【映画がはねたら、都バスに乗って】

映画が終わったら都バスにゆられ、2人で交わすたわいのないお喋り。それがささやかな贅沢ってもんです。(文責:ジョー)

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「黄金を抱いて翔べ」

2012-11-12 | ★橋63系統(小滝橋車庫前~新橋駅)


黄金を抱いて翔ぶ前に映画が失速してしまった。
途中までの男たちの諸事情を巡るドラマはいいとしても、終盤、いかに銀行から金塊を盗み出すかという一点に話は集中していったはずなのに、肝腎なところでまた男たちの諸事情を巡るドラマがはさまっちゃうんだもんね。
そういうエピソードはせめて金塊を銀行の外へ運び出してからしてくれよ、と思うんだけど、銀行強盗の真っ最中にはさまっちゃうんだもんな。
ショーのクライマックスを観ているときに、突然舞台裏のドラマになっちゃったようで、興を削ぐ。
諸事情が悪いとは言わないよ。井筒和幸監督はそういう映画にしたかったんだろうから。でも、タイミングってものがある。
男たちの諸事情もそれなりに共感はできるんだけど、盛りだくさん過ぎて、消化不良になってしまったきらいはある。
男が男に抱かれながら死んで行くなんて、いちばんおいしいシチュエーションなんだけど、その二人の関係がどこまで親密なのかいまひとつわからないから、思ったほど胸に迫ってこない。
溝端淳平のキャラクターも新境地を開く熱演なんだけど、途中退場って感じで、もう少しフォローしてほしかった。
男たちの崖っぷち感に対して、彼らが駆け回る大阪の街のゆるさがいい対比にはなっているけどな。
彼らの行動を見ても驚きもしないで通り過ぎる、行きずりの大阪のおばちゃんたちがいちばんの見どころだったりして。
銀行の警備員たちも東京だったらもっとしゃんとしてるんじゃないの、と思っちゃうけど、まあ、大阪ならあんなものかなと納得しちゃう。
大阪だからこそ成り立つ犯罪。
銀行を襲う犯罪映画なんて、娯楽映画の基本の基なのに、こういう日本映画が最近なかったから、その意気込みは買うけどな。
黄金を抱いて空高く翔ぼうとしたら、低空飛行になっちゃったような映画。
低く翔ぶのも嫌いじゃないけどな。
誉めてるの、貶してるの、どっちなの。
両方。


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