奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1361)

2020-05-15 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「養老孟司ガクモンの壁(日経ビジネス人文庫2003刊/初出1998.9)」の“第7章「ナメクジで探る嗅覚の秘密(木村哲也との対談)」”を読んだ。養老孟司(1937~)氏は言わずもがな、“バカの壁(2003)”をヒットさせる直前の唯脳論学者である。木村哲也(きむらてつや1960生れ)氏は、1984岡山大学(理学部)卒、1989同大学院博士課程修了、三洋電機(筑波研究所勤務)に入社。2003当時は理化学研究所(脳創成表現研究チーム)研究員。専門は比較生理学。2011より国立長寿医療研究センター(認知症先進医療開発センター室長)に務めている。-----

木村哲也氏は自身の研究について次のように云う。私がナメクジの嗅覚系を調べているのは、能動的に外部の信号に定義を与える機能についてである。ナメクジを選んだのは神経が比較的単純であり、嗅覚系の学習能力が高いことが知られていたからだ。7~8年研究してきて、ナメクジがどのように“におい”を記憶し認識しているかがだいぶ分かってきた。------

養老孟司氏は、ナメクジに興味を持たれて、種々質問をされている。木村哲也氏からの回答は養老孟司氏を納得させるわけではないが、そこが研究の先端の彩(あや)なのだろう。ナメクジの脳の見取り図が提示されたりして、養老孟司氏は解剖学者らしく、ナメクジから分かったことと人間の場合の比較を知りたいと性急な質問をするのだが、木村哲也氏はやんわりと拒否するのだ。噛み合っていない対談だが、それなりに面白い。唯(ただ)、木村哲也氏自身がやがてナメクジの研究の意味合いに疑問を感じられたようであり、後年、別組織で認知症研究などに携わることになったのであろうと思った。

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