山本藤光の文庫で読む500+α

著書「仕事と日常を磨く人間力マネジメント」の読書ナビ

乱知180529:アメフト選手の声明を待つ

2018-05-29 | 乱知タイム
乱知180529:アメフト選手の声明を待つ
これだけ社会問題になっているのに、日大田中理事長は公の場に姿を見せません。アメフトの監督、コーチが罪を選手にかぶせ、トップは逃げ回っています。アメフト部の選手は「声明」を出すようです。おそらくその声明が出たら、日大に君臨するトップの何人かは「生命」を絶たれることになるはずです。そのまえに自ら、真実を明らかにすべきなのですが。
山本藤光2019.05.29

ビリーの挑戦2-081cut:SSTプロジェクト打ち上げ

2018-05-29 | ビリーの挑戦第2部・伝説のSSTプロジェクトに挑む
ビリーの挑戦2-081cut:SSTプロジェクト打ち上げ
――Scene13:SSTからアカデミーへ
影野小枝 2年間に渡って実施された、SSTプロジェクトが終了しました。晴れやかな顔が、ホテルの会場にそろっています。SSTプロジェクトの解散式が行われています。
磯貝 只今からSSTプロジェクト解散式を開催いたします。最初に社長からご挨拶をお願い致します。
社長 みなさん、長い間ご苦労さまでした。そして、よくやってくれました、ありがとうと申し上げたいと思います。SSTプロジェクトは、失敗例から学んで立ち上げられました。2年という長い期間を,誰一人離脱することなく、大きな足跡を残して終了の日を迎えることができました。これは一重にみなさんの真摯な努力の結果です。ただしこれで終わったわけでありません。みなさんにはSSTでの貴重な経験を、次なる舞台へとつないでいただかなければなりません。
漆原 みなさん、やりましたね。私はこの目で、本物の同行を見続けました。そしてその威力を、体感させてもらいました。社長がおっしゃったように、誰一人脱落することなく、プロジェクトを全うしてくれました。ありがとうございます。それではせんえつながら、乾杯させていただきます。SSTの成功とみなさんの前途を祈念して、カンパイ!
影野小枝 24名のSSTメンバーのなかには、1年間引っ張ってきた河野札幌支店長の顔もあります。岸本さんも紅一点で参加しています。みんなこぼれるような笑顔で、グラスを高々と掲げています。
桑田 権藤さん、ありがとうございました。あの日がなかったら、今日の私は存在しません。辞めるのは最も簡単で安易な選択だといわれたことが忘れられません。
権藤 とにかくタフな仕事だったね。でもこうして無事に終了の日を迎えられた。やり遂げた満足感でいっぱいだよ。
関根 ゴンちゃん、お酌しましょう。桑田くん、よくがんばったな。
影野小枝 桑田さん、泣いています。
大河内 海老原くん、やったな。きみの同行は素晴らしかったって、浅野さんが絶賛していた。きみのがんばりに、カンパイ!
海老原 SSTをやりながら、何だか育児の勉強をしているような気になりました。もうすぐ生まれてくるこどもの準備はバッチリです。
河野 元札幌支店のお2人さん、ご苦労さま。きみたちを札幌に戻したい。
大河内 うちの奥さん、喜びますよ。
河野 大河内くんはおそらく支店長候補だから、きみが札幌へくるということは、ぼくが追い出されるわけだ。
影野小枝 賑やかな宴は続いています。大きな仕事を成し遂げた充実感で、会場はとても熱く感じます。

質を測る026:SSTメンバーと営業担当者のギャップ

2018-05-29 | 営業の「質を測るものさし」あります
質を測る026:SSTメンバーと営業担当者のギャップ
――第2章:人間系ナレッジマネジメント
 SST会議のとき、同行している営業担当者と自分たちのどこが違うのかをまとめました。「指導」の項目は、SST会議で改善ポイントをきめたときのものです。

◎知識
営業担当者:会社が提供してくれる時間でのみの知識習得であり、新着学術資材に興味を示さない。
SST:学術担当者やプロダクトマネージャに問いかけ、教わっている。また医師に質問して、教えてもらうことも多い。新着文献のエビデンスは、必ず元文献で確認している。
指導:「製品ファイル」作成を急ぎ、その活用スキルを高める。そのために、「製品ファイル活用」を勉強会の骨格とする。新着学術資材の隣りページには必ず元文献を入れ、2つをよどみなく活用できるようになるまでトレーニングをする。

◎ターゲティング
営業担当者:とにかく情報量が少なすぎる。ポテンシャルがあるのに、敷居が高い顧客は簡単に除外されている。医師のニーズを知らなすぎる。
SST:処方量が大きいところを最優先している。その攻略のために営業担当者活動がある、という信念をもっている。難攻不落の先ほどやりがいを感じている。
指導:とにかく重点顧客を、同行のプライオリティ1とすること。そこでの成功体験が営業担当者を変える。そこでは少しくらい出すぎてもかまわないので、SSTメンバーが率先して活動を引っ張る。

◎アクセス
営業担当者:行きやすい先への訪問頻度(ひんど)が高すぎる。訪問規制を理由に腰を引いてしまう。アポとりが少ない。
SST:訪問規制があるのはチャンスだとの認識がある。アポとりや駐車場でばったり会うなど、いくらでも規制を逆手にとる方法は存在する。月に2回訪問している先を、1回に変えるとどうなるのかを判断している。浮いたディテーリング量を、どこに振り分けるべきか考える習慣がある。
指導:アポとりは、製品知識に自信がなければやりにくい。したがって、説明会の依頼などを優先させて営業担当者指導をおこなう。「月間ディテーリング計画表」を作成させる。「月間ディテーリング計画表」とは、1か月400回ディテーリング数の営業担当者の場合は、それをどの顧客に振り分けると有効かを考えさせるものです。

◎ディテーリング
営業担当者:知識不足。一方的な話しかできない。医師に質問ができない。クロージングができない。
SST:医師と話し込みができる。次回につながるクロージングを心がけている。医師ニーズを掌握しており、常に新しい情報を提供できる。
指導:重点医師専用の「茶封筒」を作成させ、学術資材をそこに入れるときに話法磨きをする。1度の面談で「何かを得る」習慣を身につけさせる。たとえば「説明会をゲットする」「症例をゲットする」「次回のアポをゲットする」「医師ニーズをゲットする」など。SSTメンバーは同行時に、「なにをゲットするのか?」との質問を多用していました。


のほほん180529:読んで、石川淳『紫苑物語』

2018-05-29 | のほほんのほんの本
のほほん180529:読んで、石川淳『紫苑物語』

石川淳『紫苑物語』(講談社文芸文庫)の書評に、驚くほどのアクセスがあります。うれしいかぎりです。石川淳は大好きな作家です。ちょっと難解だという人が、たくさんいます。しかし『紫苑物語』は、非常に読みやすい作品です。私の書評欄を読んで、ぜひ挑戦していただきたい作品なのです。
山本藤光2018.05.29

営業リーダー降格:めんどうかい075

2018-05-29 | 営業リーダーのための「めんどうかい」
営業リーダー降格:めんどうかい075
――第4章:威力ある同行
 SSTアカデミーで成果が上がらなかった営業リーダーは、専門営業担当者に降格となりました。「同行」で営業担当者を育成できない営業リーダーは、その役割を失ってしまったのです。2ヵ月半の営業リーダー研修は、営業担当者のレベルアップがすべてです。

 その検証は営業担当者の意識・行動の変化と、半年後の業績推移で行います。営業リーダーのいちばん大切な仕事は、同行。そのスキルを確かめるのが、SSTアカデミーだったのです。

SSTアカデミーは、「同行」にフォーカスをあてた営業リーダー研修です。2ヵ月半現場を離れるところが、ポイントです。その間、チームの業績が落ちることはありません。「きみたちがいなくても、数字が下がらないな」。山本は参加者に、この一言を突きつけます。つまり、チームリーダーとしてのあり方を、現場で考え直させるのです。

多くの営業リーダーは、同行パワーを実感して戻ってきました。SSTアカデミーも、SSTプロジェクト同様の成果を上げました。

SSTアカデミーは、2度実施して終了しました。理由は日本ロシュと中外製薬の合併が決まり、プログラムが頓挫してしまったからです。山本は合併を機に退職し、独立しています。

妙に知180529:拝啓、相撲協会さま

2018-05-29 | 妙に知(明日)の日記
妙に知180529:拝啓、相撲協会さま
鶴竜の連続優勝、栃ノ心の大関昇進と話題の多かった相撲が終わりました。後半は横綱、大関に日本人力士不在という寂しい場所でもありました。相撲協会は力士のケガに、もっと心を配るべきです。土俵下にマットを敷くとか、膝サポーターを義務づけるとか。他のスポーツは選手の安全面に、心配りしています。また土俵上でケガをした力士の番付を「貼り出し」(そのままの地位を維持)にするなど、照ノ富士のように痛々しい力士を土俵に上げないなどの工夫も必要です。
山本藤光2018.05.29

町おこし140:気の抜けたサイダー

2018-05-29 | 小説「町おこしの賦」
町おこし140:気の抜けたサイダー
――『町おこしの賦』第5部:クレオパトラの鼻17
 留美から電話をもらい、恭二は釧路へ出かけた。待ち合わせの喫茶店には、すでに留美の姿があった。ノートを広げて、書きものをしていた。
「留美」と声をかけた。弾かれたようにノートから顔を上げて、留美は「恭二、会いたかった」といった。留美は「恭二」といった。ずっと「さん」づけで呼ばれていたので、ぐっと距離が縮まった感じがする。
 留美は見違えるほど、美しかった。唇にルージュが塗られ、目にはアイラインが引かれていた。長かった髪は短くカットされていて、外向きに軽くカールしている。耳タブにはピアスが光っていた。
「留美、きれいになったね」
 恭二は、思わず見取れてしまった。
「お化粧してきたからね」
 そういって、留美はぺろりと舌を出した。
「電話ありがとう。ずっと退屈していたんだ」
「私も。何だか気の抜けたサイダー状態」
「何書いていたの?」
「小説の下書き」
「どんな話なの?」
「内緒」

ウエイトレスがきたので、恭二はコーヒーを注文した。留美はレモンティを頼んだ。
「恭二、合格旅行は、函館に行きたい。石川啄木の石碑を、写真に撮りたいの。釧路の啄木公園を歩いているとき、いつもそう思っていた」
「わかった。おれは、函館山からの夜景を見たい」「湯の川温泉に、湯元啄木亭ってところがあるの。そこに泊まろう」
「なんだい、下調べはできているってわけか」
「そう、おいしいお店も、ばっちり調べてある」
「旅行は、落ち着いてからだね。松前城の桜のころなんて、どうだろう?」
「とすると、ゴールデンウイークのころだね。楽しみ」
「家庭教師のアルバイトを、探さなければならない。せっかくの旅行なのに、ケチケチしているのはつまらない」
「そうよね、私もバイト探しする」

「外は寒いけど、少しぶらぶらしようか?」
 二人は店を出て、幣舞橋へ向かった。大通りには、シャッターが下りている店が目立った。留美は恭二の左を歩き、手をからめてきた。これから先おれは留美と、こうして併走するのだろうな。恭二は握られた左手を小刻みに振りながら、そう考えていた。
 海の上ではたくさんのかもめが、滑らかな演舞をしていた。浜風は氷の刃となって肌を突き刺す。
「この先に啄木公園があるんだけど、寒いから夏休みまでお預けだね」
 留美は橋の先を指差していった。爪には赤いマニュキアが塗られていた。
「夢と希望の違い、わかる?」
 唐突な質問だった。恭二は考えこんでしまう。そしていった。
「夢も希望もない、っていうから二つは別ものなンだろうな」
「そう。夢ははるかかなたにあって、希望はそこに近づく道筋にあるの。恭二の夢は何?」
 答えられない。幼いころは、プロ野球の選手になりたかった。肩を壊して挫折してから、おれは自分の未来像を思い描いたことはない。ショックだった。留美は小説家になる、といっている。
 幣舞橋は、霧に包まれはじめた。まるで恭二の今を物語っているように、啄木公園のある方向はかすんで見えなくなった。