エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

春の小径は

2013年04月11日 | ポエム
いつもの散歩道であるけれど、春の小径は一際麗しい。
何より、風が良い。
色が良い。



視力があわあわとして、細める仕草が良い。
初老の婦人のその仕草は、なんとも艶やかである。

散歩日和と云う筋書きが浮かんで来たりする。







「春麗の散歩日和の小径行く」







小津安次郎が映像化すると、どう描くだろう?
キャメラを定点で回す。
ゆらゆらと大気が揺れ、径の向こうに異性の姿が霞んでいる。



そんな午後が突然脳裏を掠める。
スミレは簡易舗装の裂け目から咲き初めた。
あわあわとした春日和には、その逞しさが眩しすぎる。




         荒 野人