夜桜。

風が吹き来たり、花を散らす。

「桜まじ」である。
桜を静かに散らす、暖かい南風である。
春の季語である。
夜桜の秘密を見たり鵺啼きぬ 野 人
夕暮れの桜色なす提灯や 野 人
日が暮るる人は踊りぬ花見かな 野 人
夜になりにわかに始む花吹雪 野 人

自衛隊官舎の横の遊歩道である
自衛隊の駐屯地には桜の名所が多い。
いや、旧帝国陸軍駐屯地に名所が多い・・・と言いかえるべきか!

昨年は自粛モードだったのだけれど、今年は提灯もぶら下がっている。

桜の木の下には、人の欲望が埋まっていると云った。
ぼくの尊敬する作家「梶井基次郎」は人の死体が埋まっていると書いている。
また、坂口安吾は桜の森の満開の下は怖ろしいと言いきった。

だがしかし、現在人はその桜の下で酒を酌み交わし、団子を食っているのである。
この夜、桜を散らす暖かい南風が満開の下を吹き渡った。

だがしかし夕刻、空を見上げたら、見事なまでの飛行線を描いて飛行機が去って行った。

美しい空であった。
この飛行線は、夜桜への期待を膨らませたのであった。
にほんブログ村
にほんブログ村
荒 野人

風が吹き来たり、花を散らす。

「桜まじ」である。
桜を静かに散らす、暖かい南風である。
春の季語である。
夜桜の秘密を見たり鵺啼きぬ 野 人
夕暮れの桜色なす提灯や 野 人
日が暮るる人は踊りぬ花見かな 野 人
夜になりにわかに始む花吹雪 野 人

自衛隊官舎の横の遊歩道である
自衛隊の駐屯地には桜の名所が多い。
いや、旧帝国陸軍駐屯地に名所が多い・・・と言いかえるべきか!

昨年は自粛モードだったのだけれど、今年は提灯もぶら下がっている。

桜の木の下には、人の欲望が埋まっていると云った。
ぼくの尊敬する作家「梶井基次郎」は人の死体が埋まっていると書いている。
また、坂口安吾は桜の森の満開の下は怖ろしいと言いきった。

だがしかし、現在人はその桜の下で酒を酌み交わし、団子を食っているのである。
この夜、桜を散らす暖かい南風が満開の下を吹き渡った。

だがしかし夕刻、空を見上げたら、見事なまでの飛行線を描いて飛行機が去って行った。

美しい空であった。
この飛行線は、夜桜への期待を膨らませたのであった。


荒 野人