かって、「ワン・ファイン・デイ」というポピュラーソングがあった。
カーペンターズのバージョンが一番秀逸であったので、それをご紹介して話を進めてみたい。
私のOne は文字通り犬が吠える「ワン・素敵な日々」と和訳する。
相棒の愛犬レオンはその後、術後の経過もよく、家の中を脱兎のごとく走り回り、すっかり元気になってくれていた。
8月後半に脾臓に大きな腫れが見つかり、9月初旬に山口大学動物医療センターで摘出手術を受けていたのだが、何とか元気を取り戻し、10月は元通り平穏な日々を送っていたのである。
家族同然とも云うべき愛犬との普通の生活が、いかに有難いものかと痛切に感じていた幸せな10月であった。
ところが、この8日の日曜日の午後、頭を縦横斜めに頻繁に動かすので、おかしいとよく見たら目が回っているような素振りなんである。
これはいかんと月曜になって動物病院に駆け込むと、前提障害の恐れありとの診断
まずは眼振を止めねば脳がおかしくなってしまうということで、この日注射を7本も打たれた。
ステロイド系の薬を投薬されて、微睡むことにより少しは楽になったのか、目が回る状態の眼振は収まってはきたのであるが、歩くと首を左に傾けながら、足がもつれてすぐに転んでしまう。
本人は必死になって歩こうとしているのだが、歩けない。
思い余って「クン、クン、クン」と鼻にかけて泣くのが可哀そうなのだ。
悔しいに違いないのだが、本人は自分の身に何が起こっているのか判らないのが本当だろう。
脳梗塞の恐れもあるので、主治医に駆け込もうとしたが、日曜当番医の代休で月曜日はお休みなんであった。
困り果てて違う病院の門を叩いたのだが、待つこと、待たされること・・・・。
それでも診てもらえたから良かったものの、飼い主からすれば本当に心細かった。
今年14歳となる老犬ゆえに、この先は介護の日々が待っていることであろう。
これまでの「ワンちゃんのFine Day」がいかに素晴らしい日々であったのかと、しみじみ思わされているが、これまで十分に癒されてきた私。
これからは私が彼に恩返しをする番がやってきたのだ。
終末医療に通じる道かもわからないが、愛犬の立場に立ってモノを考えていかねばなるまい。
彼が我が家に初めてやってきた日のことを昨日のように覚えている。
私の両手の中にスッポリ納まってしまうような子犬であった。
歳月のスピードは実にあっという間、そして無常に速いものだ。
歳月は犬を待たずである。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます