
「新仲見世」?見世物小屋でもあるのかな。

浅草だから、アミューズメント施設があっても不思議じゃないけど、いまどき、さすがに見世物小屋はないんじゃないの。

ロンドンにはあるのにな。

映画の「Dr.パルナサスの鏡」の話でしょ。

ああ、「寄ってらっしゃい、観てらっしゃい。この世のものとも思われぬ幻想的な世界へようこそ」っていうやつな。鏡の向こう側の摩訶不思議な世界へいろんな人物が案内される。

鏡の向こう側には、そこへ行った人たちの想像力でつくられた、夢まぼろしの世界が広がっている。

監督が「未来世紀ブラジル」や「バロン」のテリー・ギリアムとくれば、どれくらい現実離れした世界か想像がつく。

思いっきりイマジネーションの翼を広げて、自分の思い描いた通りの映画世界を創造する天才監督よね。

今回もまた、彼の独創的な世界観が隅々にまで発揮されている。

今回も、って言うけど、テリー・ギリアムは不遇続きで、「ドン・キホーテを殺した男」なんて撮影途中で暗礁に乗り上げちゃってるし、この映画の主人公のヒース・レジャーも撮影途中で急死している。

ところが、そのあとを、ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルというそうそうたるメンバーが穴埋めしているんだから、不遇なテリー・ギリアム監督とはいえ、どれだけ俳優たちから信頼されているか、想像がつく。

鏡のこちら側の主人公をヒース・レジャー、鏡の向こう側の主人公をあとを継いだ三人が分担して演じるというマジックのような構成で乗り切っている。まさに、この映画だからこそ成し得た快挙といったところね。

でも、それだけに、この三人、わりとあっさりとしたゲスト出演的な見え方がしてしまう部分もあって、せっかくのキャスティングなのに、それぞれのキャラクターをちょっと活かしきれていなかった感じもする。

まあ、異常事態だったからね。そういう意味では、テリー・ギリアムの演出もいつもに比べるとあっさりしていたかしら。

この手の映画は、これでもか、これでもか、と異常なほどの粘着力で圧倒的なイマジネーションの押し付けをしてくるところに醍醐味があるんだけど、今回はちょっと本来のしつこさが足りなかったかもしれないな。

彼の本領は、まだまだこんなもんじゃないって気はするわよね。

テリー・ギリアムといえば、エミール・クストリッツァ、ティム・バートンと並ぶ“世界三大ほらふき監督”の一人なんだから、もっともっと狂い咲いてほしいよな。

あら、“世界三大ほらふき監督”なんて、誰が言ってるの?

俺。

それも、ほらなんじゃないの?

とーんでもない。これは紛れもない真実だ。この三人の映画しか上映しない“世界三大ほらふき監督の館”でもつくってほしいくらいだ。

どこに?

まあ、こういう妖しげな施設がふさわしいのは、浅草くらいしかないかな。

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