【映画がはねたら、都バスに乗って】

映画が終わったら都バスにゆられ、2人で交わすたわいのないお喋り。それがささやかな贅沢ってもんです。(文責:ジョー)

「アリス・イン・ワンダーランド」:豊洲二丁目バス停付近の会話

2010-04-17 | ★業10系統(新橋~業平橋)

映画のポスターの向こうに見えるのは?
キッザニア。
どちらも子どもたちにとっては、夢のワンダーランドってことね。
でも、ティム・バートン監督の「アリス・イン・ワンダーランド」に登場するのは、19歳になったアリス。もう十分おとなだ。
好きでもない男から求婚されかかっている。そこから逃れようと、幼いころ飛び込んだ穴の中へまた飛び込んでいくっていう物語。
ティム・バートンと不思議の国のアリスって、観る前からいかにもマッチしそうな印象だったけど、まったくその通り、極彩色の奇妙な世界が広がっていく。
コスプレ好きのジョニー・デップがいつも通りに怪演すれば、ヘレナ・ボトム・カーターがどでかい頭の赤の女王で応える。
ヘレナ・ボトム・カーターって、「眺めのいい部屋」のころはまともな女優だったのに、いつのまにか怪優になってしまった。
対する白の女王に扮するのが、文字通り白塗りのアン・ハサウェイ。
彼女も「レイチェルの結婚」みたいにちゃんとした演技ができる女優なのに、ときどきおちゃめな役柄に浸ったりする。
そりゃ、この手の映画にまじめな演技を求めるのは野暮ってもんでしょう。
いや、別に否定しているわけじゃない。むしろ、称賛したいくらいだ。映画の中でも言ってるじゃないか、「お前はどうかしてる。でも、偉大な人はみんなそうなんだ」って。
アリスも、最初は、こんなおかしな世界、ただの夢にすぎないと思っているのに、そのうち「あれは夢じゃない、記憶なんだ」って思い始めたりする。
いいことばじゃないか。俺なら「映画は夢じゃない。記憶なんだ」って言いたいね。
どういう意味?
「映画を観るっていうことは、ひとときの夢を観るようなもんだけど、それは記憶として観た人の現実を変える力にもなり得る」ってことさ。
この映画のアリスが穴の中で活躍したあとに、生きる力を得て、現実に戻っていったように?
ああ、そういうこと。ティム・バートンって、いつもそんな気持ちで映画を撮っているように感じられて、画面に現れた独特の世界だけじゃなくて、その裏にある心持ちにひかれるんだよなあ。
今回はあまりにもぴったりな題材過ぎて、これまでのティム・バートン以上の世界ではなかったように思ったけどね。
いいんだ。偉大なるマンネリは偉大なる文化に昇華する。
そういえば、あたしたちの会話もマンネリ気味じゃない?
偉大なる文化って意味か?
あほか。



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4 コメント

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バートン世界 (hpns)
2010-04-18 11:45:03
コメントお初におじゃまします。
ジョニー、ヘレナBと組んでもはや磐石の
バートンワールドですね。
安心して見ていられる反面、「ビッグフィッシュ」のような
イレギュラーもまた見たいものです。
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■hpnsさんへ (ジョー)
2010-04-18 19:13:15
そういえば、
「ビッグフィッシュ」もティム・バートンでしたね。
あれには、うるうるきたなあ。
たまには、ああいうバートン番外編もいいですよね。
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こんばんは! (アイマック)
2010-04-26 23:26:59
「ビッグフィッシュ」もバートン監督なんですね。
知らなかったです・・
白の女王のアン・ハサウェイは何かあるぞって思わせてくれましたよ。
手の動きが軟体動物みたいでしたー。笑
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■アイマックさんへ (ジョー)
2010-04-29 16:55:36
みんなヘンだけど、アン・ハサウェイも相当ヘンでしたね。
彼女も清純派からスタートしたはずなんですけどねえ。
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