エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

姫踊子草

2016年04月01日 | ポエム
春の野山は、クレパス色である。



その中に在って、ヒメオドリコソウは季語として未だ市民権を得ていない。
けれど、花開く時期を勘案して初春としても良いだろう。



似て非なる踊子草は夏の季語である。



ここでは、姫踊子草を詠みたいのである。



群舞の様は、ホトケノザと同様に春の野山でこそ輝く。

姫が付くからこそ、踊子草よりも小振りである。
その小振りが、俊敏のようであって踊子草の名前の由来となっているのは郁子(むべ)なるかなである。
郁子は、アケビの亜種である。

花も、実も通草に良く似ている。
余談である。







「群舞する姫踊子草もの狂い」







ヒメオドリコソウの群舞は久しぶりに目にした。
野山は、カタクリが満開であり桜は満開である。

花々は万朶。



嗚呼一年生き延びた、との感慨に駆られる。
だから、春の気配は「物狂い」に満ちている。

物みな狂ったように、生を謳歌する。
生の讃歌があちこちから聞こえて来る。



     荒 野人