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5/4 映画「祈りの幕が降りる時」感想

2020-05-04 18:37:23 | 映画

5/4

普段あまり最近の日本映画は観ないのだが、CSで「祈りの幕が降りる時」という作品をなんとなく見始めたら、なかなか最後まで見せてくれた。

主演の阿部寛という俳優は、私の認識よりずっといい役者になったんだなぁと終始思った。

まず主役を張れる器量も存在感もあり、そしてよい意味で力が抜けていて大袈裟な演技をするでもなく、立ち姿もいいし、歩けば涼しげだし、きっと本来の性格もいいのだろうな。あまり彼の作品を観たことがないのだが、機会があれば観てみようかなと思った。

しかし一番よかったのは小日向文世で、善人が善人であるがゆえに世の中の昏い底へと墜ちてゆく哀しさを十分に演じてくれた。

何もなくても父と娘というシチュエーションには弱いのに、あんな設定であれほどの演技をされたら、あまり性格のよくない私でさえうっかり涙腺が切れそうになった。

小日向文世という人のこともあまり知らなくて、たとえばアウトレイジ、それから世の中から電気が突如なくなってしまうという設定の変な作品、それくらいが頭に浮かぶだけだが、しかしそういった少しクセのある役よりも今回のなんの特徴もなく、ただの善人で、運命に翻弄され続け、次第に息も出来なくなってゆくというような役を演じる方が難しいだろうなと思った。

いや理屈ではなく、私は彼のその静かな、しかし迫真の演技に圧倒された。

以上。 E V O L U C I O

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