北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない
「不安に克つ思考~賢人たちの処方箋(クーリエジャポン編・講談社現代新書2021刊)」を読んだ。クーリエジャポン(courrier Japon)は、2005隔週刊誌として創刊、2016ウェブに移行。ニューヨークタイムズ/ワシントンポスト/仏ルモンド/独シュピーゲル/西エルパイスなど世界中のメディアから記事を日本語に翻訳して有料配信している。そのクーリエジャポンの最新記事を厳選して新書に纏めた。-------
この本「不安に克つ思考」の目次は次の通り。“時代精神の転換(ユヴァルノアハラリ×ルトガーブレグマン/テクノロジーの加速/デジタルの限界)”、“コロナ禍と人間(レベッカソルニット/パンデミック後の災害ユートピア/グレタトゥーンベリ/世界で最も有名な環境活動家という生き方/ダニエルカーネマン/組織の致命的エラーを起こすノイズのカラクリ/バーツラフシュミル/第5の転換を乗り越えるレスイズモア)”、“分断と新秩序(エマニュエルトッド/若者負債を解決するための方法/トマピケティ/バラモン左翼と商人右翼/デイビッドグッドハート/15対50問題/知的エリートと庶民を分断する能力主義/ジェイムズスタヴリディス/2034米中戦争のシナリオ/キショールマブバニ/中国戦狼外交は本当か)”、“資本主義諸問題(ガブリエルズックマン/極端な富は何故作られたか/ショシャナズボフ/私たちの生活を採掘する監視資本主義/マリアナマッツカート/イノベーションを生むアントレプレナー国家/ロバートシラー/市場を動かす物語の経済学)”、“コロナ禍の中で働くと云うこと(リンダグラットン/パンデミック後も残る4つの仕事の習慣/ダニロドリック/ギグエコノミー時代の経済政策)”、“文化という希望(カズオイシグロ/AIロボット時代の私/クロエジャオ/アカデミー賞監督が語る現代ノマドの人生)”--------
混迷の時代にクーリエジャポンに登場する18人の世界の知性/思想家は、それぞれに私見を披露してくれている。読者がそのうちの一人でも成程(なるほど)と得心(とくしん)出来るのであれば、この本「不安に克つ思考」のタイトル通りに、自ら考える際の杖(思考力)を手に入れたことになる。翻訳文なので些か読み難いが内容は面白い。