北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない
「黒田東彦・私の履歴書」について。---------
日経新聞(2023.11.1~)に黒田東彦(くろだはるひこ1944生れ)氏の履歴インタビュー記事が連載されている。---------
黒田東彦氏の様な著名人の連載は/その人物が要職を退(しりぞ)いて数年/政治的影響も略(ほゞ)無くなった頃に始まるのが通例だ。-----------
黒田東彦氏を知らない人は少ないだろうが/その略歴は次の通り。1967東大(法学部)卒/大蔵省入省/人事院留学制度により1969~1971オックスフォード大学(経済学研究科)修士課程修了/元財務官僚。財務官を退官後/一橋大学教授/アジア開発銀行総裁を経て、日本銀行総裁(2013~2023)を務めた。---------
履歴書の記事は未だ始まりの部分だが/既に興味深い。“人の生涯は幼少期の体験が/重要な意味合いを持つ”と云う事例の多いことを/これまで読んできた多くの著名人の履歴書から教えられた。----------
黒田東彦氏の父親は/3男で長男・次男のような教育を受けられなかった。だが/当時の国防に重要であった灯台守の養成所に就き/戦後は海上保安庁に勤務されたとのこと。黒田東彦は物心つく頃/父親の転勤で全国を転々としていたが/小学校5年生の時に東京世田谷に落ち着き/東京教育大学附属駒場中学校・高校に進学し/東大にストレートで入学/司法試験は在学中に合格/国家公務員(上級職)にも難なく合格した。---------
進路に関し/母親から“人を裁けるのか”と問われ/父親から“学者になるにはコネが要(い)る”と忠告され/結局大蔵省を選んだとのこと。履歴書の記事には/何故文系の法学部を選んだのかとの問いには/理学部や工学部に憧れたが/電磁気学を理解し切れなかったからと/本音を述べている。だから面白いのだ。