山本藤光の文庫で読む500+α

著書「仕事と日常を磨く人間力マネジメント」の読書ナビ

220228:マーク・トウェインのこと

2022-02-28 | 妙に知(明日)の日記
220228:マーク・トウェインのこと
■ 昨日、最後の切り札であると書いたSWIFTを、ついに発動することになりました。返り血を浴びるかもしれない、禁じ手です。以下ロイターの記事です。――米欧は、ロシアを国際銀行間の送金・決済システムのSWIFT(国際銀行間通信協会)から排除することで合意した。――これでロシアは、奈落へと転がり落ちるでしょう。日本も追随する、と発表されています。■マーク・トウェインは、『トム・ソーヤーの冒険』(光文社古典新訳文庫)を推薦作として紹介しています。そのうちに、『ハックルベリ・フィンの冒険』(上下巻、光文社古典新訳文庫)も紹介したいと思っています。こちらは「痛快世界の冒険文学」(講談社)に所収されている、立松和平・文の方も高い評価をしています。■マーク・トウェイン作品については、年が明けてから3冊を読みました。いずれもユーモアあふれる作品で、楽しい気持ちにさせられました。
――ジム・スマイリーの跳び蛙(新潮文庫、柴田元幸訳)以下のような短編が所収されています。
▽石化人間/風邪を治すには/スミス対ジョーンズ事件の証拠/ジム・スマイリーの跳び蛙/ワシントン将軍の黒人従者―伝記的素描/私の農業新聞作り/経済学/本当の話―一語一句聞いたとおり/盗まれた白い象/失敗に終わった行軍の個人史/フェニモア・クーパーの文学的犯罪/物語の語り方/夢の恋人 (収載作品)
――不思議な少年(岩波文庫、中野好夫・訳)
――王子と乞食(岩波文庫、村岡花子・訳)
モンゴメリの翻訳で有名な村岡花子の訳文だったのが、うれしかったです。
山本藤光

220227:重松清のこと

2022-02-27 | 妙に知(明日)の日記
220227:重松清のこと
■AFP=時事からの引用です。――ロシアによるウクライナ侵攻をめぐり、西側諸国は厳格な対ロシア制裁措置に合意したが、「金融核兵器」とも呼ばれる国際銀行間通信協会(SWIFT、スイフト)の決済網からの排除については、エネルギー供給の途絶を懸念する欧州連合(EU)主要国の抵抗により発動が見送られた。――これをやれば、ロシアは息絶えてしまいます。しかし、それは自らにも襲いかかってくる刃でもあります。いわば伝家の宝刀なのですが。■重松清については、3作品の書評を発信しています。そのなかでは、『とんび』(角川文庫)を最も高く評価しています。本書は10人ほどにプレゼントしました。デビュー作『ビフォア・ラン』(幻冬舎文庫)には、おもしろい出逢いのエピソードがあります。詳細は書評欄をご覧ください。3冊目は『ナイフ』(新潮文庫)です。どうしても紹介したい作品でした。■重松清には、田村章の名での著作があります。『あした命はもっと輝く』(光文社)がそれです。雑誌のアンカーマン時代の集大成です。この経験が重松作品に色濃くでています。
山本藤光


220226:大泉康雄『あさま山荘銃撃戦の深層』のこと

2022-02-26 | 妙に知(明日)の日記
220226:大泉康雄『あさま山荘銃撃戦の深層』のこと
■プーチンの狙いは、政権の転覆にあります。ウクライナ政府とロシアが、話し合いをする。今朝飛び込んできたニュースです。これ以上、人命を失ってはなりません。話し合いの結果は、予想できません。ともかく、侵略者への報復は、日本を含む民主主義国家の責務です。侵略者を勝者にするわけにはゆきません。■友人の大泉康雄(おおいずみ・やすお)さんが、「NHKクローズアップ現代」に出演しました。浅間山荘の実行犯・吉野雅邦(無期懲役)の特集番組でした。大泉と吉野は高校時代からのともだちで、収監されてからも手紙のやりとりをしていました。そんな関係から、大泉は『あさま山荘銃撃戦の深層』(上下巻、講談社文庫)という著作を発表しています。本書の書評は、「山本藤光の文庫で読む500+α」に掲載しています。
山本藤光


220225:西條奈加『隠居すごろく』読むぞ

2022-02-25 | 妙に知(明日)の日記
220225:西條奈加『隠居すごろく』読むぞ
■ロシアのウクライナ侵攻をみていて、米国の及び腰が気になりました。完全になめられています。これでは台湾や尖閣の有事が、心配になります。岸田政権もお花畑ですし、日米トップのていたらくには背筋が冷たくなります。日米が北海道で共同軍事演習をするなど、ロシアニはプレッシャーをかけたいものです。■信頼できる書評家の北上次郎が推薦しているので、西條奈加『隠居すごろく』(角川文庫)を読んでみることにしました。直木賞受賞作の『心淋し川』(集英社)が文庫化されるのを待っています。その間に文庫になっている作品を紹介しておきたいと思っていました。北上次郎の推薦ですから、ハズレはありません。
山本藤光


220224:グィン『いまファンタジーにできること』文庫に

2022-02-24 | 妙に知(明日)の日記
220224:グィン『いまファンタジーにできること』文庫に
■ウクライナへ侵攻した、ロシアに対する日本の制裁が発表になりました。こんな手ぬるいものでは、ロシアにとっては蚊にさされたようなものです。まったく制裁になっていません。だいいち、最初の二つはウクライナに対する制裁です。情けないほどの腰砕け。以下、ニュースの文面を貼り付けておきます。■岸田首相は23日、記者団の取材に応じ、ロシアへの制裁措置として「いわゆる2つの共和国の関係者の査証発給停止と資産凍結」「いわゆる2つの共和国との輸出入の禁止」「ロシア政府による新たなソブリン債の日本での発行・流通の禁止」の3つを行うことを明らかにした(NNプライムオンライン)■アーシュラ・K・ル・グィンには、『夜の言葉・ファンタジー・SF論』(岩波現代文庫、山田和子訳)や『ファンタジーと言葉』(岩波現代文庫)などの「ファンタジー」に関する著作があります。今度、『いまファンタジーにできること』(河出文庫)が刊行されました。本書は世界の、有名なファンタジー小説の解説本です。
山本藤光


220223:ダール『少年』文庫に

2022-02-23 | 妙に知(明日)の日記
220223:ダール『少年』文庫に
■ウクライナ東部の2地区は、親露武装勢力が一方的に独立を主張していました。プーチンはここの独立を承認したのです。これは沖縄が中国の勢力に支配され、中国がその独立を承認したと同じことです。独立国家を守るために、ロシア軍はここに駐屯することになるでしょう。とんでもないストーリーです。あそこの2地区はもともとロシアが実行支配していたのだから、では収まる問題ではありません。■ロアルド・ダールは『オズワルド叔父さん』(ハヤカワ文庫)を推薦作として紹介しています。『チョコレート工場の秘密』(ダール・コレクション2、評論社)も捨てがたいのですが。今度『少年』(ハヤカワ文庫)が刊行されました。ダールの少年時代を描いた作品で、自筆のイラストや写真がそえられています。ダールの愛読者の私としては、とてもうれしい一冊です。
山本藤光

220222:俵万智『伊勢物語』がいい

2022-02-22 | 妙に知(明日)の日記
220222:俵万智『伊勢物語』がいい
■昨日は何度も、ヤフーニュースにアクセスしました。ウクライナが心配です。東部地区では、親露派武装勢力とウクライナ国軍の双方が、「攻撃された。死者がでた」と主張しはじめました。戦争の前段階に、突入したといえます。人道上の見地から、ロシア軍の介入はありえます。おまえが人道をいうのか、とののしりたくなります。何事もない、奇跡を祈っています。■俵万智・訳『伊勢物語』(21世紀少年少女古典文学館2)を読みました。味わい深い訳文から、新しい『伊勢物語』が立ち上がりました。『伊勢物語』はたくさんの訳文や関連本を読んでいます。ざっと列記してみます。
――伊勢物語・ビギナーズ・クラッシック(角川ソフィア文庫A2-2坂口由美子・編)
――大庭みな子:大庭みな子の竹取物語・伊勢物語(集英社文庫)
――日本文学全集03伊勢物語(川上弘美訳、河出)
――杉本苑子:伊勢物語・古典を読む13(岩波書店)
――朝日新聞社学芸部編:読みなおす一冊(朝日選書)
――阿刀田高監修:日本の古典50冊(知的生きかた文庫)
――一校舎国語研究会:日本・名著のあらすじ(コスモ文庫)
――清川妙:乙女の古典(中経文庫)
――久保田淳:日本文学の古典50選(岩波ジュニア新書)
――黒澤弘光・竹内薫:心にグッとくる日本の古典(NTT出版)
――小林保治編:あらすじで読む古典(新人物文庫)
――G・B編:3行でわかる名作&ヒット本250(宝島文庫)
――高木和子:平安文学でわかる恋の法則(ちくまプリマー新書)P18、56、126、181
――田辺聖子:竹取物語・伊勢物語(集英社文庫75M)
――田辺聖子:古典の森へ(集英社文庫)
――谷沢永一:紙つぶて(全)(文春文庫)
――俵万智:恋する伊勢物語(ちくま文庫)
――津島佑子:「伊勢物語」「土佐日記」を旅しよう・古典を歩く2(講談社文庫)
――寺山修司:私という謎・寺山修司エッセイ選(講談社文芸文庫)
――中村真一郎:色好みの構造・王朝文化の深層(岩波新書)
――中村真一郎:王朝物語(新潮文庫)
――西沢正史:あらすじダイジェスト・日本の古典30を読む(幻冬舎)
――日本名作委員会:日本の名作あらすじ200本(宝島文庫)
――橋本治:これで古典がよくわかる(ちくま文庫)
――林望:古典文学の秘密(光文社文庫)
――福田和也:贅沢な読書(ちくま文庫)
――山口仲美:日本語の古典(岩波新書)
――吉本隆明善著作集4文学論1(勁草書房)
山本藤光

220221:清水義範『パスティーシュ100』は宝物

2022-02-21 | 妙に知(明日)の日記
220221:清水義範『パスティーシュ100』は宝物
■カーリング女子はイギリスに敗れ、銀メダルとなりました。試合は残念な流れでした。でもよくがんばりました。テレビ中継はつらくなって、途中で視聴を止めてしまいました。大健闘をたたえたいと思います。ロコ・ソラーレありがとう。■今朝、勝負を終えたカーリングの両チームの交流をビデオで観ました。本当に胸を打たれるほどの、すがすがしさがありました。ごたごた続きのペテン五輪を締めくくる、最高の映像でした。ロコ・ソラーレありがとう。■清水義範『パスティーシュ100』(全6巻、ちくま文庫)は思い出したように読む全集です。ここには「蕎麦ときしめん」(第4巻)、「国語入試問題必勝法」(第2巻)などの代表作が所収されています。おそらく絶版だと思います。清水義範が好きな読者には、たまらない全集です。探してみる価値、ありです。
山本藤光

220220:津田梅子のこと

2022-02-20 | 妙に知(明日)の日記
220220:津田梅子のこと
■カーリング女子が決勝ラウンドで、一昨日破れたスイスを下し、決勝進出を決めました。一昨日は決勝ラウンドの夢を絶たれ、無念の記者会見をしていました。その席上で、なんと希望の一報がもたらされたのです。一度は死んだ身。あとは頂点を目指すのみです。■新五千円札の顔になる津田梅子(つだ・うめこ)に関する著作は、私の蔵書の範囲では次のとおりです。津田梅子は、日本における女子教育の先駆者と評価されています。女子英學塾(のちの津田塾大学)創立者です。
――津田梅子・人と作品116(清水書院)
――吉川利一:津田梅子(中公文庫)
――関川夏央:一九〇五年の彼ら・現代の発端を生きた十二人の文学者(NHK出版新書)
――大庭みな子:津田梅子(朝日文庫)
山本藤光

220219:齋藤愼爾『寂聴伝』がいい

2022-02-19 | 妙に知(明日)の日記
220219:齋藤愼爾『寂聴伝』がいい
■ロシアのウクライナ侵攻は、あと数日で間違いなくおこる。ネット評論家は、そう口をそろえています。一度振り上げた拳を、プーチンは下ろせないようです。これで世界は泥沼と化します。アメリカに強力な指導力がない今、欧州は足並みを乱すことなくロシアに対峙してもらいたいものです。■齋藤愼爾(さいとう・しんじ)『寂聴伝・良夜玲子』(新潮文庫)は傑作でした。寂聴については、尾崎真理子『寂聴文学史』(中央公論新社)も素晴らしい作品でした。波瀾万丈の生涯ですから、ついつい引き込まれてしまいます。
山本藤光