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エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

青柿

2016年07月15日 | ポエム
梅雨の晴間・・・。
なのだけれど、油断してしまった。
傘を持たずに外出したのだった。

帰宅時に、豪雨に見舞われてしまった。
電車に乗っている時から、ゴロゴロと雷が鳴っていた。

喫茶店で時間をつぶしたけれど、ネットで見ると天気は更に悪化しそうであった。
結果として、雨の中を帰宅した。
濡れ鼠になって帰宅したのであった。



しかしながら、雨の前には見上げると青柿が硬い光を跳ね返していた。
いま、この季節だからこそ見られる風情である。







「青柿の硬き光の深さかな」







青柿は、いつだって夢を与えてくれる。
柿が熟れるとき、天使に分け前を分けるとき、木を守ってくれる柿を見上げるとき・・・。
皮を剥いて、お日様に晒すとき。

いつだって楽しい。
青柿の魅力は、硬質であること。
その硬さは、深い淵を思わせること。
硬い光を跳ね返し、雨をしっかり跳ね返すこと。



そこまで楽しませてくれる果実は、柿だけかもしれない。
青柿をしっかりと見届けたいものだ。



     荒 野人