奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1358)

2020-05-12 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「養老孟司ガクモンの壁(日経ビジネス人文庫2003刊/初出1997.10)」の“第10章「人が言葉を習得するとき(正高信男との対談)」”を読んだ。養老孟司(1937~)氏は言わずもがな、“バカの壁(2003)”をヒットさせる直前の唯脳論学者である。正高信男(まさたかのぶお1954生れ)氏は、1977阪大(人間科学部)卒、1982同大学院(人間科学科)博士課程修了。対談時は京都大学(霊長類研究所)助教授。専門は比較行動学(ゼロ歳児が言葉を話し出すまでの本能/学習を研究テーマとしている)。現在は、京都大学(霊長類研究所)教授である。------

対談のテーマは、人間の言葉の習得と生来の認知機能障害はどのように関係しているかと云う点についてであり、それを突き詰めると、脳の仕組みが分かってくるというものである。聴覚障害者の手話と読唇術の話であるとか、右脳左脳と運動系の話であるとか、多岐にわたり対談は熱を帯びる。------

養老孟司氏の次の話が面白かった。“人間は何かが欠けていると、似て非なる能力で補おうとする。無理して補うから似て非なる能力本来の機能も非常に高くなる。だから才能のある人はほとんどどこか欠けている”、“初めはやっと社会生活に適応していくのだが、ある段階を越えると無理して伸ばした能力だけを素直に動かしたら儲(もう)かるのではと気がつく。それが才能の発現だ。実際天才と云う人はある年齢までは大体駄目でしょう。エジソンなど良い例だ”------

養老孟司氏が活発に自論を話される場合は、対談相手を気に入っておられるように思った。

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