奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1363)

2020-05-17 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「養老孟司ガクモンの壁(日経ビジネス人文庫2003刊/初出1998.1)」の“第5章「視覚の不思議/脳の不思議(田中啓治との対談)」”を読んだ。養老孟司(1937~)氏は言わずもがな、“バカの壁(2003)”をヒットさせる直前の唯脳論学者である。田中啓治(たなかけいじ1951生れ)氏は、1973阪大(基礎工学部生物工学科)卒、同大学院修士課程修了。NHK放送科学基礎研究所/理化学研究所研究員を経て、1997.10より理化学研(脳科学総合研究センター)グループディレクター。専門は脳科学/一貫して大脳視覚連合野における情報処理過程の研究。現在は理化学研(脳神経科学研究センター)チームリーダーである。-----

田中啓治氏は次のように自身の研究について言及している。サルを使って視覚連合野での情報処理を研究してきた。連合野と云うのは大脳の感覚野から入ってきた感覚情報を処理して統合し、動物にとってより意味のある情報を取り出し概念と云ったものを作り上げる。そしてそれを記憶しその記憶に基づいて行動を決め行動の計画をつくっていくという大事な機能を中心的に担っている。-----

“似ているとはどのように決めているのか”、と養老孟司氏は質問する。田中さん自身の側頭葉の中がサルと同じだから、サルもそれを“似ている”と判断しているのではないか。極めて物理的に云えば、正面の顔と横顔は全く似ていない。だけどそれを似ていると云う。ということは私たちの脳の中では、サルの脳と同じように、この二つの判断の機能が近くに集まっているということではないか。脳の研究で一番問題になっているのは、その“似たような”ということに、脳以外の根拠が果たしてあるのだろうかと云うことなのです。-----

AI(artificial intelligence人工知能)はかなり発達したが、依然として本物の脳の機能については未解明である。未だ未だ手探りの研究が続くのだろうと思った。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする