山本藤光の文庫で読む500+α

著書「仕事と日常を磨く人間力マネジメント」の読書ナビ

2019-01-31 | 知育タンスの引き出し

「井」と「丼」は、もともと同じ漢字でした。『ことばの選び方大全』(青春出版社)を読んでいて、また新たな知識を得ました。丼の字の形を、井戸にものが落ちるときの音「どぶん」の連想から「どんぶり」とあてるようになった。この説明で納得でした
。山本藤光2018.08.17

池澤夏樹『言葉の流星群』がいい

2019-01-31 | のほほんのほんの本
池澤夏樹『言葉の流星群』がいい
池澤夏樹『言葉の流星群』(角川文庫)は、宮沢賢治の放った言葉を、ていねいに読み解いた好著です。私の蔵書で宮沢賢治に関する著書は、十数点あります。そのなかで、本書がいちばん読み応えがありました。池澤夏樹の澄んだ視点が、賢治の言葉に研磨をかけてくれています。宮沢賢治を愛する読者なら、読んでおくべきでしょう。私は黒井千次の勧めで、宮沢賢治の世界に足を踏み入れました。そして本書で、その奥深さを知りました。
山本藤光2019.01.31

四つ葉のクローバー

2019-01-31 | 知育タンスの引き出し
四つ葉のクローバー
発見したら、幸運をもたらすとされている四つ葉のクローバー。四つの葉に意味があったとは知りませんでした。

――冨、名声、愛、健康

ちなみに三つ葉は「希望」「信仰」「愛情」とされているようです。四つ葉の場合、ここにもう一つの意味を付け加えたのだろうと思っていました。全く別物だったのです。
山本藤光2019.01.31

橋本治さん亡くなる

2019-01-31 | 妙に知(明日)の日記
橋本治さん亡くなる
橋本治さんが亡くなりました。享年70歳とまだ若かったのですが。大好きな作家で「500+α」では、『これで古典がよくわかる』(ちくま文庫)を紹介させていただきました。しかし私が最も感動したのは、『窯変源氏物語』(全14巻、河出書房、初出1991)でした。本書をきっかけに、与謝野晶子や瀬戸内寂聴の『源氏物語』を読むことになりました。敷居が高かった『源氏物語』へと、やさしく手を差し伸べてくれたのが橋本治さんだったのです。ご冥福をお祈り申し上げます。
山本藤光2019.01.31

116:書き留める習慣

2019-01-31 | 銀塾・知だらけの学習塾
116:書き留める習慣
――第10講義:実践する
1冊の新しいノーとを買い求めましたか。何かをしているときに、やってみたいことが思い浮かんだら、すかさずノートに書き留めます。何か新しい発見をしたら、やっぱりノートに書き留めます。老齢期の人は、忘れっぽくなります。とにかく何でもいいから、書き留める習慣を身につけてください。書いておくべきことは、およそ次のような事柄です。
・買いたいもの
・新しい発見
・読んでいる本
・学んだこと
・今日の天気
・観たテレビ番組
・気になるニュース
書く習慣を身につけると、そこから新たな発見や気づきが生まれます。ぜひ試してみてください。「銀塾・知だらけの学習塾」は。本日でしばらく休載させていただきます。ここまえのご愛読ありがとうございました。
山本藤光2019.01.31

112cut:家族の笑顔と2人の若者

2019-01-31 | 完全版シナリオ「ビリーの挑戦」
112cut:家族の笑顔と2人の若者
――18scene:8月のチーム会議
影野小枝 ビデオ製作会社打ち合わせです。
監督 いいね、いいね。原作者もなかなかやってくれる。若い連中が自発的に企画を立案し、みんながそれに便乗する。チームが一丸となっていることを、バッチリと撮りたいな。
助監督 トドワラ、羅臼岳も撮りたいですね。三角帆の打瀬船もほしいのですが、8月はシマエビ漁をやっていないようです。
製作 仕事、日常、家族団らん。この作品は、結構幅広いので、撮りがいがあるな。
監督 たくさんの教材ビデオを手掛けてきたけど、こんな風なカットを撮るのは初めてだ。中里にはよい勉強になりそうだな。
助監督 家族の笑顔と、2人の若者の満足げな表情を、自然のなかでアップにします。
監督 できれば花火をエンディングに使いたいな。原作者を説得できないですか?
製作 ムリだ。絶対に妥協してもらえない。
監督 そうだろうな、原作者は偏屈な人らしいから。

271:詩織の朝

2019-01-31 | 小説「町おこしの賦」
271:詩織の朝
 午前六時。いつものように、詩織は目を覚ます。詩織は二人の子どもと、布団で寝ている。恭二はベッドである。詩織はそっと起き上がり、リビングへと向かう。黄色いカーテンは朝日を受けて、オレンジ色に染まっている。
 カーテンを開け、窓を全開にする。ひんやりとした風が入りこんできたが、刺すような冷たさはない。コーヒーを湧かし、渡り廊下を通ってホテルへ向かう。フロントには人影はない。ドアボーイが一人、ロビーにいた。「おはよう」とあいさつを交わし、北海道新聞と釧路新聞を持って自室へ戻る。

 恭二は起きていた。まだ眠そうな目をしている。
「おはよう」
 詩織はいって、新聞を渡す。恭二も「おはよう」と返す。詩織はコーヒーを運んできて、恭二の向いに座る。お互いに忙しく、育児にも追われて、夫婦水入らずの時間は朝のこの瞬間しかない。
「麗奈先生がいっていたけど、明里(あかり)は年中組では、一番みんなにやさしくしているんだって。きっと恭二に似たんだわ」
「おれ、やさしいかな?」
 広げた新聞越しに、恭二はいった。
「やさしいわよ、とっても」

「詩織、釧路市マスターズ軟式野球大会の参加募集が出ている。出場選手の平均年齢が、三十歳以上であることが条件だって」
「やってみたいの?」
「久しぶりで血が騒いできた。勇太と相談してみよう」
「黄金のバッテリーも、おっさんになっちゃって、さびついているのと違う?」
「まだ、やれるような気がする」
 詩織は北大時代の、おれの勇姿は知らない。軟式野球サークルのエースとして、最下位チームを優勝に導いている。

 可武威(かむい)の泣き声がした。詩織はあわてて、寝室へと向かう。可武威を抱き、明里の手を引いて、詩織は二人を子ども椅子に座らせる。
「明里、可武威、おはよう」
 恭二は、にこやかにいった。返事はない。まだ眠いのだろう。恭二は長女・明里の頭をなで、目尻にあった目やにを、やさしく取り除く。詩織とそっくりな、大きな目をしている。
「今日は会議のあと、コウちゃんや勇太と飲む約束になっているから、夕食はいらない」
 そう告げて、恭二は立ち上がる。朝の散歩の時間である。以前は詩織も一緒だったが、子どもができてからは、恭二だけが続けている。

あげあしをとる

2019-01-30 | 知育タンスの引き出し
あげあしをとる
人のあげあしをとるなよ。よく使われる「あげあしをとる」は、相撲や柔道の技に由来しているそうです。
――相手の油断をみて逆につけこみ、これを攻める。これが「あげ足をとる」です。(『つい誰かに話したくなる雑学の本』講談社+α文庫)

小兵力士のほとんどは、あげ足とりの名人です。
山本藤光2019.01.30

T・ウイリアムズ『欲望という名の電車』読むぞ

2019-01-30 | のほほんのほんの本
T・ウイリアムズ『欲望という名の電車』読むぞ
テネシ・ウイリアムズの『やけたトタン屋根の上の猫』(新潮文庫)は、若いころに読んでいます。昨日書店で『欲望という名の電車』(新潮文庫)を発見しました。思わず買ってしまいましたが、活字が小さくて拡大鏡の世話にならなければなりません。電子書籍にもなさそうなので、苦労して読むことになります。「500+α」ではシェイクスピア以外に戯曲をとりあげていません。何としてでもいれておきたい戯曲です。
山本藤光2019.01.30

115:夢を追いかける

2019-01-30 | 銀塾・知だらけの学習塾
115:夢を追いかける
――第10講義:実践する
テレビを観ていたら、いまの日本人に一番欠けているのは「夢」がないことだというセリフが出てきました。同感です。みんな充足され過ぎていて、「夢」など入りこむ余地がないのでしょう。または困窮していて、夢とは無縁の世界にいる人も多いと思います。夢は中間層に与えられた、特権なのかもしれません。ちなみに政治家などの社会的地位の高い人にあるのは、「欲望」です。

ちっぽけな「いま」を謳歌することだけに夢中な学生期の若者。とうに「夢」なる存在すら忘れ去った老齢期の人。どこにも、「夢」のカケラすら認められません。

夢って、45度の角度で遠くを見ると、おぼろげに存在しています。足元には、絶対に転がっていません。毎日コツコツと努力しなければ、到達できないのが夢なのです。

昔は確かに、誰もが「夢」を持っていました。日常の先にある世界を、思い描くことをしていました。若者から夢を引き出してあげるのは、上司や両親、年配者の役割かもしれません。45度に目線を上げ未来を見つめる方法を、多くの人に教えてあげていただきたいと思います。

それが老齢期の人の義務です。だから本人にも、夢がなければならないのです。あなたの夢は、何ですか?