。既読本には字ゅ点満点での点数がついています。萩原葉子を年末にもう一冊読もうと、ノートをチェックしました。

萩原葉子
■(5)蕁麻の家(新潮文庫184A解説:河野多恵子)
――黒井千次:時代の果実(河出書房新社
――知っ得:現代の小説101篇の読み方(学燈社)
――筒井康隆:みだれ撃ち瀆書ノート(集英社文庫)
――風:風の書評(ダイヤモンド社
――小田切進・尾崎秀樹:日本名作事典(平凡社)
――栗坪良樹編:現代文学鑑賞辞典(東京堂出版
■木馬館(中公文庫2-6)
■セビリアの驢馬(旺文社文庫199-1)
〼花笑み(「昭和文学全集32」小学館)
【萩原葉子】1920-2005。
――瀬戸内寂聴:続・奇縁まんだら(日本経済新聞社)
――知っ得:現代作家便覧(学燈社)
山本藤光2020.11.30


つかぬこと

2020-11-29 | 新・知だらけの学習塾
つかぬこと
つかぬことを伺いますが。この「つかぬ」の意味が知りたくで辞書検索しました、

――「付く」に打ち消しの助動詞「ず」がついた、「付かぬ」から出た言葉。‘日本語語源辞典)

ただし、最近の使われ方に釘を刺す文章があります。

――最近では「つまらないことを尋ねますが」というニュアンスで用いられることも多くなっていますが、これは伝統的な使い方ではありません。(NHK放送研究所)

私はこれをやってしまっていました。
山本藤光2018.12.17

束の間

2020-11-28 | 新・知だらけの学習塾
束の間
ちょっとの時間のことを「束の間」といいます。この「束」はなんのことなのでしょうか。調べてみました。

――「束」はものを握ったときの握りこぶしの幅、すなわち親指をのぞいた指四本ほどの長さの単位だった。(北嶋廣敏『雑学帝王500』中経の文庫)

タバコ1本の長さが、ちょうど1束くらいです。この長さの単位が、時間の単位となったようです。
山本藤光2019.03.02


忘れていた村上春樹『辺境・近境・写真篇』

2020-11-28 | 妙に知(明日)の日記
忘れていた村上春樹『辺境・近境・写真篇』
■インフルエンザの隆盛期に、店を閉じろと要求したことはありません。今度の武漢コロナは、インフルと比べて怖ろしいものなのでしょうか。大騒ぎしている地上波テレビでは、まったくその比較がなされていません。ただ不安を煽るだけ。情けない非科学日本です。■村上春樹に『辺境・近境』(新潮文庫)という作品があります。では『辺境・近境・写真篇』はご存知ですか。昨日、本の整理をしていて、偶然に手にしました。完全に忘れていたので、同じ作品を2冊買ってしまっていたんだ、と思ってしまったほどです。しばし「写真篇」を眺めました。不思議な世界にさまよい、結構な時間を費やしてしまいました。
山本藤光2020.11.28

ちんぷんかん

2020-11-27 | 新・知だらけの学習塾
ちんぷんかん
「ちんぷんかん」は、何のことやらわからないときに用いられます。「ちんぷんかん」を漢字変換しようとしてもできません。珍粉漢、陳奮漢などは当て字で、正式な漢字は定まっていないようです。また語源についても諸説があり、これが本物という記述もありません。

――長崎の人が紅毛人の語がわからないことから言い始めたともいう。(広辞苑)
――もと儒者の用いた漢語をひやかした語とも、外国人の言葉の口まねからともいう。(GOO辞書)
これらも語源はあやふやです。
山本藤光2019.01.07

『吉行淳之介ベスト・エッセイ』がいい

2020-11-27 | 妙に知(明日)の日記
『吉行淳之介ベスト・エッセイ』がいい
『吉行淳之介ベスト・エッセイ』(ちくま文庫)読了。創作の秘密からなぜ性を書くのかまで、本音の羅列で著者の内面をのぞいたように感じました。この人のエッセイは、真っ向勝負でおもしろい。小説では最近刊行された『娼婦小説集成』(中公文庫)が充実していてお勧めです。
山本藤光2020.11.27


340:ちんけ

2020-11-26 | 新・知だらけの学習塾
340:ちんけ
――第11講義:知育タンスの引き出しよりすぐり
「ちんけなやつだ」の「ちんけ」は、男のあそこから由来していません。念のため。「ちん」はサイコロ賭博の最低の数字「一」のことです。

――つまり、最低の目のこと転じて、一般に最低を表すことば(日本語語源辞典)

「ちん(ぽ)の毛」などと思い込んでいたのは、私だけでしょうか。
山本藤光2018.04.14


本好きの方に岡崎武志『古本道入門』

2020-11-26 | 妙に知(明日)の日記
本好きの方に岡崎武志『古本道入門』
本好きのかたには、岡崎武志『古本道入門』(中公文庫)をお勧めいたします。全国の有名な古本屋が紹介されており、古本屋めぐりをしたくなります。そして、本への愛がますます強くなります。本書は、中公新書ラクレ(406)にもなっています。
山本藤光2020.11.26

339:丁

2020-11-25 | 新・知だらけの学習塾
339:丁
――第11講義:知育タンスの引き出しよりすぐり
相撲を観ていたら「もう一丁取り直し」と審判長がいいました。普通なら「もう一番」というのだろうな、と思いました。「丁」はサイコロの丁半で知られていますが、偶数を意味します。豆腐を数えるときや、本の裏表1枚も意味します。乱丁などといいますね。
ほかにどんなものに使われるのでしょうか。調べてみました。「天丼一丁」「一丁目」などがありました。「丁」を「てい」と読む場合は。「丁寧」などもあります。そのほかには、「丁稚」(でっち)や「丁髷」(ちょんまげ)など、別の読み方もあります。「丁」は超奥深い漢字なのです。
山本藤光2018.03.25