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20200925 「にごりえ」横浜放送ライブラリー

2020-09-25 19:15:17 | 映画


題「横浜でお茶を買うのを忘れた」

20200925

9/20のつづき。

横浜の放送ライブラリーへ行ったことを書いている。
鑑賞したのは1993年製作(テレビ東京)ドラマ「にごりえ」
「にごりえ」は樋口一葉の短篇小説で、舞台は今の後楽園の近く。時代は明治。
主人公<お力>は店が並ぶ一帯全体の看板のような器量と人気の酌婦である。

<お力>にはつい最近まで付き合いの深い<源七>という馴染み客がいた。
源七はかつては羽振りの良い布団屋を商っていたが、お力の元へ借金を重ねてまで通った挙げ句に店は手放し、今では妻と子供と八百屋の奥の長屋でかたつむりのように暮らしている。妻は内職、自分は力仕事の一家その日暮らし。

しかし源七はお力を忘れられず、だが金もないため、菊の井の裏口から一目だけでも会いたいとお力を呼ぶが、願いは叶わず追い出されること度々。そんな落ちぶれてすっかり覇気も失った夫の姿を見てその原因をよく知っている妻のお初はしかしまだ望みを捨てずに夫を励まし家事内職に勤しむ。

菊の井では、結城朝之助(ゆうきとものすけ)という仕事は何をやっているかわからないが裕福そうで遊び慣れた男がお力の馴染みとなり、お力も結城には心を許し、他の客とは違う態度を見せる。

ある日、お力は結城と外を歩いている時に、源七の子の太吉郎を見かけ、結城にカステラを買ってもらい子に持たせる。太吉郎は普段はお力を見ると「鬼」と呼び捨てるが、菓子には勝てず素直にもらって帰る。

しかし母のお初はそれを見咎めて、悔しさと情けなさのあまり太吉郎から奪い取り投げ捨ててしまう。それをそばで見ていた源七は怒り、お初に離縁を突きつける。お初は太吉郎を連れて出て行く。

ここから先、ドラマでは源七がお力を明確に殺めるシーンを映すが、原作ではそこは曖昧で、ある日突然に源七とお力について「棺二つが町から出た」と書き、死因はお力は斬られ、源七は見事に切腹とある。人の噂話をいくつか連ね、そして人魂のような光が山を飛んでいたとして短い物語は終わる。つづく。

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