アーバンライフの愉しみ

北海道札幌近郊の暮らしの様子をお伝えしています。

女の闘い~桜木紫乃著「凍原」

2013年08月19日 | 読書三昧
本年上期の直木賞を受賞した桜木さんが09年にリリースした書き下ろし長編サスペンス。骨格の確かな、直木賞作家としての素質を垣間見る読み応え十分の作品です。



物語~17年前、釧路湿原で行方を絶った貢少年の姉、比呂は道警の刑事となって釧路勤務となっていた。そこに車のセールスマンが殺害され釧路川に浮かぶ事件が発生する。そして、何故か被害者は青い瞳を持つ青年であった・・・

霧の街釧路を舞台に繰り広げられる物語は、遠くソ連軍の侵攻で混乱する南樺太をルーツに持つ事件であった。同時に、戦後の混乱期をひたむきに生きた女性たちの物語でもある。

ただ、殺人の動機に若干違和感を感じつつも、その時代を逞しく生きた女性像に共感しつつ最後まで一気に読み終えた。(再掲)

他の書評は、こちらでご覧になれます。
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はだしのゲン

2013年08月19日 | ドラミング
昨日、イシカワさんとおっしゃる方から届いた”つぶやき”

イシカワ ?@ishikawakz
”もちろん『はだしのゲン』は、核の地獄を描いた本なので、読むとショックを受ける人もいます。だから、読まない自由と読む自由がいります。どちらにしても図書館からどけてはいけません。”

ご存知のように、島根県松江市の教育委員会が、学校の図書室で閲覧されてきたマンガ「はだしのゲン」を、一部残虐な描写があるからと「閉架」にしたことが問題となっている。



つまり、「・・ゲン」をアクセス不可の書架に収容して、生徒が気軽に手に取ることができなくしてしまったのだ。勿論、貸し出しも受けられない。

確かにこのマンガは、原爆投下後の広島の地獄絵をある程度再現しているし、また、日本軍将兵による中国における残虐行為を告発してはいる。

しかし、そうした「戦争」の実態から子供の目をそらして、どういう人間に育てようというのか? 

戦争の実態を直視し、戦争をよしとしないたくましい子供に育てる必要がある。子供たちの未来に戦争があってはならない。写真は、Amazonから借用しました。

蛇足:図書館自由宣言と毎日新聞の記事です。


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