桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2005・9・18

2005年09月19日 | Weblog
映画を試写室以外でお金をちゃんと払ってみたのは何年ぶりだろ?睡眠時無呼吸症候群の為もあってか、映画館が暗くなって5、6分もすると、ストーンと落ちる様な睡魔に襲われ、そのままラストまで起きなかったと云う体験を繰り返している内に、映画を見に行くのが怖くなってしまったのだ。だから今夜、草薙幸二郎さん主演の店のイベントが終った後、部屋でややこしい帳簿の整理をしている時に、Aちゃんから『六本木ヒルズで映画みない?』とお誘いがあっても、とりあえずお断りした。おまけにその映画と云うのが『NANA』と云う少女漫画を原作にしたロックミュージシャンが主人公の物語と云うのだから断って当然。でも、Aちゃんは粘る。寝てていいから。どうせ部屋にいても後は寝るだけでしょ?しまいには根負けして、目の前にあっても一度も足を踏み入れたことのない六本木ヒルズ内の『バージンシネマ』に、本当に寝るつもりで出かけることになってのだが、何と、何と、俺は一睡もしなかった。いや、出来なかった。四人の主人公の内、顔と名前を知っているのは松田龍平だけ。後の三人とは初対面。名前も知らない。それなのに、グイグイ最初から引きつけられる。別に大きなドラマがある訳じゃない。何処にでもある恋物語だ。でも、それがサスペンス映画の様に描かれて行く。恐らく原作の展開とは違うのだろうけど、これは映画としての構成が秀逸。若い女の子の恋物語で57歳の俺が涙がとまらなくなるなんて、脚本家と監督のテクニックがなければ、ありえないことだからね。こんな機会を作ってくれたAちゃんに感謝!