風竿の「人生の達人」烈伝

愛すべき友、仕事・趣味の磯釣り・ゴルフ・音楽、少しの読書などにまつわるあくまで「ヒト」に重点をおいたブログです

春の日楽しいお百笑さんの梅園に宴するの序

2014年03月03日 20時06分49秒 | 風竿日記

中国、盛唐時代の詩人「李白」はその昔「春夜桃李園に宴するの序」という漢詩を書いた。

 

夫天地者萬物之逆旅      夫れ天地は萬物の逆旅(げきりょ)にして
光陰者百代之過客       光陰は百代(はくたい)の過客(かかく)なり
而浮生若夢            而して浮生は夢の若し           
爲歡幾何             歡を爲すこと幾何(いくばく)ぞ            
古人秉燭夜遊          古人燭を秉りて夜遊ぶ          
良有以也             良(まこと)に以(ゆえ)有る也         
況陽春召我以煙景       況んや陽春の我を召すに煙景を以てし       
大塊假我以文章        大塊の我に假すに文章を以てするをや
會桃李之芳園          桃李の芳園(ほうえん)に會(かい)し

序天倫之樂事          天倫(てんりん)の樂事(がくじ)を序す          

現代語に和訳すれば・・・・・。        

いったい天地はあらゆるものを迎え入れる
旅の宿のようなもの。

時間の流れは、永遠の旅人のようなものである。

しかし人生ははかなく、夢のように過ぎ去っていく。
楽しいことも、長くは続かない。

昔の人が燭に火を灯して夜中まで遊んだのは、
実に理由があることなのだ。

ましてこのうららかな春の日、
霞に煙る景色が私を招いている。

そして造物主は私に文章を書く才能を授けてくれた。

桃や李の実ったかぐわしい香りのする園に集まり、
兄弟そろって楽しい宴を開こう。

とまあこんな大意の漢詩であるが、

日曜日はその著名な詩の如くに、若木町の若木ゴルフ倶楽部の前に位置する、

「㈱楽しいお百笑さん」社長の大古場美由紀さんの梅園祭りに出かけた。

愛犬レオンも連れて一家三人打ち揃いての梅見物なんである。

満開の梅にさすがの我が家の老犬も、物想いに耽っている。

そこでは結構な人々が集まっていて、愉しい日曜日の午後を共に過ごした。

我が家のアーチストもピアノなんぞを持ち出してご披露しておりました。

家事に精を出すよりは、ピアノを弾いている顔の方が美しいような気がします。

 

日本の仏教詩人「坂村眞民」流に云えば

鳥は飛ばねばならない

ピアノ弾きはピアノを弾かねばならない

って感じでしょうか・・・・。

窓から差し込む優しい春の光に、怖い嫁さんも心なしか優しく見えました。

お見えになったお客様に、彼女の好きな季節感のある唱歌を弾いてくれました。

 

梅園は宇宙の果てまで続きミサイルもここまでは届かぬ春の仕合わせ

 

ピアノの午後レオンは走りて梅園で自己主張した花弁の下で

 

メロディー低く流るる小さな花弁が合わせて揺るる合唱してゐるみたいに

 

牧歌的な昼下がり、私もまた下手な短歌を謳いました。

花を観に人が集まったのではなく、花が人を呼び寄せたのだと思いました。

あくまで、主語は花なのでありまする。

李白の詩は千年の後、松尾芭蕉の「奥の細道」の下敷きになりました。

月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也

時は一時ですら立ち止まろうとはしてくれないのですが、

来年もまた、妻と愛犬の三人で、美しい梅の花を愛でることが出来るように

日々健康に過ごしたいものだと思いました。

この八重の紅梅のようなお心の持ち主大古場美由紀さんへ、

蒸しパン、葱とても美味しかったです。

お世話になりました。

そしてありがとうございました。

今度は、我が家のさくらんぼ祭りですよ。