KOMIのブログ

金井一薫の周辺に起こった出来事や、学会、FN看護研究所関連の記事を紹介します。そして私のつぶやきをお聞きください。

宮城ICNネットワーク・5周年特別講演

2010-07-04 12:32:09 | インポート

Photo 7月3日(土)

「宮城ICNネットワーク」の5周年記念特別講演の講師で、仙台に行ってきました。

司会の佐藤ゆか先生(宮城大学看護学部)とは、昨年東京で開催された「第1回IC研究会」でお会いしました。ICとはInfection

Prevention and Controlの略です。つまり”感染制御”を目的とする研究団体です。

本日のテーマは、昨年東京でお話しした内容と同じで、「ナイチンゲールと感染管理-看護の原理と感染管理ー」です。

このテーマをいただいてから、私なりに『看護覚え書』や『病院覚え書』など、ナイチンゲールの著作をあらためて紐解いて考えたのですが、ナイチンゲールのクリミアでの活動は、一般的に「戦時看護」としてとらえられてきましたが、むしろ「感染対策」「衛生改革」という側面が強かったといえるのではないかと思います。

ナイチンゲールは、戦時の負傷で死亡する兵士よりも、収容された兵舎病院で感染病で死亡するほうがはるかに高いという事実を前に、徹底した感染対策を施し、帰国してからは数値をふまえて独自の統計表を作成したり、報告書をまとめて政府に提出したり、感染対策が可能な病棟を建築するなど、その活動の大半を陸軍病院→一般病院→地域へと広げて、イギリス国内の衛生改革に取り組みました。

その原理は、看護の原理とも一致しており、新鮮な空気、陽光、清潔さ、栄養、管理体制のあり方を含む看護の方向性として示されたのです。この視点は、今日の感染対策に向き合う方向と同じで、看護師は看護の立場で感染制御の活動をすることができるはずです。

ナイチンゲールの感染に関する文章を抜書きして資料として配布し、ナイチンゲール看護の原点をあらためて確認する日と致しました。

このブログの写真は、仙台のものではなく、先日訪れました秋田市の「久保田城跡」の「大手門の堀」に浮かぶヒツジグサです。このお堀には夏になると「古代蓮」が一面に咲くそうですが、今は未だ季節が早かったため、古代蓮と並ぶようにして咲いていた赤いヒツジグサを撮りました。朝の光に輝いてかわいらしい姿を見せています。