拙者とて経済人のはしくれ、滅多なことは申さぬが・・・・・
日本の経済の実態を踏まえると、ただちに原発停止などという理想主義者みたいな考え方や発言はどうか・・・・と思ってきた。
経済はまずコスト計算ありきの上に成り立つものだ。
それに、60年もうまく付き合ってきたではないか・・・・。
安定的でCO2も発せない、夢のエネルギーだと思ってきた。
それもこれも、原子力は安全ですと教えられてきたからである。
しかし、あれだけの事故が起きて、今も尚、手がつけられない状態なのだから、政府が言うように、
代替エネルギーに移行できるまで、時間を掛けて廃炉に持っていくべきだと考えていた。
原発の経済効果で運営されている自治体もあるのだから・・・
そこで生活している人もあるのだから・・・・
それが大人の常識なのだと・・・・。
ところが、最近NHKのニュースを見て驚いた。
原子力発電のエネルギーを放出後の核廃棄物(原発のゴミ)は、頑丈なガラスの容器に入れて保管するのだが、
その危険が薄らぐには、今後10万年もかかり、それは人間の原型といわれるネアンデルタール人が生きていた時代に遡るというのである。
それまでは、やっかいな危険物として、地球上で処理できず、ただ埋めるしかないのだと。
人間は最終的には、原子力の放射性物質をコントロールできないのだというんである。
人間がその放射性ゴミに近づいただけで、僅か10秒でコロリと死ぬのだと。
現在の原子力発電の放射性ゴミは、行く先も決まらぬまま、仕方なく地下に保管されているのだという。
日本は勿論のこと、原発を設置している国はどこでも・・・・先進国たるアメリカ然り、フランス然りだというのだ。
便利さとを引き換えに、地球が嫌がることをやってきたというんである。
そんな無責任なことでいいものか・・・・。
そこで、考え方を改め、ただちに廃止に向わねばならないと思わされている。
小泉元首相はあまり好きではないが、まさに
考えを改むるに憚ることなかれ
である。
過去の恩恵の上に私達の文化的な生活や、経済発展があったのなら、それも含めて反省すべきであろう。
そして人間の尊厳と叡智を今まさに結集すべきである。
友好国トルコに、いくら国益とはいえ、そんな恐ろしいプロジェクトを売り込む場合ではなかろう。安倍君よ・・・・。
けして、格好つけて言うのではないが、世界に例の無い、唯一の被爆国として、原発廃止を速やかに宣言して、核廃棄物の処理を真剣に議論すべきである。
原発の利権に群がり、臭い物に蓋をしてきた自民党政権も、もはやこの問題を避けては通れないと思う。
かと言って今更民主党もあり得ないけどね。
