Zooey's Diary

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初サウジアラビア映画「少女は自転車に乗って」

2014年07月30日 | 映画


映画館の設置が法律で禁じられているというサウジアラビアで
初の女性監督ハイファ・アル=マンスールがすべて国内で撮影した同国初の長編映画。

10歳のおてんば少女ワジダは、幼馴染の少年アブドゥラと自転車競走がしたいが
女の子が自転車に乗るなんてとんでもないという国で、母親は取り合ってくれない。
自転車を買うために賞金目当てでコーランの暗唱大会に挑戦することになり、
大嫌いなコーランに必死に取り組むのだが…

サウジアラビアという国のことは
石油の輸出国であることとか、イスラム教の国であること位しか知りません。
この映画で見る限り、戒律は相当に厳しいようです。
女の子は、外出時はへジャブという黒いスカーフで全身を包まなければならない。
家族以外の男と一緒にいてはいけない。
男に顔を見せても、声を聞かせてもいけない。
車の運転をしてはいけない、一人で外出してはいけない等々。
しかしワジダは、へジャブの下にGパンやコンバースのスニーカーを履いたり、
自分の部屋ではロックを聴いたりと、相当に反抗的で型破りな少女なのです。
しかもワジダの家には、大きな液晶テレビやプレステがあり、
近所には近代的なショッピングモールもある。
この辺のギャップがなんとも言えません。



一人っ子であるワジダは、父親にも母親にも深く愛されていて
そこは非イスラム圏となんら変わりはないのですが
男の子を望む父親は、第二夫人を娶ってしまう。
男でないがゆえに家系図に入れて貰えないワジダも母親も激しく傷つく。
ワジダが必死に頑張って勝ち取った暗唱大会の優勝も
保守的な女校長のために、とんでもないことに。
それまでずっと反抗的な娘を非難していた母親が、
最後にワジダに差し出した愛情とは…

去年、強姦被害にあったノルウェー人女性が地元警察によって逮捕され、
禁固刑を言い渡されたのはアラブ首長国連邦であったか。
女子教育の必要性を訴えた少女マララが撃たれたのは、パキスタン。
我々には到底理解できない世界の話ではありますが
しかし、こうした映画を作る女性が現れたということも事実。
この女性監督は、かつてワジダのような少女であったのでしょう。
女性の行動が極端に制限されているこの国で
車の中からトランシーバーで指示を出しながら屋外ロケを敢行したと言います。
そんな女性が次々と現れ、イスラム圏の国が少しでも変わっていくことを願ってやみません。



「少女は自転車にのって」 http://shoujo-jitensha.com/




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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (セレンディピティ)
2014-07-31 23:22:21
こんにちは。
私もこの作品見ました。
清々しくさわやかな感動に包まれるすてきな作品でしたね。
イスラム社会の、特に女性に対する戒律の厳しさには
疑問を感じることも多く、異文化といえどもなかなか尊重しにくいですが
こうした映画を通じて、少しずつ変わって行けるといいですね。
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セレンディピティさま (zooey)
2014-08-01 12:02:28
直球すぎる嫌いはありますが
その分初々しい、よい作品でしたね。
「君のためなら千回でも」「灼熱の魂」「別離」など
イスラム圏の映画を観る度に、胸が痛みました。
これなどは非常に単純で分かりやすく、前向きな作品ですよねえ。
実際に社会が変わるのは難しいでしょうけれど・・・

ところでセレンさんのところにも私、コメントが書き込めないのです。
なんでこうなってしまったのかさーっぱり分からないのですが
暫くお待ちくださいませ(><)
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うん。うん。 (albi)
2014-08-04 08:32:46
面白そうな映画、着目点が好いですね!

以前、船で旅をしたとき、エーゲ海の真夏だというのに
黒い布でお顔やら身体やらを隠した方々がいらっしゃいました。
”暑いだろうなぁ”と思った記憶があります。
しかし、彼女たち宝石類は沢山身につけ、バッグはヴィトンやらシャネルやら・・・
そちらには驚いた覚えがあります。
返信する
albiさま (zooey)
2014-08-05 00:37:03
私も海外のあちこちで
体中すっぽり黒布で包んだ女性を見かけました。
でもその下は
日記に入れた3枚目の写真のようにTシャツやGパン、
あるいはブランド物だったりするんですよね。
それなのに、制約はたっぷり・・・
そのギャップもつらいでしょうね?
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