夢の羅列<猫の生まれた場所>
夢の中で私はどこかとても久しぶりの場所を訪ねていた。
それぞれ3,40坪ほどの家並みが続く住宅街なのだが、
緑がよく目につき、午後の光の中で風までもが憩うようであった。
歩いていると、少しばかりの芝生がある家の前に犬が寝ていた。
ビーグル犬である。
どうやら私はこの犬に見覚えがあるようだった。
記憶よりもずいぶんと齢をとったようだが「知っている」という確信があった。
そんなことを考えていたら、黒っぽい猫がヨタヨタとやってきた。
これも相当に老いた猫ではあったが、
しかし目つき顔つきはまだまだしっかりとしているように見えた。
飼い主だろうか、年配の女性と若い女の子が二人、家から出てきて私に会釈をした。
私は三人に犬と猫を知っているのだと話かけた。
とくに猫については生まれたばかりの、まだ目が見えない時から知っているのだ、
ということをその時にふと思い出して告げた。
すると年配の女性は気がついた様子で、
「向かいのアパートに住んでいた方ですね」と私に言った。
私はその言葉に驚いて、家の向かいのアパートを見上げた。
白い壁のアパートだった。
その2階に私は住んでいたのだ。
二人の娘さんたちも私をなんとなく憶えているようだった。
「あれから19年経ちますからねぇ」
女性が感慨深げにつぶやいた。
おわり。
夢の中で私はどこかとても久しぶりの場所を訪ねていた。
それぞれ3,40坪ほどの家並みが続く住宅街なのだが、
緑がよく目につき、午後の光の中で風までもが憩うようであった。
歩いていると、少しばかりの芝生がある家の前に犬が寝ていた。
ビーグル犬である。
どうやら私はこの犬に見覚えがあるようだった。
記憶よりもずいぶんと齢をとったようだが「知っている」という確信があった。
そんなことを考えていたら、黒っぽい猫がヨタヨタとやってきた。
これも相当に老いた猫ではあったが、
しかし目つき顔つきはまだまだしっかりとしているように見えた。
飼い主だろうか、年配の女性と若い女の子が二人、家から出てきて私に会釈をした。
私は三人に犬と猫を知っているのだと話かけた。
とくに猫については生まれたばかりの、まだ目が見えない時から知っているのだ、
ということをその時にふと思い出して告げた。
すると年配の女性は気がついた様子で、
「向かいのアパートに住んでいた方ですね」と私に言った。
私はその言葉に驚いて、家の向かいのアパートを見上げた。
白い壁のアパートだった。
その2階に私は住んでいたのだ。
二人の娘さんたちも私をなんとなく憶えているようだった。
「あれから19年経ちますからねぇ」
女性が感慨深げにつぶやいた。
おわり。