
携帯電話がこんなに活躍していいのかよ。

たしかに、連絡はBARの電話にしろ、というのがこの映画のウリだったはずよね。

探偵が依頼主を助けていいのかよ。

そう、探偵は依頼主を助けられないというのが、ハードボイルドのお約束よね。

ほんとか。

よくわかんないけど、前作はそうだった。

なんか、この映画のおもしろみにつながっていた約束ごとがちょっと緩んできちゃったような気がするな。

この映画、大泉洋に対する松田龍平の立ち位置が新鮮でそれも魅力のひとつになっていたんだけど、二人のコントラストがどうもくっきりしなくなってきた。

まあ、テレビの「まほろ駅前番外地」の瑛太と松田龍平のキャラクターの違いがくっきりとしていていたのがまだ記憶の底にあるから、それと比べてどうだろうと思っちゃうのかもしれないな。

二作目ともなるとどうしても、粗探しをしたくなっちゃうっていうところもあるけどね。

新鮮味だけでは押していけないから、何か新たな魅力を付け加えなくちゃいけないんだろうけど、それがちょっと足りなかった。

尾野真知子もテレビの「最高の離婚」のほうが圧倒的にいい。

「砂の器」の主人公がああいう生い立ちで一流のピアニストになんかなれるわけがないって批判されてたけど、この映画の主人公もああいう生い立ちで一流のバイオリニストになんてなれるわけがない、って感じがある。

一流をめざした映画じゃないんだからいいけどね。

うん、そこは好感が持てる。