山本藤光の文庫で読む500+α

著書「仕事と日常を磨く人間力マネジメント」の読書ナビ

428:綸言汗の如し

2021-05-26 | 新・知だらけの学習塾
428:綸言汗の如し
――第11講義:知育タンスの引き出しよりすぐり
森友問題で安部首相は、「私や妻の関与があれば首相も国会議員も辞める」といいました。それを受けて自民党元副総裁の山崎拓は、次のようなコメントをしました。

――綸言汗の如し。

山崎拓は何をいっているのでしょうか。わからなかったので、調べてみました。

「綸言(りんげん)」の出典は、孔子の『礼記』 緇衣篇です。
――流れ出た汗が再び体内に戻らないように、一度口から出た君主のことばは取り消せないということ。(明鏡ことわざ成句使い方辞典)
山本藤光2018.03.16

427:ルバーブ

2021-05-22 | 新・知だらけの学習塾
427:ルバーブ
――第11講義:知育タンスの引き出しよりすぐり
昨日の朝日新聞に「ルバーブ」という食用植物の名前がでていました。知らなかったので家内に聞くと「ジャムとかにする」と答えました。日本でも寒冷地で栽培されるようになったそうです、カナダが舞台の『赤毛のアン』では、食欲のない老婦人にアンがルバーブのゼリーと届ける話があるそうです。
山本藤光2018.08.28

426:理容院のシンボルマーク

2021-05-21 | 新・知だらけの学習塾
426:理容院のシンボルマーク
――第11講義:知育タンスの引き出しよりすぐり
ホーソン『完訳・緋文字』(岩波文庫)を読んでいて、次のような記述に出逢いました。

――西洋医学では近代医学が登場するまで、理髪師が外科医だった。理容院、美容院のシンボルマークは、それぞれ包帯、動脈、静脈を表している。

調べてみました。
中世のヨーロッパでは、瀉血(しゃけつ)をすることが健康のためと信じられていました。これは血液を抜く療法です。これを担っていたのが、理髪師である外科医だったのです。とんでもない時代があったものです。
山本藤光2017.12.28初稿、2019.04.04改稿


425:よんどころない

2021-05-17 | 新・知だらけの学習塾
425:よんどころない
――第11講義:知育タンスの引き出しよりすぐり
谷沢永一の著作は好んで読みます。とくに『知らない日本語・教養の試される341語』(幻冬舎文庫)は、机の上の特等席においてあります。引っ張り出しては、エイヤーでページをめくります。
本日は「よんどころない」に遭遇しました。よんどころない理由で、今回は欠席させていただきます、などとよく用いる用語です。
谷沢永一はこの単語と、「のっぴきならない」を並べて解説しています。

――気が進まないけれども、定期預金をおろせば当座はしのげるのが「よんどころない」。定期預金が底をついた状態が「のっぴきならない」といえばいいだろうか。(同書P272)
山本藤光2017.12.16


424:よろめき

2021-05-10 | 新・知だらけの学習塾
424:よろめき
――第11講義:知育タンスの引き出しよりすぐり
文筆家がつくって、定着した言葉はたくさんあります。すでに菊田一夫の戯曲「がめつい奴」(昭和34・1959年)から「がめつい」という言葉が生まれたことを書きました。「よろめき」も有名作家の造語です。誰だかわかりますか? 若い人妻の不倫を題材にした三島由紀夫『美徳のよろめき』(昭和32・1957年)からとのことです。(「日本語語源辞典」を参考にしました)
「よろめき」は最近では死語に近いですね。代わりに「一線を越える」が浮かんできました。
山本藤光2018.11.26

423:夜なべ

2021-05-01 | 新・知だらけの学習塾
423:夜なべ
――第11講義:知育タンスの引き出しよりすぐり
サトウハチロウ作詞の「母さんが夜なべをして……」の「夜なべ」には、3つの語源説があります。漢字では3様ありますが、「夜鍋」しか変換されません。「夜業」は、農家や家内工業を営んでいる家は深夜まで働いていたことから。「夜延べ」は、昼の仕事を夜まで延ばしたことから。そして「夜鍋」は、深夜残業をさせた雇い人や家族に夜食をふるまったことから。(以上は『語源3』青春出版社文庫をまとめました)

私はずっと「夜鍋」と思っていました。しかしサトウハチロウの頭のなかには、「夜延べ」の文字があったように思えます。
山本藤光2019.04.17

422:四つ葉のクローバー

2021-04-24 | 新・知だらけの学習塾
422:四つ葉のクローバー
――第11講義:知育タンスの引き出しよりすぐり
発見したら、幸運をもたらすとされている四つ葉のクローバー。四つの葉に意味があったとは知りませんでした。

――冨、名声、愛、健康

ちなみに三つ葉は「希望」「信仰」「愛情」とされているようです。四つ葉の場合、ここにもう一つの意味を付け加えたのだろうと思っていました。全く別物だったのです。
山本藤光2019.01.31

421:(ご飯を)よそう

2021-04-23 | 新・知だらけの学習塾
421:(ご飯を)よそう
――第11講義:知育タンスの引き出しよりすぐり
礼服に身を装(よそ)おう、という言葉があります。この「装おう」は、「ご飯をよそう」と同義語です。漢字では「ご飯を装う」と書きます。

――「装う」は、したくをする、取りそろえて準備をする、つくろう意味で、つくろう、飾る、または風情を添えるという意味である。(『語源』青春出版社文庫)

「ご飯を装う」は「平家物語」にも登場しているようです。日本人の美意識が感じられる表現ですね。「ごはんをよそう」が、こんなに美しい漢字だとは「予想」していませんでした。
山本藤光2019.04.02


420:揚子江

2021-04-21 | 新・知だらけの学習塾
420:揚子江
――第11講義:知育タンスの引き出しよりすぐり
「揚子江」といえば、中国の有名な大河だと思っていました。しかし中国には、揚子江という川はないそうです。それに該当する中国の川は、「長江(ちょうこう)」だそうです。昔、西洋人が長江を渡っていたときに、「この河の名前は何だい?」と質問しました。ちょど橋にさしかかっており、船頭は橋のことを聞かれたと思って「揚子橋」と答えたそうです。それ以来、中国以外では「長江」のことを「揚子江」と呼ばれるようになったとのことです、(『雑学全書』知恵の森文庫をまとめました)
山本藤光2019.02.04

油断大敵

2021-04-20 | 新・知だらけの学習塾
油断大敵
松尾芭蕉の「おくの細道」に出てくる、山形県の立石寺の灯火。毎朝僧侶の手により菜種油が注がれ一度も消えたことがありません。ここの灯火は、比叡山延暦寺の根本中堂のものを分灯されたものとされています。「油断大敵」の由来は、僧侶が欠かさず油を注ぐ様からきています。もしも手を抜いたら、絶やさずに続いている灯火が消えてしまうからです。
山本藤光2019.01.17