手前に見えるのぼりのマーク、「BALLAD 名もなき恋のうた」で草剛が被る兜の模様に似てない?
これは丸いのが三つだけど、あれは丸いのが二つだったわよ。
じゃあ、「BALLAD」の出来は星二つ。
なに、そのおおざっぱな評価。
いいんだ、おおざっぱな映画だったんだから。
そんなことはないでしょう。クレヨンしんちゃんの「嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」の実写化なんだから。
たしかに、山城の再現とか、戦国時代の戦いの仕方とか、これまでの時代劇に比べると、ずっと史実に近いんじゃないかと思わされるようで、時代の再現には細心の精力を注いだ跡が見えて、さすが「ALWAYS 三丁目の夕日」のスタッフだと感心はした。
だったら満足できたんじゃないの?
ところが、そこで繰り広げられる物語が、いくらアニメの翻訳とはいえ、生身の人間がやると底が浅く見えてしかたなかった。
そうかしら。姫と武将の身分違いの恋なんて、実写映画にだってたびたび取り上げられているテーマよ。
そういう身分違いの恋には、引き裂かれる力が働くものなんだけど、この映画はその引き裂く力が弱くて、それだけに悲恋が盛り上がらない。
敵の大名が姫をめとりに来るなんて、相当な力だと思うんだけど。
でも、ものわかりのいい父親は、姫をやらないっていう決断をあっけなくしてしまう。身分違いと言っても、身内に敵がいないんじゃあ、たいした悲恋にはならないだろう。
現代からやってきたしんちゃんの幼い説得がきくのも、もともと二人の壁が低かったからっていうことね。
しんちゃんがいきなり異世界に投げ込まれたことに不安を覚えるという描写もないし。
実にあっけなく現代に戻れる。
時代は戦国時代だぜ。殺すか殺されるかっていう時代なのに、車の中からのほほんと合戦のようすを眺めてていいのかよ。いくら、しんちゃんでも緊張感なさすぎ。
弱肉強食の時代の武将が、しんちゃんの懇願が効いたとはいえ、あんな形で敵に情けをかけるなんていうこともありえないかもね。
本来、こどもの目から見た世界とおとなの目から見た世界は違うんだっていうことをわからせるべき厳しいシーンにすべきだったんだ。
暗転が入ったのはそういう意味かと思ったら違った。
敵の大将も、それでおめおめと引き下がるなんて、とどめを刺されるよりかっこ悪いはずだ。
きっと監督がいい人なのよね。だから、「ALWAYS 三丁目の夕日」のような人情劇の世界を描くときにはプラスの面に働くんだけど、厳しい世界を描くときには、マイナスの面に働くのかもしれない。
とにかく、合戦というのは本質的に残酷な殺し合いなんだってことにもっと自覚的でないと、肝心なところを逃げた映画だっていう印象しか与えない。
「逃げないことに決めた」っていうのがテーマの映画なのにね。
姫役の新垣結衣はよかったけどな。
あなたの場合、新垣結衣は出ていればなんでもいいんでしょ。
ああ。名前が売れてなかった「ドラゴン桜」のころからぞっこんよ。
それこそ、名もなき恋のうたね。
それを言うなら、モテモテだ。
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