知だらけ101:目標
人間力のある人には意欲がある
意欲のある人には夢がある
夢のある人には目標がある
目標のある人には努力がある
努力のある人には失敗がある
失敗のある人には反省がある
反省のある人には経験がある
経験のある人には智恵がある
智恵のある人には人間力がある
「目標」は、到達しなければならないゴールのことです。目標はある「目的」に向かって、設定されるものです。したがって目的のない人には、目標は存在しません。
SSTプロジェクトを例に説明したいと思います。プロジェクト創設の目的は、「営業生産性の向上」にありました。そして「2年以内に2桁アップの実績向上」という「目標」が掲げられました。このように最初に「目的」があり、そのために到達すべきゴールを設定するのが「目標」となります。。
時々「目的」と「目標」を混同しているケースがあります。「目標」には明確な達成期限や成果目標が、明示されていなければなりません。
「人間力豊かなリーダーになる」ために、「たくさんの良書を読む」。これは「目的」と「目標」を1文にしたものです。残念ながら、これでは、的確な目標設定にはなっていません。「いつまでに」や「何冊」といった、具体例が記されていないからです。
私が社会人になったときに、書いた人生設計があります。営業職を希望していたのに内勤職に配属され、失意の中で書いた記憶があります。私は10年刻みのゴール(目標)を設定していました。これらは「豊かな人生をおくる」という生涯ゴール(目的)に対する、個々の目標というべきものです。そして10年刻みのゴール(目標)は、生涯ゴール(目的)のための、マイルストーンでもあるのです。
はるか遠くに目標を設定し、その間にマイルストーンを置くのが理想的な形です。マイルストーンとはマラソンに例えるなら、5キロ刻みの標識のことです。ちょっと恥ずかしいのですが、私のマイルストートンを紹介してみます。
70歳:印税や古書店経営で悠々自適の生活をおくる。
60歳:小説家になる。古書店を開業する。。
50歳:営業組織のトップになる。ビジネス書を出版する。
40歳:全国トップのチームを作る。小説を自費出版する。
30歳:全国トップのMRになる。小説家修行をする。
「目標」と「夢」が、混在していても構いません。余り些細なことにとらわれず、こうなりたいと思うことを創出しなければなりません。「目標」は「夢」に明確な輪郭を与え、到達時期や目標数値を明示したものでなければなりません。
(1)年内に、ジェームス・ジョイス『ユリシーズ・全4巻』(集英社文庫を読了する
(2)毎朝30分、ジェームス・ジョイス『ユリシーズ・全4巻』(集英社文庫)を読む
この2つはどちらにも数値が入っており、立派な「人間力を磨く」目的にかなった目標です。しかしちょっと違っています。(1)は、成果に対する目標となっています。(2)は、行動の目標です。(1)の場合は全4巻読めなかったら、成果は×となります。(2)のケースは成果に触れられていませんので、全4巻読めなくても×とはなりません。ただし1日でも怠けたら、例え全4巻を読んだとしても、結果は×となってしまいます。
「目標」を考えるとき、私が大切にしている文章があります。引用させていただきます。
――小さな目標しかもたない者には、小さなことしか達成できない。大きな希望をもって、大きなことを試みるべきである。このことを常に心がけるかどうかで、一生をおくるうえで天と地ほどの差がでてくる。(中略)進歩と成功の度合いは、それぞれの目標の高さに応じて決まる。(W.A.オールコット『知的人生案内』知的生きかた文庫P16)
理想的な「目標」は大きく掲げたもので、しかも「成果目標」と「行動目標」が併記されているものだと理解してください。