北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない
「そうだったのか現代史(池上彰著・集英社文庫2007刊/2000版の文庫化)」を読んだ。池上彰(いけがみあきら1950生れ)氏は、慶応大学(経済学部)卒、1973NHKに入局し、2005退職後は、フリージャーナリストとして活躍している。著書も多い。名城大学、東京工大、東大などで教授を務めてもいる。------
「そうだったのか現代史」はシリーズ本であり、“現代史パート2/日本現代史/アメリカ/中国”と出版されている。------
池上彰氏はNHKで週刊こどもニュース(1994~2005)のお父さん役を11年間務められた。その時、子どもに世界の大人のニュースを分かり易く伝える技を習得された。現在TVのキャスターもされているがどの番組もとても分かり易い。子どもだけでなく大人でも十分に楽しめるのである。-------
「そうだったのか現代史」では、戦後世界を形成してきた重大な歴史的事象を、池上彰氏の独断と偏見で選び出し、18章に亘り解説しているのだ。“湾岸戦争”、“冷戦”、“ドイツの東西分割”、“スターリン批判”、“中国と台湾”、“朝鮮戦争”、“イスラエルの誕生”、“キューバ危機”、“文化大革命”、“ベトナム戦争”、“ポルポトという悪夢”、“ソ連の崩壊”、“ベルリンの壁”、“天安門広場事件”、“基軸通貨ドル”、“OPEC(石油輸出国機構)”、“EU誕生”、“旧ユーゴ紛争”------
池上彰氏は、思想的には中立に見えるが、弱者に寄り添う視点をお持ちであり、TVを視聴していると庶民の目線を大事にされているようにも見える。子どもに分からせるにはとことん噛み砕いて説明しないとだめだから、苦労されたのだろうが、子どもに分かる論法は政治であろうが、生活であろうが何にでも強力に作用するのだ。ダメなものはダメと云える池上彰氏は弱腰の男性評論家とは一味も二味も異なりその点でも強いのだ。忖度ばかりしているコメンテーターには絶対に無理だろうと思った。