北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない
「素数ほどステキな数はない~素数定理のからくりからゼータ関数まで(小島寛之著・技術評論社2021刊)」を読んだ。小島寛之(こじまひろゆき1958生れ)氏は、東大(理学部/数学科)卒、同大学院(経済学研究科)博士課程単位取得退学、経済学博士。現在は、帝京大学(経済学科)教授。専攻は数理経済学/意思決定理論。-------
この本「素数ほどステキな数はない」の目次は次の通り。“数学者は素数が大好き/双子素数予想/ゴールドバッハ予想/メルセンヌ予想”、“何故素数は無限にある(ユークリッドマリン数列/4で割った余りでの分類)”、“数列の中の素数(素数を生み出す式/等差数列を成す素数/指数関数で作られる数列/フェルマー数とフェルマー素数)”、“対数関数と素数(素数の個数を表わす関数/偉大なる素数定理/素数を数えるチェビシェフ関数)”、“合同式と素数とRSA暗号~フェルマーの小定理/オイラーの定理(数が社会で役立つ時代/擬素数/ウィルソンの定理/合同式の操作は等式のものとほとんど同じ/RSA暗号を支える原理)”、“順列/組合わせと素数~素数定理への最初のアプローチ(2項定理/組合せ数からフェルマーの小定理へ/組合せ数2nCnの素因数分解)”、“無限和と素数~オイラーの大発見(有限になる無限和/無限になる無限和/エルデシュ分解/双子素数の逆数和)”、“虚数と素数(空想の楽園/複素数/ガウス整数/2次体の整数論が花開く)”、“素数と微分積分(微積分は素数とも相性がいい/極値への応用/テイラー展開と無次元の多項式)”、“ラマヌジャンとベルトラン=チェビシェフの定理~Ψ(X)による証明(ベルトラン予想/異色の天才ラマヌジャン/階乗数の素因数分解/チェビシェフ第2関数を評価する)”、“複素数上の微分積分”、“ゼータ関数/リーマン予想/素数定理”--------
小島寛之氏は、東大数学科から数理経済学に衣替えされている。純粋な数学者の道に進まれなかったのは、天才数学者の素質を持つ学友たちに気後(きおく)れされた過去があるのかも知れない。だからだろうか、一般人に数学の面白さを伝えるべく数学の教養書を多数上梓されている。この本「素数ほどステキな数はない」もその1冊のようだ。