奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1359)

2020-05-13 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「養老孟司ガクモンの壁(日経ビジネス人文庫2003刊/初出1997.8)」の“第9章「脳の中に心を探る(百瀬敏光との対談)」”を読んだ。養老孟司(1937~)氏は言わずもがな、“バカの壁(2003)”をヒットさせる直前の唯脳論学者である。百瀬敏光(ももせとしみつ1957生れ)氏は、弘前大学卒、東大大学院(医学系研究科)博士課程修了、博士(医学)取得。マルセイユ大学医学部付属病院勤務後、東大(医学部)助教授/准教授。専門は神経科学/放射線医学。現在は2017より国際医療福祉大学教授である。-----

百瀬敏光氏は、MRI(核磁気共鳴装置)やPET(陽電子放射断層撮影装置)を使って脳の中の活動部位を特定したり、グルコース(ブドウ糖)の脳内代謝の様子を調べたり、養老孟司氏曰く博物学的に様々なデータを採取している。法則性は今のところ何ら発見されていないのだ。それでもめげずに脳科学の発展に期すべく活動している。MRIやPETは各種の病理現象の病巣を特定するための道具としてはレントゲンを超えて活躍している。だが、脳内の活動をさぐり心の在り様を探る研究では、まだまだ役に立つところにまでは達していないようだ。------

養老孟司氏は母校の助教授を対談相手にして、ご満足の様子であり、夢の研究に使えるのではとか、臨死体験/植物人間状態の患者の脳の話などを持ち出したりして、楽しく対談をされているように思えた。どう役に立つのか分からない段階の方が、期待が大きいというか夢が膨らむと言うか、前途洋洋に見えるから、励ましかどうかわからないが、養老孟司氏の激励が続くのである。------

今のところ、数学を解く際に女性脳の方が男性脳よりも血流量が多いとか、IQは年齢と共に低下するとか、あまり役立たないような研究事例がみられる程度で、脳科学はまだまだ未開/未熟だと言う。

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