【映画がはねたら、都バスに乗って】

映画が終わったら都バスにゆられ、2人で交わすたわいのないお喋り。それがささやかな贅沢ってもんです。(文責:ジョー)

「アイスバーグ!」:都営戸山ハイツ前バス停付近の会話

2010-08-07 | ★橋63系統(小滝橋車庫前~新橋駅)

毎日、うだるような暑さね。
こういうときは、木蔭に避難するに限る。
都会の真ん中にも、ところどころに、こういう林があるもんね。
ブリュッセルにはないのかな?
ブリュッセル?
「アイスバーグ!」の夫婦が住む町。暑さのあまり、妻は氷山をめざしてしまう映画。
違う、違う。あやまって働いているお店の冷凍庫に閉じ込められたのがきっかけで、氷の世界が好きになってしまい、氷山をめざすっていう映画よ。
ヘンな話だな。
ヘンな映画なの。
って、けなしてる?
誉めてる。
ねじくれた誉め方だな。
だって、監督がドミニク・アベル&フィオナ・ゴードンのパントマイム・コンビ。「ルンバ!」に続いて、また一本、ねじくれた映画をつくった。
つくったのは「アイスバーグ!」が先だ。俺たちが観たのも「アイスバーグ!」が先。
二本立てだったから、どっちがどっちだか、こんがらがってきちゃったのよ。
このコンビの映画を二本続けて体験すると、頭も体もフニャフニャになっちゃうからな。
映画としての完成度は「ルンバ!」のほうが上だと思うけど、アベル&ゴードンの個性はこの映画からすでにはっきり出ている。
肉体の使い方はもちろんだけど、俺はこの柄映画、彼らの服装とか、彼らが働く店や暮らす家とかが印象的だった。
シンプルよね。
シンプルのひとことに尽きる。
服装から建物まで、赤と薄茶で統一されていて、すっきり鮮やか。
それでいて、安っぽい感じは全然しない。
働いているファーストフード店のサインまでおしゃれだったしね。
色使いとか形状とか、この映画に登場するものって、なにやら北欧の家具を眺めているような印象がある。
なんか、日本映画で言えば、北欧でロケした「かもめ食堂」みたいな空気感もある。
それが氷山をめざしてからは、海洋冒険コメディに変わってしまう。
最後には、あろうことかイヌイットまで登場。
暑い夏にふさわしい映画だったな。
うーん、そういう印象の映画ではまったくなかったけどね。暑さにヤラれた頭で観ると、ますますヤラれちゃうかもよ。
涼むなら、やっぱり木蔭のほうがいいか。
涼むならね。



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ふたりが乗ったのは、都バス<橋63系統>
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