桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2009・9・3

2009年09月04日 | Weblog
俺が脚本家時代、彼は一番沢山仕事をした制作会社のプロデューサーだった。仕事の発注を受けてもスッポカシの常連だった俺が、彼との仕事ではそんなことはなかったし、喧嘩別れをした訳でもない。俺が離婚して引っ越しする時には会社からトラックを出して部下たちを手伝いに寄越してくれた程の関係だ。脚本家を辞めて広尾で店を始めた時も、彼の配慮かその制作会社から豪華なフラワースタンドが届いた。だから当然店にも来てくれるだろうと思っていたのに、部下のプロデューサーたちは来てくれるのに、店を始めて11年、彼は一度も来たことがない。何処からか彼が脚本家を辞めた桃井には何の興味もないと言っているという噂が聞こえてきた。そうか、そういう考え方もあるのか?とある意味感心した。仕事を一緒にしていた時は人並み以上にホットだった彼が、そんな噂を聞くと本当はとても冷徹でクールな男だったのだ気づいた。でも、いつか何処かで偶然出会ったら挨拶くらいはする時はあるだろうと思っていた。そして今日、そんな彼を六本木交差点で見かけた。懐かしくて思わず信号待ちしている彼に近づいて行こうとすると、咄嗟に彼は顔を背けた。瞬間、俺は足が止まった。彼は俺を避けている。脚本家でない俺とは挨拶もしたくないのか?それとも俺に気づかないのか?しばらく傍に立ち続けて彼がこっちに顔を向けるのを待った。でも、何十秒か何分か、彼は俺に顔を背けたまま信号が変わるや否や俺を無視するように足早に立ち去って行った。そこまですると却ってアッパレ。そんな人間関係があったのだと思うと、人間って奥深い。
       ~~COREDOプロデュース~~
★新井英一LIVEinCOREDO『夏の終わりにブルースを』
 コレドが二月にプロデュースして好評だった新井英一のLIVEの第二弾。
 9/11(金)20時開演(19時開場)、料金4000円、定員70名。  
★HOT CORNETSライブ
 コレド初プロデュース。木幡光邦のコーネットの音色が乃木坂の夜に響き渡る。 ゲスト・斎藤ネコ 出演 竹中俊ニ、宮崎カポネ信義、安カ川大樹
 日時10/5(月)20時開演(19時開場)・料金3000円、定員60人。
    ~予約お問い合わせはコレドシアター(3470ー2252)まで~
コレドのホームページのアドレスイベントスケジュールなどご参照ください。