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著書「仕事と日常を磨く人間力マネジメント」の読書ナビ

乱知180528:2大学の嘘?

2018-05-28 | 乱知タイム
乱知180528:2大学の嘘?
良識の大学2校が大嘘つきに成りはてるかもしれません。日大のアメフト監督は嘘をついていない、と二度目もそう回答した日本大学。もうひとつは、自ら発表した安部首相と加計理事長の面談の発表は職員の勘違いとマスコミ報道した加計学園。真実がつまびらかになったとき、2つの大学はどこまで墜ちるのだろうか。AKAN!(安部、加計、麻生、日大)
山本藤光2018.05.28

ビリーの挑戦2-080cut:漆原SSTリーダーと新谷営業部長

2018-05-28 | ビリーの挑戦第2部・伝説のSSTプロジェクトに挑む
ビリーの挑戦2-080cut:漆原SSTリーダーと新谷営業部長
――Scene12:SSTプロジェクトの役割
影野小枝 漆原SSTリーダーと新谷営業部長は、本社応接室で面談しています。SSTプロジェクトが終了目前であり、メンバーの新しいポジションの打ち合わせです。
新谷 窓際から生還したきみは、本当によくやったよ。お陰でMRのレベルは飛躍的に上がった。営業リーダーたちの尻に火がついたみたいで、東京で第3土曜日に「MR育成研究会」がはじまった。私は第1回の講師で参加したけれど、山本先生を呼んでほしいと頼まれた。
漆原 SSTに刺激されて「同行ノート」を作成する営業リーダーが増えている。「朝書き日報」も定着してきた。
新谷 船井幸雄さんの『百匹目の猿』(サンマーク出版)現象が起こってきたということだ。もう「おーい、同行でもしてやろうか」なんていってるリーダーはいないよ。
漆原 業績格差は人災。おれたちもあとひとがんばりだな。
新谷 SSTメンバーには、頭が下がる。彼らの新たなポジションを、考えているんだろう?
漆原 社長からもいわれているんだけど、彼らの体験を全社に浸透させなければならない。
新谷 支店長のポストが2つ空く。残り全員営業リーダーとして迎えてもいいぜ。
漆原 ここだけの話だけど、磯貝はよくやってくれた。33歳でMRになった変わり種だけれど、大きなポジションを探してやるつもりだ。
新谷 きみに頼みがある。SSTは確かに大成功だったけど、同行指導は本来営業リーダーの、いちばん重要な仕事だ。彼らのレベルを何としてでも、SSTメンバー並みに引き上げたい。手を貸してもらいたい。
影野小枝 漆原さん、新谷さんに頼みごとをされましたね。
新谷 先日うちの近所で、偶然に片岡部長にお会いした。
漆原 そういえば、近所に住んでいるっていっていたな。元気だったかい?
新谷 それが空気の抜けた風船みたいだった。あれだけ元気な人が、「毎日が日曜日だよ」って嘆いていた。
漆原 森永のタヌキに追い出されて……転職した先も辞めちゃったんだろう。
新谷 一度狂った歯車は、なかなか元には戻らないものだ。おれたちももうすぐ50歳だ。ああなってはいけない。
漆原 おれもSSTプロジェクトが終わったら、どうなってしまうのか。なんだか首筋が寒くなってきたよ。それにしても、退職後にコツコツ楽しみながらできることを、今から用意しておかなければならないな。片岡さん、何とかしてあげられないかな。
影野小枝 何だかしんみりしてきましたよ。それにしても何でも話し合える友人って、いいものですね。定年後にも楽しみながら続けられることを、早く見つけられるといいですね。

質を測る025:SSTから学んだこと

2018-05-28 | 営業の「質を測るものさし」あります
質を測る025:SSTから学んだこと
――第2章:人間系ナレッジマネジメント
 SSTプロジェクトは、「暗黙知」に特化したものでした。念頭においたのは「名人芸の移植」ですが、ほかの人がマネのできないような高度なスキルは封印させました。全国トップの営業担当者が、「なぜ自分はSSTに選ばれなかったのか」と抗議をしてきました。強烈な個性で営業するタイプでしたので、彼の名人芸を標準化することは困難だと判断したのです。
 
SSTから同行指導を受けた営業担当者144人の声を集計した資料があります。営業担当者からのアンケート結果について、SSTメンバーがコメントしています。それを私が支店長会議でフィードバックしたものです。営業担当者活動の現状と改善点を知るうえで、非常に有効だと思います。

◎顧客別アクションプラン
 SST導入前には全社的に、70%の実施率でした。しかしその内容は、お粗末きわまりないものでした。また営業担当者が作成したアクションプランに対し、営業リーダーの関与は希薄でした。SSTメンバーは同行営業担当者と、丸1日かけて「アクションプラン」を作成します。いい加減なプランからは、絶対に良質な活動は生まれません。SST同行を受けた66%の営業担当者は、「アクションプラン」の作成が自分の営業活動を変えた有用なものだったと答えています。営業リーダーも営業担当者のレベルアップした最大の要因として「アクションプラン作成」をあげています。

◎週間行動計画書
 日本ロシュでは営業担当者に、「月間行動計画書」作成を義務づけていました。SSTはそれをベースにして、「週間行動計画書」を作成するように指導しました。コピー・アンド・ペーストで作成されたような「月間行動計画書」では、活きた営業活動の羅針盤にはならない、と判断した結果です。「週間行動計画書」作成が有効と答えた営業担当者は69%でした。さらにSSTは毎朝出がけに、営業担当者には「朝書き日報」を提出させていました。面談の成果を思い描いて、書いてもらうのが「朝書き日報」です。SSTメンバーは、計画立案に時間をかけることと、それに営業リーダーがしっかりと関与することを提言しています。

◎製品ファイル
 SSTが現場をもっとも変革したのは、「製品ファイル」の活用でした。SST導入前までは「製品ファイル」を作成している営業担当者は30%にも届いていませんでした。SSTメンバーが学術資材のばらまきはタブーとしました。1冊の製品ファイルを駆使し、それを巧みに活用するよう指導しました。結果、90%の営業担当者が「製品ファイル」を活用するようになりました。「製品ファイルの活用」を有効だったとした営業担当者は74%。営業リーダーの80%は、「製品ファイルの活用」を営業担当者のレベルアップの要因としてあげています

のほほん180528:私の一冊

2018-05-28 | のほほんのほんの本
のほほん180528:私の一冊
大きな書店へ行くと入手できます。講談社から、講談社文芸文庫創刊30周年記念「24人の目利きが選ぶ講談社文芸文庫・私の一冊」が無料でおいてあります。巻頭は村上春樹が選んだボアゴア『鉄仮面』です。充実した内容になっていますので、ぜひ入手してください。
山本藤光2018.05.28

過激なSSTアカデミー:めんどうかい074

2018-05-28 | 営業リーダーのための「めんどうかい」
過激なSSTアカデミー:めんどうかい074
――第4章:威力ある同行
 SSTプロジェクトが終了し、今度は営業リーダーのレベルアップを求められました。

◎ショートストーリー

社長「何としてでも、営業リーダーのレベルアップを図りたい。確実にレベルアップさせる方法を、考えてもらいたい」
山本「営業リーダーの降格もあり、くらいの厳しいトレーニングでも構いませんか?」
社長「やり方はきみに任せる。条件は確実に部下を育てられ、かつ業績を上げられる営業リーダーにすることだ」
山本「わかりました。しっかりと考えて、企画を提案します」

◎考えてみよう

 あなたなら、どんな対応をしますか。営業リーダーには、適格者と不適格者が存在します。いずれも元優秀な営業担当者だったのですが、営業リーダーとしての手腕が発揮できるか否かは別の話です。まずは営業リーダーの選別を考えてみてください。

 日本ロシュが実施した、過酷な営業リーダー研修を紹介します。営業リーダーに「同行」の真価を実体験させたい。SSTプロジェクトが終了した時点で、今度は「SSTアカデミー」を提案しました。社長から承認が下りました。私が事務局長に就任しました。

 16支店から、営業リーダーを1人ずつ選抜しました。彼らには2ヶ月間、朝から晩まで集中同行をしてもらいます。見知らぬチームへ行って、面識のない営業担当者と同行します。営業担当者のレベルアップに成功したら合格。失敗したら不合格となります。

 現地に派遣する前の2週間、SSTアカデミー参加者には研修を実施しました。「同行」の基本を学んでもらい、ロールプレイで製品話法も磨きました。営業担当者の意識・行動を変えるための、問診表も勉強してもらいました。

 2週間の本社研修を終えると、彼らは2、3人が1組となって派遣先チームへと赴きます。赴任地には担当の営業リーダーがいます。そのリーダーと話し合い、同行する営業担当者を決めます。人選の基本は、平均的レベルの営業担当者の抽出です。

 2ヶ月間の同行は、2人の営業担当者に対して、1週間ずつ交互に実施します。営業担当者の意識と行動を変えれば、自動的に業績は向上する。この理念のもとで、彼らはひたすら現場で汗を流します。

 彼らには、一切の内勤業務がありません。不在時には、支店長または業務課長がチームの面倒を見ています。夜遅くに帰社した営業リーダーは、現地のリーダーに現状の報告を行います。この時期は1つのチームに、3から4人の営業リーダーが存在しています。それぞれが、大きな刺激を受けたと言っていました。

妙に知180528:タンスの数え方

2018-05-28 | 妙に知(明日)の日記
妙に知180528:タンスの数え方
70歳の男女5人の会話です。
「タンスは一個二個って数えるのかな?」
私には特別の数え方がわかりません。聡明な女性がきっぱりと。
「火事のときにタンスに棹をかけて担いだことに由来しているのよ。だから一棹二棹って数えるの」
そのときはそれで終わりました。家へ帰って調べると、なるほどそのとおりだったのです。
山本藤光2018.05.28

町おこし139:詩織ちゃんはね

2018-05-28 | 小説「町おこしの賦」
町おこし139:詩織ちゃんはね
――『町おこしの賦』第5部:クレオパトラの鼻16
 恭二は、実家に戻った。待ちかねていた両親に、合格の報告をした。恭二の顔を見るなり、母は泣いた。「よかったな」と父もいった。
「恭二、キンキ買っておくから、今日はそれでお祝いだね」
 熱いコーヒーと食パンと、目玉焼きだけの朝食だった。しかし恭二には、とてつもなくおいしい朝の宴だった。英単語帳を片手にした朝食は、もう不要のものになったのだ。居間のテレビからは、芸人の作り笑いが聞こえている。恭二はテレビに視線を向け、テレビを観るのは一年ぶりだと思った。

「兄さんに続いて恭二も北大だから、鼻が高いよ。父さんね、くるお客さんくるお客さんに、自慢そうに報告しているんだよ」
「ちっとも連絡してこないんで心配していたが、北大合格を聞いて、倒れそうになった」

 店にお客さんらしく、父は店へ出た。その後ろ姿を見送り、母はぽつりといった。
「島村時計店がシャッターを下ろし、のぞみ洋服店も閉店したんだよ。この町もだんだん、寂れていくわ」
「何でも、ネットで買える時代だからね。その点、薬はネット販売できないから、うちは大丈夫だ」
「近所に開業医でも、できたらいいのにね。そうしたら処方箋を持った患者さんは、黙っていてもやってくる」
 
恭二は笑った。こんな田舎では、繁盛する商売などありえない。絶対的に消費者が少ないのだから、どんなに逆立ちしても無理ということだ。
「そういえば、昨日コウちゃんに会ったよ。休みで帰省中だって」
 宮瀬幸史郎はアイヌ語を学ぶために、札幌学院大学へ行っている。
「そうか、コウちゃん帰ってきているんだ。ちょっと顔を見てくる」
 恭二は残ったコーヒーを飲み干し、立ち上がった。

 宮瀬家のチャイムを押すと、母の昭子が顔を出した。
「恭二さんだよ」
 昭子は奥に告げてから、恭二を招き入れた。
「北大、合格おめでとう」
 宮瀬哲伸、幸史郎、可穂が出てきて、一斉に声を放った。
「私も教育大に受かった」
 可穂は恭二の手を取り、満面の笑みで報告した。
「可穂ちゃん、おめでとう。よかったね」
「昭子、ビールだ。カンパイだ」
 宮瀬の言葉を、「自分が飲みたいんでしょう」と混ぜ返しながら、昭子はビールを運んでくる。栓が抜かれ、一斉にグラスが持ち上げられる。
「恭二、おめでとう」
「可穂ちゃんもおめでとう」
 幸史郎は、自分のことのように誇らしかった。
「恭二、よくやった」
 恭二のグラスにビールを注ぎながら、幸史郎はまぶしそうな視線を送った。そして続けた。
「彩乃も来週帰ってくるって。もちろん恭一さんと一緒だ。彩乃が戻ったら、みんなに声をかける。恭二と可穂のお祝いを、やらなくっちゃな」

 詩織の顔が、浮かんだ。恭二は卒業式の夜を、思い出していた。すると恭二の胸のうちを読んだかのように、幸史郎が告げた。
「詩織ちゃんはね、卒業してすぐに結婚した。でも……」
 でもどうしたんだ、と恭二はもどかしく思う。一呼吸おいて、幸史郎は言葉をついだ。
「DV、いわゆる家庭内暴力がひどくて、三ヶ月で離婚した」
 複雑な思いが、胸を去来する。そうか、と思った。ばかだな、とも思った。
「詩織ちゃん、立ち直っているよ。病気も完治して、今はホテルの手伝いをしている」

 詩織の大きな瞳が、目に浮かぶ。左頬のえくぼが見える。そして小さな胸の感触が、手のひらによみがえる。「恭二、きて!」と呼ぶ声が、聞こえたような気がする。恭二はうなずきながら、詩織に会いたいと思った。
「おれ、消える」と吐き捨てた、別離の日の修復だけはしておきたい。詩織消しゴムのことが頭に浮かぶ。あの醜悪な別れだけは、消し去りたいと恭二は思う。