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乱知180505:ノーベル文学賞

2018-05-05 | 乱知タイム
乱知180505:ノーベル文学賞
今年のノーベル文学賞の発表は、内部のごたごたで見送りになりました。カズオ・イシグロに続き、村上春樹が呼ばれることを期待していました。村上春樹の名前が、高らかに鳴るベル音とともに呼ばれるはずでした。残念です。今年はノー・ベルになってしまったのです。
山本藤光2018.05.05

乱知180505:ノーベル文学賞

2018-05-05 | 乱知タイム
乱知180505:ノーベル文学賞
今年のノーベル文学賞の発表は、内部のごたごたで見送りになりました。カズオ・イシグロに続き、村上春樹が呼ばれることを期待していました。村上春樹の名前が、高らかに鳴るベル音とともに呼ばれるはずでした。残念です。今年はノー・ベルになってしまったのです。
山本藤光2018.05.05

知だらけ101:目標

2018-05-05 | 知だらけの学習塾
知だらけ101:目標

人間力のある人には意欲がある
意欲のある人には夢がある
夢のある人には目標がある
目標のある人には努力がある
努力のある人には失敗がある
失敗のある人には反省がある
反省のある人には経験がある
経験のある人には智恵がある
智恵のある人には人間力がある

「目標」は、到達しなければならないゴールのことです。目標はある「目的」に向かって、設定されるものです。したがって目的のない人には、目標は存在しません。

SSTプロジェクトを例に説明したいと思います。プロジェクト創設の目的は、「営業生産性の向上」にありました。そして「2年以内に2桁アップの実績向上」という「目標」が掲げられました。このように最初に「目的」があり、そのために到達すべきゴールを設定するのが「目標」となります。。

 時々「目的」と「目標」を混同しているケースがあります。「目標」には明確な達成期限や成果目標が、明示されていなければなりません。

「人間力豊かなリーダーになる」ために、「たくさんの良書を読む」。これは「目的」と「目標」を1文にしたものです。残念ながら、これでは、的確な目標設定にはなっていません。「いつまでに」や「何冊」といった、具体例が記されていないからです。

私が社会人になったときに、書いた人生設計があります。営業職を希望していたのに内勤職に配属され、失意の中で書いた記憶があります。私は10年刻みのゴール(目標)を設定していました。これらは「豊かな人生をおくる」という生涯ゴール(目的)に対する、個々の目標というべきものです。そして10年刻みのゴール(目標)は、生涯ゴール(目的)のための、マイルストーンでもあるのです。

はるか遠くに目標を設定し、その間にマイルストーンを置くのが理想的な形です。マイルストーンとはマラソンに例えるなら、5キロ刻みの標識のことです。ちょっと恥ずかしいのですが、私のマイルストートンを紹介してみます。

70歳:印税や古書店経営で悠々自適の生活をおくる。
60歳:小説家になる。古書店を開業する。。
50歳:営業組織のトップになる。ビジネス書を出版する。
40歳:全国トップのチームを作る。小説を自費出版する。
30歳:全国トップのMRになる。小説家修行をする。

「目標」と「夢」が、混在していても構いません。余り些細なことにとらわれず、こうなりたいと思うことを創出しなければなりません。「目標」は「夢」に明確な輪郭を与え、到達時期や目標数値を明示したものでなければなりません。

(1)年内に、ジェームス・ジョイス『ユリシーズ・全4巻』(集英社文庫を読了する
(2)毎朝30分、ジェームス・ジョイス『ユリシーズ・全4巻』(集英社文庫)を読む

 この2つはどちらにも数値が入っており、立派な「人間力を磨く」目的にかなった目標です。しかしちょっと違っています。(1)は、成果に対する目標となっています。(2)は、行動の目標です。(1)の場合は全4巻読めなかったら、成果は×となります。(2)のケースは成果に触れられていませんので、全4巻読めなくても×とはなりません。ただし1日でも怠けたら、例え全4巻を読んだとしても、結果は×となってしまいます。

「目標」を考えるとき、私が大切にしている文章があります。引用させていただきます。

――小さな目標しかもたない者には、小さなことしか達成できない。大きな希望をもって、大きなことを試みるべきである。このことを常に心がけるかどうかで、一生をおくるうえで天と地ほどの差がでてくる。(中略)進歩と成功の度合いは、それぞれの目標の高さに応じて決まる。(W.A.オールコット『知的人生案内』知的生きかた文庫P16)

 理想的な「目標」は大きく掲げたもので、しかも「成果目標」と「行動目標」が併記されているものだと理解してください。

ビリーの挑戦2-057cut:意識・行動が変わるということ

2018-05-05 | ビリーの挑戦第2部・伝説のSSTプロジェクトに挑む
ビリーの挑戦2-057cut:意識・行動が変わるということ
――Scene08:SSTプロジェクト折り返し
影野小枝 河野さん、漆原企画部長の席で相談しています。例の「同行MRと非同行MR各30名のアップ率」グラフのメディア公開がテーマです。
河野 メディアの取材申し込みが増えていますし、講演の依頼もくるようになりました。磯貝くんとヒロミちゃんとで、地道なメディア対策をしてくれているお陰です。
漆原 そろそろ外部ノイズを、利用する段階は終わったよね。次なるステップは、社内の知をいかにオープンにすべきか、だね。
河野 この前、社長がこのグラフを見て、「信じられない」とおっしゃいました。そのとき「これを外部に公開したら、うちの営業本部の身が引き締まります」と提案しました。社長は「やっちゃいなさい。オープンにすることで、うちの営業のレベルはもう一段高いところへ向かうはずだ」といっていました。
漆原 社長は公開することを問題なし、といっているんだな。私も同感だ。知は減るものじゃない。うちのSSTだって、元はといえばP社のものを、参考にさせてもらっているのだし。
河野 まずはMR活動の質を上げる。そのためのSSTですので、このグラフを公開するときは、「意識。行動アンケート」結果を前面にしたいと思います。そしてさりげなく、結果的に量もこんなに伸びたという筋書きですね。
漆原 いいね、それ。
河野「意識・行動アンケート」は、ヒロミちゃんが分析しています。ちょっと呼んできますね。

どん底塾48:公正な業績評価

2018-05-05 | 小説「どん底塾の三人」
どん底塾48:公正な業績評価

「海老原は、上司から正当な評価を受けていると思うか?」
 唐突な質問だった。所長からは、相変わらず「ビリー」と呼ばれている。最近は業績が上がっているのに、差別用語は消えない。正当な評価を受けているとは、考えられなかった。
「正当な評価は、受けていません」
「そうだろう。正当な評価を受けていると答えられるのは、1000人に1人くらいだ。あとの999人は、不満タラタラ。それが評価の現実だ。ずっとトップを走ってきたおれが、管理職になったのは同期でいちばん最後だった。もちろん、不満だったさ。でも当時の上司は、おれが管理職には向いていないと評価した。
 上司が替わって、待ちに待った課長のポストをもらった。部下は14名だった。チーム成績は、5年連続でトップ。鼻が高かったけど、くだんの上司が舞い戻ってきた。だから、会社を辞めた。自分をまっとうに評価をしてくれない上司とは、いっしょに仕事をしたくなかったからだ」
 
 評価の話は、加納には耳の痛いものだった。いつも公正な、業績評価を考えていた。どんなに考えたところで、すべての人が納得してくれるものは作れない。
「人事部だった関係で、評価に関する苦情をよく受けました。いくら説明しても、納得してもらえません。最後は、公正な評価案を持ってきなさい、と開き直ったほどです」
「評価を量と質で考えると、営業職は量が明確だから、まだわかりやすい。しかし量だけでは、不具合が起きる。市場規模やさまざまな条件で、量が左右されるからだ。そこで、質の要素も取り入れる。こうなると、客観評価となり不平不満を誘発する。
 評価なんて気にするな。不満を述べたところで、オリンピックの判定と同じだ。絶対にくつがえらない。いやなら、会社を辞める。方法はそれしかない。優秀な営業マンは、そんなことに時間を取らない。取るだけムダだ、と知っている」

「評価を甘んじて受けろ、ということですか?」と海老原。
「変わる可能性があるのなら、挑戦してみればいい。そうでなければ、受け入れるしかないだろう。おれが会社を辞めるとき、前の上司がきみこそ最高の営業リーダーだ、といってくれた。うれしかったよ。そして業績評価以外の、もうひとつの評価の存在を知ったんだ。給料には反映されないが、信頼という評価だ。人物評価といい換えてもいい」

※加納百合子の日記
 亀さんから「人物評価」ということを教わった。自分の成果が上がらないのは、亀さんの指導が悪いからだと思っていたことを反省している。
 亀さんは何も教えない。教えるよりも、育てようとしてくれていた。だからいつも、「自分で考えろ」といっていたのだ。長いトンネルの向こうに、かすかに光が見えた。希望という名の光だ。 

質を測る004:命令する・提出させる

2018-05-05 | 営業の「質を測るものさし」あります
質を測る004:命令する・提出させる
――第1章:強いチーム
会議開始までの間、私はなにに耳を澄ませていたのでしょうか。広げっぱなしの私のノートには、おびただしい文字が並んでいます。ノートの左ページは営業リーダー向け、右ページは営業担当者向けの確認事項を書くためのものです。ちょっとノートをのぞいてみましょう。それぞれのページには、次のようなキーワードが埋めこまれています(実際は無地ですが、私のメモは記入の箇所をきめてあります)

【営業リーダーのページ】
・マネジメントスタイル
・丸め言葉
・SECI
・会議運営

【営業担当者のページ】
・ポジティブ会話
・ラ行の言い訳小僧
・RPDC
・会議参画

それぞれの項目は、私が「質をはかるものさし」と呼んでいるものです。どのページにも、タテに折り目をつけてあります。折り目の左は「いいね」の評価メモ。右は「ちょっとなぁ」と思うことを書き連ねています。チーム全体にかかわることは、営業リーダーのページに書くことにしています。詳細については「第3章:営業リーダー」のところで説明しますが、「営業リーダーのページ」についてちょっとふれておきます。(明日につづく)

のほほん180505:もっと宮沢賢治

2018-05-05 | のほほんのほんの本
のほほん180505:もっと宮沢賢治

宮沢賢治の作品では、『グスコーブドリの伝記』(岩波文庫『風の又三郎』所収。当ブログで紹介)がいちばん好きです、でももっと読みたくなって、先日『読んでおきたいベスト集・宮沢賢治』(宝島文庫)を買ってきました。童話22篇と詩12篇の構成になっています。毎日ちょっとずつ味わっています。どれもすてきな作品です。
山本藤光2018.05.05

妙に知180505:小野篁

2018-05-05 | 妙に知(明日)の日記
妙に知180505:小野篁
小野篁(おの・たかむら)をご存知でしょうか。平安前期の漢学者で歌人。謎解きの名人として、様々な謎を解いています。「なぞ」という言葉は、「何ぞ」と問い掛けることに由来する、など。そして次のような難問を解いてみせます。

――子子子子子子子子子子子子

これを何と読みますか。私は「十二支」だと思いました。しかし答えは、「ねこのこのこねこ、ししのこのこじし」(猫の子の子猫、獅子の子の子獅子)だったのです。(続日本語知識辞典をまとめました)

小野篁は歌字尽しの名人ともいわれ、いまでもその書は読むことができます。
『歌でおぼえる寺子屋くずし字入門「小野篁歌字尽」』(Kindle版)
山本藤光2018.05.05

上司の関与が大切:めんどうかい51

2018-05-05 | 営業リーダーのための「めんどうかい」
上司の関与が大切:めんどうかい51
――第4章:威力ある同行
 多くの営業担当者は、悩んでいます。助けを求めています。彼らは一歩会社を出ると、たった一人で活動しています。彼らには内勤職のように、同僚の仕事ぶりを観察することができません。いつもこのやり方でいいのか、と不安に思っています。営業職は孤独な仕事です。それゆえ、上司の関与が大切になります。

 しかし多くの企業は、営業リーダーに十分な「現場同行」の時間を与えていません。あるいは同行の大切さを、啓蒙していません。正しい同行指導をすると、部下の業績は目に見えて向上します。

 企業はすべての営業担当者に、均一のインプットを与えています。インプットとは、知識、情報、経費などのことです。ところがアウトプット(売上や利益)は、天と地ほども違います。その要因は、プロセス部分にあります。営業担当者のこの部分は、端から垣間見ることができません。だから、「営業活動のブラックボックス」と呼ばれています。

 営業活動のブラックボックスの中身は、次のようなものです。

・計画と活動の整合性
・顧客ニーズの把握
・製品知識
・商談時の態度
・話法の熟成度
・販促資材の活用
・訪問効率
・顧客とのコンタクト度合い
・クロージング能力
・競合会社との力関係

「営業活動のブラックボックス」にフォーカスをあてなければ、営業担当者のレベルアップは期待できません。この部分に関与できる存在は、営業リーダーだけなのです。営業担当者の業績格差の原因は、プロセス部分の優劣にあります。そこを的確に指導しなければ、業績アップは望めません。

町おこし116:別れの予感

2018-05-05 | 小説「町おこしの賦」
町おこし116:別れの予感
――『町おこしの賦』第4部:標茶町ウォーキング・ラリー24
「恭二、毎日お手紙ありがとう。でももうお手紙はいらない。恭二は受験勉強に集中しなければダメ。ここへもきてはダメ。今度きたら恭二のこと、嫌いになっちゃうから」 
 初めての面会の日に、詩織はそう告げた。町中からジングルベルが、聞こえるようになったころである。
そしてそれから数週間後、詩織は退院した。帽子をかぶった詩織を、両親と一緒に迎えた。
朝方からの吹雪は、詩織の退院に合わせたかのように止んでいた。

 父親の運転する車に乗った詩織を見送り、恭二はオランダ坂を下る。毎朝、詩織が待っていてくれた坂である。たくさんの夢を、語り合ってきた。力のない足取りで坂を下ったとき、目の前に猪熊勇太の姿があった。花束を抱えている。
「詩織ちゃんのお見舞いに、行こうと思って」
 勇太は顎で花束を示して、唇の端で笑った。
「今、退院したばかりだ」
 恭二がそう告げると、勇太の顔が曇った。
「ごめん、遅過ぎたんだな」
 勇太はそういうと、いきなり背中を向けた。
「待てよ、勇太。久しぶりに会ったんだから、少し話でもしよう」
 恭二の言葉を無視して、勇太は足早に遠ざかって行った。恭二のなかの、もう一つの何かが崩れた。今まで身近にあったものが、次々と消えてゆく。嫌な予感が、背筋を走る。

 大学受験の模擬テストの結果は、さんたんたるものだった。北海道薬科大の合格確率はゼロ。
 退院した詩織からは、一切の連絡はない。大学受験は来月に迫った。恭二はこれが自分にとって、初めての受験だったことに気がつく。高校へは、無試験で合格している。
 詩織も勇太もいなくなった教室を出て、恭二は残された時間を、悔いのないものにしょうと思う。二人の分までがんばらなければならない、とも思う。そして何よりも、孤独だと思う。