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夢の羅列<田中ホットケーキ>20170421

2017-04-23 19:48:45 | Dreams
夢の羅列<田中ホットケーキ>20170421


つづき。

二階に上がるとそこはサウナではなく眼鏡店であった。

あれ、ここは私があの男のためにコンタクトレンズを注文した店ではないか。
奥に店長が見えたので、私は近づいて、彼にキャンセルは可能かを尋ねた。

私がせっかくここで代金までを払っておいたというのに、
あの知り合いは勝手に他の店でレンズを買い、しかも代金を私に請求するのである。

私は注文した物をキャンセルするとか、買ってから事情により返すとか、
相手もしくは品物に瑕疵がない場合、そういったことが好きではないので、
大変に気が進まなかったが、
もし店側にまったく損失が出ないのであればキャンセルをしたいと思った。

朝の馬込の国道に散ったレシートの記憶によればたしかレンズ代18000円也とあった。

私はコンタクトレンズがいくらぐらいするものなのかよく知らないが、
夢の中では18000円ということで、しかも都合よく今、店にいるのである。
キャンセルが可能か不可能かを尋ねることは私のポリシーに反するものではなかった。
少しでも相手に戸惑いがあれば、あっさり諦めるとして。

店長は、それでは今調べますと言って、奥のパーテーションの陰に見えなくなった。

待っている間、私は手持ち無沙汰で、ちょうど横にいた知らない客に話しかけた。
若い彼は先ほど視力検査を受けたらしく、その結果によるメガネを買ったという。
それならこれからはよく見えていいね。と私が彼に言うと、

いいえ。ここの店長によると私の視力は矯正が不可能で、
メガネをかけても視力は変わらないのです。と答えた。

「えっ?それなのにメガネを買うのは意味があるのか。おかしいだろ」

「それが、よくわからないんです」

オマエ何言ってんの。よくわからないって。
簡単なことだろ。目が悪い━メガネをかける━よく見える━金を払う。だろ。
見え方が変わらないならメガネがあってもなくても同じじゃねーか。

そうか。あの店長、人がよさそうな顔をして、そういうことやるタイプか。
それなら話が早い。最初からそう言ってくれよ。遠慮がちになるところだったよ。

私は彼が店のカモにされているような気がしてきて、店長が出てきたら問いつめようと決意した。
視力が変わらないのならメガネは不必要で、つまり購入することは無意味ではないか。
店長は見たところ弱そうだし、よし徹底的にやってやろうと私は燃えた。

そこに店長が何かの皿を手に現れた。
サービスのホットケーキだという。
二人で食べてくださいとのこと。

はっ?このひと皿をこの知らない奴と一緒につつけというのか。

私は現実であれば、こんな眼鏡店でホットケーキを出されても食べるわけもないし、
しかも知らない男と一緒にひと皿を食べ合うなど決してしないのだが、
そこは夢の中。まあ袖振り合うも多生の縁というし、私は素直にフォークを手に持った。
切れ端を口に入れるとメイプルシロップがピュアなものではなく、砂糖の味がした。

しかしなんだな。意味のないメガネなんか買わされて、
キミもはっきり断る勇気を持たなきゃダメだな。
などとすでに先ほどの徹底的になどという攻めの気持ちも
シロップの甘さにすっかり失せた私は、
目の前でモグモグしているいかにも生きるのに不器用そうな若い男に
暗に自分のことは自分でやれよ、と諭したりして、
さてこれを食ったらすぐに帰ろうと考え始めていた。

コンタクトレンズも、もういいや。
18000円でこのホットケーキを半分食べたと思えばけっこう面白いだろう。
朝の馬込。売れない商売。アホ面。風に散った数字。そしてホットケーキ。
もうなんでも来いだ。オレはここでフォークを置いて外に出る。そして
通勤の人たちとは逆に歩いて電車に乗って家に帰る。そして
最高のコーヒーを淹れて目を瞑って飲む。そして
今後のオレの未来のフューチャーの計画をなるたけ壮大に偉大に華麗にぶち立てて、
寝る。
目が覚めたらコンタクトも未来の計画も全部きれいに忘れている。
どうだ。完璧だろう。

私が右手にまだフォークを持ったまま、そんなとりとめのない考えを巡らせていると、
なぜか突然、芸人アンガールズの田中?がフォークを手に現れて、
あのいつものグデグデの調子で、
ボクにもケーキをくださーい、と私たちがまだ許可もしないのに食べ出した。

もうなんでもいいやと思っていたところだし、
後は二人にまかせて、よし私は帰ろうと席を立とうとしたら、
田中が食べる度に彼の手の小指の下あたりが皿に触るのが見えて、
「オマエ、皿に手が入ってるぞ」と、まあ本当はもうどうでもいいのだが、
一応、注意した。
いや、注意したというより、目撃したので伝えた、くらいのことであったが、
田中は異常に強く反応し、そんなー。触ってませんよー、とやけに否定した。

だから私も収まらず、
「ほら、オマエよく見ろよ。手にシロップがべっとりついてんじゃん」
私が指摘すると、田中は手を返して、
「あー、ゴメンナサイ。あー、やってしまったー」とテーブルにグデクデした。

……なんだこの夢。

つづく。
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