風竿の「人生の達人」烈伝

愛すべき友、仕事・趣味の磯釣り・ゴルフ・音楽、少しの読書などにまつわるあくまで「ヒト」に重点をおいたブログです

ちゃらちゃらちゃちゃちゃ

2012年02月29日 23時59分59秒 | 風竿日記

歳のせいだろうか

最近の芸能カルチャーをまるで受け付けなくなった。

例えばAKB48なんである。

幼稚園のお遊戯会でもあるまいし、それがインドネシアへの文化大使で派遣されるなんぞ、世も末だと思ってしまう。

さらにはテレビのお笑いやバラエティー番組の類い、何が面白いのやら一向に理解できない。

観るのは殆どNHK、でないとすればニュース番組

それでも面白くない時はNHK教育を観てしまう。

テレビ゜は日本文化の質を如実に物語っているのだろうが、

最近の世相を反映してか、ちゃらちゃらした番組が多すぎる。

まあ、歳のせいなんだろうが・・・・・・。

   

戦後生まれということで、新人類だの、個の固有の価値観を持つなどと言われてきた団塊の世代2軍の私ですら、そう思うんである。

かくしてAKB48の集団歌唱に接すると

彼女らはこういう風に唄っているように聞こえてくるのだ。

♪ ちゃらちゃらちゃちゃちゃ ♪

♪ 何が何して ちゃらちゃらちゃちゃちゃ ♪

どーんと腸に染み込む歌が一杯あるのに・・・・・・。

歳のせいではあるが・・・・。

さて、うるう年の今日思い出したことがある。

そう、オリンピックの年は鹿島高校22回卒の同窓会があるのだ。

今年は還暦のお祝いも併せてやることだろう。

そこで余興にビートルズをやると約束していたんだった。

その音楽もまた、「ちゃらちゃらちゃちゃちゃ」って聞こえるのだろうか。

 


長く曲がりくねった道

2012年02月28日 22時55分00秒 | 風竿日記

The Long and winding road というビートルズ後期の名曲がある。

私のレパートリーにも入っていて、時折ピアノの弾き語りで唄う。

それはラブソングなのだが、けして平坦ではない人生を示唆している。

しかし、曲がりくねっていて、時には袋小路にぶち当たり、出口さえ見つけられないこともあるから、人生に味が出てくる。

人間力に幅が出てくるんである。

そのことは、順風満帆な高度成長期に大切に育てられた、所謂二代目、三代目のお坊ちゃま経営者には、人の気持ちがまるっきり理解できないのと同じであろう。

 

種田山頭火の俳句に・・・・

「まっすぐな道でさみしい」

・・・というのがあるが、それは一つの達観というよりか、得度出家していた山頭火の諦観というべきなのかも知れない。

     

曲がり角に差し掛かった時が、人生の面白味の踊り場

逆境が人を育てるということ。

そう思えるようになりたいものであるが、凡夫の私たちには中々そう巧くは運ばない・・・・。それがまたいいのである。

この地域には、先日ブログでご紹介した105歳の昇地三郎先生にも引けを取らぬ、スーパーじいちゃん「平野重徳先生」がご活躍である。

     

89歳にしてゴルフのお付き合いもして下さるほど、益々お元気そのものなので嬉しい限りなのだが、先生の長生きの秘訣は簡単明瞭である。

「くよくよせぬこと」

なのだそうだ。長く曲がりくねった道を歩んでこられた先生ならばこその達観なのであろう。

名を為し事を為した人に共通していること、それはまさに自分を捨てていらっしゃること。

共通のモノサシは人のため・社会のためと考えておられること。

ただ意味も無く飯を喰らい、漫然と齢を重ねてきた私。

還暦を過ぎてやっと、少しでも社会に恩返しをせねばと思わされている。

  

それではビートルズの名曲をどうぞ・・・・。


一昔前、バンドの友達の家でこの曲を唄ったことがあった。

そこの奥様はとても心の優しいお方で、私のピアノの弾き語りで涙を流されたのであった。

それはこの曲に真実が塗り込められ、人情の機微がまぶしてあるからなのだろうと思っている。

そして大切なマイ・フェバリット・ソングスの一つでもある。

 

あなたの家へと続く、このくねった道

どんな困難起ころうとそれは貴方の胸に繋がっているのならば

雨が降り続こうと、風が吹き荒れようと耐え切れるのだ

 

 


・・・春がいっぱい

2012年02月27日 23時14分27秒 | 風竿日記

三寒四温とはよく言ったもの。

今日は少し冷え込みました。

スッポンみたいに首が伸びたり、すくんだりの繰り返してあります。

なお、下の息子は縮みっぱなしなのですが・・・・。

Facebookすっかりほったらかしにしてましたが、少しづつ始めてみることに致しました。

今までは友達リクエストにただ応えるのみでしたが、頂戴したメッセージを返すまでに成長。

携帯を待ち始め、インターネットからメールそしてブログ、ワンセグ、youtube、ツイッター、i-pad、i-pod、スマホにU-stream果てはfacebook、まったくこの世はどこまでいくのやら・・・・。

でもリアルタイムには仕事柄反応できません。スマホではないので、まあいたしかたあり、ませんが、それでいいと思っています。

さてね、こんな寒い夜には一足早く春を呼びたいものです。

先週の金曜日武雄市の中枡旅館の中庭で、紅梅がいち早く咲いてくれていました。

わずか5坪ほどの中庭の春を見つけて、少し嬉しくなりました。

大好きなインストメンタルの曲に「春がいっぱい」という曲があります。

毎年この時期に一足速い春気分を愉しむためにアップしておりますが、どうやら今年もその時期に・・・・・・。

Youtubeで見つけたどこかのバンド・・・セミプロみたい


案外上手いんであります。

この曲バンドでやりたい・・・。もちリードギターは俺バイ。

 


昇地三郎おじいちゃん先生のこと

2012年02月26日 23時31分40秒 | 風竿日記

 

今夜は今夜は、夕方から東日本震災の継続支援Pray for Japan in Takeoのチャリティライブに行っておりました。

何にもたいしたことはできんのですが、それでも継続して支援していくことに意義ありとおじさんバンドも出演

写真はKOZYさん

まあ、それなりの演奏をしてまいりました。

今自宅に帰り着いて、忘れていた携帯をみると山のような電話がかかっていましたが、夜遅いので明日連絡することにしました。

そしてブログを見ると、初めてのお方からコメントが・・・・・。

何と昇地三郎先生のことが紹介してありました。

       

知ってる、知ってる、知っていますとも・・・・・・。

「しいのみ学園」の創設者ですよね。

その昔映画にもなった記憶があります。

お会いしたことはありませんが、いつも友人から耳にタコどころかイカができるほど聞かされておりました。

そしてその古い友人である、伊万里で健常児と障害児の統合保育所を営んでいた、池田克輔園長の師匠でもありました。

         

「折れたるは折れたるまま、まっすぐはまっすぐのまま、コスモスは咲ける」というあの名言を発された障害児教育の大家であります。

まずは先生がどんなお方なのか、私にコンタクトを頂いたお方のYoutubeをどうぞ。


今年105歳になられる先生のブログはここ

長生きの秘訣は「小食」だそうです。さらに30回噛むことだと。

大食漢の私は、どうも長生きは無理なのかも知れません。

福岡市井尻にある「しいの実学園」のホームページはここ

先生は105歳で青春真っ盛りだと・・・。世界中を障害者教育のご講演をして回っておられるそうで、凄いの一言

還暦を迎えて年寄りぶっていた自分が恥ずかしい・・・・。

人々に勇気を与え続けるスーパーじいちゃん、まさに人生の達人

     

あらま・・・ハワイ講演の折のスナップだとか・・・ロイヤルハワイアンホテルの前のプライベートビーチですね。

ボクもここで写真を撮ったけど、美女はいませんでした。100歳を超えてこんなイキな写真に納まるなんて凄すぎます。

少しでも見習わねば、少しでも先生のお手伝いをせねばと思わされました。

 

さてさて、コメントを頂いたKiyonさまありがとうございました。

 

 


生きるといふこと

2012年02月25日 22時40分29秒 | 風竿日記

可もなく不可もない土曜日でありました。

一歩も外に出ないと決めて、事実その通りの一日を過ごしました。

怠惰というか、完全休養というか、そんな幸せな一日でありました。

すなわち、少なくとも誰にも迷惑をかけず、静かな一日を過ごせたこと

これは意外と大切なことであると思ったのです。

食物を摂ることは仕方が無いにしても、

生きるということは、即ち誰かにお世話になること。

一人では、米の一粒も、パンツの一枚すら作れないんですからね。

朝7時に起きて、お粥とメンタイ

昼は即席ラーメンとアジの干物におにぎり

夜はほうれん草、ウインナーのバター炒めとカレーライス

怠惰と申しましても喰うことだけはちゃんと・・・・。

後は部屋でゴロゴロしつつ、ギターを弾いたり、ゴルフ番組を観たり

そうそう、私には極めて珍しいことですが、久しぶりにNHKのドラマスペシャルを観ました。

渡辺美佐子さんの演技が枯れていて素晴らしかった。

柄にもなく一杯泣きました。

これが私の本日のささやかな「生きるということ」でありました。

うん、まさに可もなし不可もなしではあります。

しかし、考えようではとても贅沢な一日でもあります。

平凡な、くだらない、非生産的な、今日の天気のような、はっきりしない、気ままな一日の素晴らしさ。

何にもしないという本当の休日

「平凡な中の非凡」。味わい深いものがあります。

 

同名の歌をご披露して今夜のブログを終えたいと思います。

 

 


マー坊ちゃんのメモリーデイ

2012年02月24日 23時59分59秒 | 風竿日記

昨年は私の還暦でありましたが、その後もぞくぞくと還暦のテープを切る人々が・・・・・。

中林雅之さん、通称マー坊、永島区の主であります。

人の面倒見が良く、誰からも好かれる人柄は人後に落ちません。

そして還暦を迎えた今も、若々しい・・・・。ハンサムおんちゃん。

日曜日の正午、彼のお祝いの宴は始まりました。

式は、ごくごく親しい近親者のみで相営まれたのであります。

おっと、哀しい式ではなく、心の篭ったお祝いの内宴

ゴルフ会の仲間、居食亭豊の呑み仲間、区の役員仲間

色んな人がお祝いに駆けつけて盛大に催されました。

人脈の広い彼のことなので、還暦パーティはまだまだ複数開催されるのでありましょうが、

心の込められたプレゼントに囲まれて、自分の人生の通過点とは申せ、祝っていただくのは嬉しい限りなんであります。

若い頃は武雄ん街で裸踊りの天才とまで云われた彼も、最近は歳のせいか、随分と品行方正におなりになった・・・・。

この色紙も心が入っています。

世界に一つしかない贈り物

贈るお方のセンスが光りますが、これは全員からの記念品。

仲間・友人・はらから、チングウ、朋輩、

有難いものであります。

そしてそんな中に私も参加できて嬉しかった。

この後も場所を変えて呑み続け、祝宴は夜中まで続くのでした。

マー坊ちゃん還暦おめでとうございました。

体を大切にして、永島区のためにご活躍下さい。

それと、いつまでも中年おばさん達のアイドルでいて下さい。

 

 

還暦は 冥土の旅の一里塚 めでたくもありめでたくもなし

 


ビートルズのレアな音源?

2012年02月23日 23時26分04秒 | 風竿の音楽夜話

今夜はYoutube surfinをやっていて、あのビートルズの貴重な音源らしきものに遭遇しました。

ピーターとゴードンの「愛なき世界」のデモ音源?もありました。

これは私のブックマークにもある「温泉deビートルズ」のブログにアップしましたので、興味のある方はそちらをお訪ね下さい。

私はこの曲にとても惹かれました。おそらく45年前位の音源?なのでしょうが、とてもクリアに録れています。

しかし、古いものにしてはステレオ録音されていて????

ビートルズの音源はアンソロージーで出尽くしたと思っていたら、まだこんな超レアものがあったのですね。

しかしちょっと何か違うような・・・・・・。でもジョンの声ようでもあるし

どちらにせよ・・・・・。

ビートルズフリークとしてはとっても幸せなことでございます。

では、その歌を・・・・・。


コーラスも巧い。さすがです。

 

本当はこれが本家なんであります。

<!-- The Beatles - Like Dreamers Do  -->

ところで、東日本震災支援のチャリティイベントが今度の日曜日にINPUTさんで開催されます。

わが最年長バンド「WEST WINDS」も出演します。

今回はバラードも歌います。

是非遊びにおいで下さいませませ。


水ぬるむ

2012年02月22日 23時59分59秒 | 風竿日記

雨模様の日々ですが、気温が驚くほど上がってきました。

雲や空の色も心なしか明るさが増してきて、春はちゃんと、もうすぐそこまで、やってきてくれています。

先日、友人が館長兼配達人兼厨房作業員兼便所掃除係りを勤める「よしだまんぞく館」に出向くと、フキノトウがたくさん並べられておりました。

待ちに待った春はすぐそこまで・・・・・。確実にやってきていることを実感できる頃となりました。

水が実にやわらかい穏やかな色をしています。

いわゆる「水ぬるむ季節」という日本語の美しい響きを胸に、時々襲い来る冬将軍の抵抗に首をすくめながら、

春の訪れを心待ちにしています。

日曜日は、ケアホームに居る母にそのフキノトウを見せてあげ、肩モミを15分の親孝行でありました。

ケアホームの病院のベッドのような母のワン・スペースにも、柔らかい日差しが差し込んでいて、80歳を超えた彼女は、まるで少女のように屈託なく笑うのでした。

 

みずぬるむやはらかりしも母はただ ホームの中の籠の鳥やも


アクセス

2012年02月21日 22時57分23秒 | 風竿日記

風竿の「人生の達人」烈伝

ブログの開設から 1054 日
 
2月12日のアクセス数
閲覧数:1,717PV    訪問者数:570IP
順位: 910位 / 1,682,968ブログ中 (前日比  

 

こんなアクセスの状況が続いている。というのもアクセス記録が上のフォーマットで毎日報告されるんであります。

ランキングが三桁アクセスってのも時々あるんですが、やっぱ嬉しい。

全国で168万人の人がこのgooブログをやっている中で、910位というのは実に有難いことなんであります。

げいのぉ人でも無い初老のじいさんブログとしては、まったくもって光栄の極みなのですが、かといって世間様のお役に立っている訳でもないので、特に自慢することでもありません。

ただ、日常生活において一日にこれだけのお方とは到底お会いすることは出来ませんし、電話で話すのも不可能・・・・。

そんなことを思うときに、ご縁の有難さを噛み締めるしかないんであります。

    

さて、全国にゴマンといらっしゃるブロガーの皆さん、

最近face bookに押されがちではございますが、私たちは完結型のブログという情報発信媒体が性にあっているのですよね。

外に向かう日記たるブログ、今後も大切に刻み込んでまいりたいと思います。

 

 


冬のライオン

2012年02月20日 23時59分59秒 | 風竿日記

職場の倉庫と車庫の間にわずかな空き地がある。

人が4人位辛うじて入れるほどのスペース。

そこは、どこからも見えない死角となっていて、

広い職場の中でも比較的分かりにくい場所なのである。

午前中の定例会議を終えて、車の中に置き忘れてきた手帳を取りに駐車場に行くと、その小さな空き地に人影が見えた。

今朝はとびきりつきの寒さであったので、一体こんなところで何をしているのだろうとまず、疑問が走った。

それから、金融機関のこと故、当然防犯上もよろしくない。

倉庫に放火でもされたら、それこそ一大事なんである。

一瞬その少年と目が遭ったが敢えて知らんふりをしながら、しっかりと観察する。

中学生か・・・・・・・。華奢な体つきである。

着ているものも普通で、別に突っ張っている風でもない。

この男子は悪い子ではなさそうだ。直感的にそう思った。

でも、学校はどうしたのだろう。

まあ、うちの敷地は誰でも自由に往来して、子供もよく遊んでいたりするので、敢えて咎める必要もなしかと・・・・とりあえず妥協点を見出す。

底冷えの寒さもあって、その場から立ち去ろうとした。

君子危うきに近寄らずなんである。

    

事務所への階段を上がってから、振り返りざまにもう一度見ると、まだ彼はそこに居た。

寒いのだろうサッカーボールを壁に向って蹴り続けている。

と同時に、警察官がバイクに乗ってキョロ、キョロと回りを見回しながらやってきた。

すぐそこに少年が隠れているのに・・・・・。

やがて警察官はゆっくり遠ざかって行った。

   

ははーん・・・・。

これはあの少年を捜しているのに相違ない。

何かやらかしたのだろうか・・・・・。

犯罪を犯しているんなら、これは看過出来ないぞと、迷った挙句に、結局は通り過ぎていった警察官の後を追った。

子供は社会の宝、みんなでちゃんと育てなくてはならないと、正義の味方のおせっかいが始まる。

300mも歩くと、くだんの警察官を見つけることが出来た。

「少年をお捜しなんでしょう。実はうちの駐車場の小さな空き地に、それとおぼしき少年が寒そうにしてるんですが・・・。」

「昨日から家に帰らず、ご両親から捜索願が出ています・・・・。」

何のことはない、通報者、第一発見者なんである。

すると警察無線で本署と連絡を取り始めたので、私は寒いこともあって役割は終えたとばかりに事務所に戻ることに。

戻り際に少年の隠れ家を見ると、まだちゃんと居たので、安心して仕事に戻ろうとしたのだが、気になって仕方がない。

補導されるんだろうか・・・・。

可哀想なことをしたと後悔の念が湧いてくる。

     

しばらく階段の踊り場から高見の見物をしていたのだが、警察官は一向に現れないんである。

そのうち、少年が気配を悟って逃げ出さぬかと心配になる。

逃げ出せば彼はまた寒空の下、孤独な時間を過ごすのである。

ここは大人として、彼を保護してやらねばと決心した。

寒いので熱いお茶を飲ませてやろうと思い、湯飲みにすずれんばかりのそれを零さぬよう、注意深く持って彼のアジトに行くとそこには誰も居なかった。

ありりゃ、寸での所で逃げられたのかと落胆しつつ、駐車場の裏手に回ると、さっきの警察官から腕を掴まれて下を向いた少年が居た。

可哀想になり、お茶を勧めると、昨日から何にも食べて居ないという。

夜も軒下でやり過ごしたという。

昨夜はとびきり寒かった筈だ。零下を下回った筈。

見るとトレーナー一枚。

胸が痛む。

事情を聞けば、親から怒られて堪らず家を飛び出したのだという。「寒かったろう・・・・。」つい切羽詰まった言葉が出る。

そこには幼い頃の母親の愛情に飢えていた私が居た。

    

やがて警察のパトカーが現場に直行、同時に父親が心労に肩を落としながら駆けつけた。

捜索願いが出されていますので本署まで来て貰い事情聴取をします。

パトカーに乗せられそうな少年を引きとめ、

「何もそこまでしなくとも、ここでいいではないですか・・・・。」

警察署まで連れて行かれたという記憶は彼の人生にどういうモニュメントとなるのだろうかと危惧した私は、息巻く若い警察官を制した。

「バカタレが人に迷惑ばかけてから・・・・。」父親の叱責を

私は少年の肩を抱きしめて庇いながら・・・・

「皆んな、はがいいことばかりの世の中バイ。おじさんもはがいかことばかりやけど、我慢して頑張っているとバイ。」

「お父さんも心配して寝とらっさんとばい。君も寒かったろうが、親も心の寒かったとバイ。少しは我慢して頑張らんばいかんぞ・・・。」

少年は申し訳なさそうな顔をして、泣いた。

ただ泣いた。

 

よしよしそれでヨカ。誰にでも家出はあることたい。

 ライオンは厳しい冬を乗り越えて強いライオンに育つのだ。

心からそう思った。