奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1368)

2020-05-22 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「養老孟司ガクモンの壁(日経ビジネス人文庫2003刊/初出1998.4)」の“第1章「魅惑のネアンデルタール人(奈良貴史との対談)」”を読んだ。養老孟司(1937~)氏は言わずもがな、“バカの壁(2003)”をヒットさせる直前の唯脳論学者である。奈良貴史(ならたかし1960生れ)氏は、慶応大学(文学部史学科)卒、1988同大学院修士課程修了。1994ボルドー大学理学部博士課程修了(PhD取得)。東北大学(医学部)助手を経て、2001より慶応大学(文学部)非常勤講師。専門は古人類学/ネアンデルタール人類の誕生と消滅に興味を持つ。現在は新潟医療福祉大学(リハビリテーション学部)教授である。-----
奈良貴史氏は、自身の研究を次のように説明している。人類の進化についての学説は2通りある。1980まで主流であったのは、人類は猿人/原人/旧人(ネアンデルタール人)/現代人というように順番に進化したという考え方である。しかし最近では、現代人とネアンデルタール人はともに約10万年ほど前には誕生しており、何万年かは共存していたが、3万年前ごろにネアンデルタール人は絶滅し、現代人だけが残ったと考えられていて、私もその立場に立って研究している。------
養老孟司氏は解剖学者らしく、ネアンデルタール人の頭骨と現代人の違いについて奈良貴史氏と楽しく議論されている。しかし、ここでも人類学の決め手の無さに呆(あき)れて、次のように暴論を吐(は)かれている。非常にマクロに見るとネアンデルタール人と現代人の分化は骨のがっちりした系統とそうでない系統への2極分化というふうに見えるんです。もっと大きく見ればゴリラとヒトが分かれたのだってそういう2極分化ですよね。-----
フィールド調査で一生を終える研究者もいる中で、奈良貴史氏のその後はどうなったのだろうと思ったが、何とか医療業界で教授を続けてこられたようだ。多分ネアンデルタール人からは足を洗われたのであるように思った。

 

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