北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない
「漂巽紀畧(ひょうそんきりゃく)/全現代語訳(ジョン万次郎述&河田小龍記&谷村鯛夢訳&北代淳二監修・講談社学術文庫2018刊)」を読んだ。ジョン万次郎(中浜万次郎1827~1898)は土佐沖で遭難/漂流しアメリカの捕鯨船に救助され、帰国後は、幕府軍艦操練所教授/開成学校教授を務めた。河田小龍(かわだしょうりょう1824~1898)は、土佐藩/絵師で万次郎の事情聴取に当たった。谷村鯛夢(たにむらたいむ1949生れ)氏は、俳句結社“炎環”同人会会長/中浜万次郎国際協会会員。北代淳二(きただいじゅんじ1932生れ)氏は、国際基督教大学卒、コロンビア大学大学院修了、中浜万次郎国際協会会長。-------
この本「漂巽紀畧」の目次は次の通り。“筆之丞ら5人/漂流する話”、“伝蔵と五右衛門兄弟/苦労して帰国を図る話”、“伝蔵たち4人と別れた万次郎がアメリカ合衆国に入り/後に諸洋を航海する話”、“万次郎/伝蔵と五右衛門を促して一緒に帰国を果たす話”--------
裏表紙の抜き刷り文は次の通り。天保12年(1841)、漂流し無人島に居た土佐の漁師5名はアメリカ捕鯨船に救出されハワイに辿り着く。ジョンという名を得て合衆国本土へと向かった万次郎は、西洋近代世界を目の当たりにした。遭難から帰国を遂げるまで10年の顛末を聴取した河田小龍が、鉄道/建築/社会制度/風俗までの見聞を詳細な絵図とともに記録した、無二の史料。完全現代語訳。-------
ジョン万次郎については、教科書にも載っていたので、知っているつもりだったが、この本「漂巽紀畧」を読んで、漁に出た5人の存在も分かって興味深かく、流石、学術文庫だと思った。