夢の羅列<裏新宿>
夢の中で、
私は電車に乗っていた。
通勤とか所用とかではなく、
知り合いが何人も一緒に乗っていたようだから、
何か行楽の帰り途という感じであった。
窓の外を流れる景色にだんだんとビルが増えてきた。
こうなると、あっと言う間に新宿に到着するだろう。
ところが終点間近になって電車の走り方がぎこちないのだ。
ぐっとスピードを上げたり、急にブレーキをかけたり。
まるで車の居眠り運転のような気配であった。
私は3号車の右側窓際、進行方向に座っていたから、
ちょうど右カーブの時に先に曲がってゆく1号車の運転手が見えた。
実際なら見えないだろうが、
夢の中だから、はっきりと横顔が見えた。
目がトローンとしていた。
あれはマズイなあ、と私が思っていると、
電車はなんと道路に出た。
出たといっても、これは既定路線らしく、
最近は、
いや、夢の中での最近の事情では、このようなこともあるらしい。
たぶんこれは京王線なのではないか。
代々木手前あたりで道路に出た我らが電車は、
細い商店街を遠慮しないで走ってゆく。
裏新宿などと題名を書いたが、
そんな呼び名はないと思う。
まあ、なんとなく、だ。
新宿も広いしね。
前方が少し渋滞していた。
最後列に古いスカイラインが停まっている。
しかし電車は速度を落とさない。
「おいおい」と私が口にした途端、
ギューっと電車は急ブレーキをかけて、ギリギリで止まった。
危ねえなぁ。
無事に着けるのかな。
私の心配をよそに電車はまた商店街を走ってゆく。
こんなとこ、あったかな。
最近、新宿も様変わりが激しく、
渋谷もそうだが、
もう、ほんの少し行かないだけで、地下などは迷うほどに
変わってしまう。
そんな感慨に耽っている私の乗った電車は
これからなぜか、なぜか踏切を渡ろうというのだ。
これがこの夢のクライマックスである。
前方に見える踏切はいわゆる盛り土凸状になっていて、
この長い電車が上って、そして下るというのだ。
と私が考えている間に、電車は一気に躊躇なく
「びよーん」とジャンプした。
踏切で正に踏み切ったわけだ。
そしてまるでスローモーションのように滞空した。
裏新宿の町並みを上から見渡すこの臨場感。
このリアルさはもう夢じゃないな。
それにしても昨日今日に出来た町の雰囲気ではない。
明大前あたりがこんな感じではなかったか。
見下ろす着地点はもちろん商店街なのだが、
ちょうどうまく人がいなくなっている。
すぅっと落ちる背中が寒いような感覚とともに放物線を描いて
電車は道なりにソフトにスムーズにテンダネスにランディングした。
着地の瞬間、少し開いた窓から焼き鳥の匂いがした。
あのトロ目の運転手、なかなかやるじゃないか。
まあ公的交通手段だから、ムラがあっては困るのだが。
フフフ、それにしても何事もうまくいくじゃないか。
Everything's gonna be alright!
夢の中で、
私は電車に乗っていた。
通勤とか所用とかではなく、
知り合いが何人も一緒に乗っていたようだから、
何か行楽の帰り途という感じであった。
窓の外を流れる景色にだんだんとビルが増えてきた。
こうなると、あっと言う間に新宿に到着するだろう。
ところが終点間近になって電車の走り方がぎこちないのだ。
ぐっとスピードを上げたり、急にブレーキをかけたり。
まるで車の居眠り運転のような気配であった。
私は3号車の右側窓際、進行方向に座っていたから、
ちょうど右カーブの時に先に曲がってゆく1号車の運転手が見えた。
実際なら見えないだろうが、
夢の中だから、はっきりと横顔が見えた。
目がトローンとしていた。
あれはマズイなあ、と私が思っていると、
電車はなんと道路に出た。
出たといっても、これは既定路線らしく、
最近は、
いや、夢の中での最近の事情では、このようなこともあるらしい。
たぶんこれは京王線なのではないか。
代々木手前あたりで道路に出た我らが電車は、
細い商店街を遠慮しないで走ってゆく。
裏新宿などと題名を書いたが、
そんな呼び名はないと思う。
まあ、なんとなく、だ。
新宿も広いしね。
前方が少し渋滞していた。
最後列に古いスカイラインが停まっている。
しかし電車は速度を落とさない。
「おいおい」と私が口にした途端、
ギューっと電車は急ブレーキをかけて、ギリギリで止まった。
危ねえなぁ。
無事に着けるのかな。
私の心配をよそに電車はまた商店街を走ってゆく。
こんなとこ、あったかな。
最近、新宿も様変わりが激しく、
渋谷もそうだが、
もう、ほんの少し行かないだけで、地下などは迷うほどに
変わってしまう。
そんな感慨に耽っている私の乗った電車は
これからなぜか、なぜか踏切を渡ろうというのだ。
これがこの夢のクライマックスである。
前方に見える踏切はいわゆる盛り土凸状になっていて、
この長い電車が上って、そして下るというのだ。
と私が考えている間に、電車は一気に躊躇なく
「びよーん」とジャンプした。
踏切で正に踏み切ったわけだ。
そしてまるでスローモーションのように滞空した。
裏新宿の町並みを上から見渡すこの臨場感。
このリアルさはもう夢じゃないな。
それにしても昨日今日に出来た町の雰囲気ではない。
明大前あたりがこんな感じではなかったか。
見下ろす着地点はもちろん商店街なのだが、
ちょうどうまく人がいなくなっている。
すぅっと落ちる背中が寒いような感覚とともに放物線を描いて
電車は道なりにソフトにスムーズにテンダネスにランディングした。
着地の瞬間、少し開いた窓から焼き鳥の匂いがした。
あのトロ目の運転手、なかなかやるじゃないか。
まあ公的交通手段だから、ムラがあっては困るのだが。
フフフ、それにしても何事もうまくいくじゃないか。
Everything's gonna be alright!